話題株ピックアップ【夕刊】(2):ファナック、ソフトバンクG、クリエイトS
■東京個別指導学院 <4745> 585円 -31 円 (-5.0%) 本日終値
11日に決算を発表。「3-5月期(1Q)経常は赤字拡大で着地」が嫌気された。
東京個別指導学院 <4745> [東証P] が7月11日大引け後(17:15)に決算を発表。23年2月期第1四半期(3-5月)の連結経常損益は8.2億円の赤字(前年同期は6.2億円の赤字)に赤字幅が拡大した。
■ファナック <6954> 20,920円 -995 円 (-4.5%) 本日終値
ファナック<6954>、キーエンス<6861>、SMC<6273>、日本電産<6594>、安川電機<6506>といった設備投資関連株に売りがかさんでいる。ゼロコロナ政策を進める中国では、新型コロナウイルスの感染再拡大を受けて経済活動を制限する動きが再び確認されている。前日は上海市の一部地区で屋内施設の利用を停止するなどの措置がとられており、サプライチェーン・リスクなど今後は企業への影響も警戒される状況だ。また、中国景気も個人消費など足もと減速傾向をみせていることで、中国向け売上比率の高い銘柄の株価にはネガティブ材料となりやすい。
■ソフトバンクグループ <9984> 5,213円 -233 円 (-4.3%) 本日終値
ソフトバンクグループ<9984>が4日ぶり反落。前週から今週明けにかけ戻り足を明示していたが、きょうは一気に吐き出す形となった。前日の米国株市場でハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数の下げが目立ち、米ハイテク株に積極投資する同社の株価に逆風が意識された。また、同社が出資するスウェーデンの決済サービス会社であるクラーナの企業価値が急減していることが報じられている。直近クラーナは日本円にして約1100億円の資金調達を発表したことでマーケットの視線が向けられたが、これもソフトバンクGの株価にネガティブに作用している。
■クリエイトS <3148> 3,025円 -120 円 (-3.8%) 本日終値
クリエイトSDホールディングス<3148>が反落。11日の取引終了後に発表した23年5月期連結業績予想で、売上高3713億円(前期比5.9%増)、営業利益169億7000万円(同6.6%減)、純利益114億4000万円(同9.2%減)と営業減益を見込むことが嫌気された。調剤併設型ドラッグストアを中心とした出店継続で増収を見込むものの、出店に伴う人材採用で人件費がかさむほか、光熱費などのコスト増が響く見通し。なお、22年5月期決算は、売上高3507億4400万円(前の期比3.6%増)、営業利益181億7600万円(同2.4%減)、純利益125億9500万円(同1.8%増)だった。
■日経レバ <1570> 12,975円 -460 円 (-3.4%) 本日終値
NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信<1570>が再び下値を探る展開。きょうは3%超の下落で1万3000円台を割り込んだ。売買代金は全市場を通じてトップ。日経レバは日経平均に連動する仕組みで組成されたETFであり、価格変動率が日経平均の2倍に設定されているのが特徴。全体相場のボラティリティが高まった際に空売りもできることで個人投資家からの注目度が高い。きょうは、前日の欧米株が世界景気減速懸念を背景に全面安に売られ、東京市場でも投資家のセンチメントが悪化している。先物を絡めたインデックス売りの影響もあって、日経平均は一時500円超の下げをみせており、日経レバもこれに追随して下値模索の動きを強いられている。
■東京エレクトロン <8035> 41,710円 -1,240 円 (-2.9%) 本日終値
東京エレクトロン<8035>は続落。同社株は7月4日に4万1340円の年初来安値をつけた後は戻り足に転じていたが、上値での戻り売り圧力の強さが改めて確認される形となっている。前日は米国株市場でエヌビディア<NVDA>やインテル<INTC>、アプライド・マテリアルズ<AMAT>といった半導体主力銘柄が軒並み売られる展開となっており、東京市場でも同関連銘柄を売り直す動きが観測される。そのなか、半導体製造装置のトップメーカーである同社株は、これまでの下落過程で値ごろ感から個人投資家の信用取引を活用した買いが活発化しており、これが需給面で戻り足を鈍くしているという見方もある。
■トヨタ自動車 <7203> 2,116.5円 -35.5 円 (-1.7%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>、ホンダ<7267>など自動車株の上値が重い展開。外国為替市場では一段と円安が進行し、ドル・円相場は24年ぶりとなる一時137円台後半まで円安が進んだが、足もと対ユーロではユーロ安・円高方向に振れており、ドル独歩高の様相が強い。OECDが昨日発表した6月の景気先行指数では世界景気の減速を示唆するものとなっており、先行き自動車販売にも影響が及ぶ可能性が意識されているもよう。また、中国ではゼロコロナ政策に伴う経済活動への影響が再び警戒されており、自動車セクターにとってサプライチェーンリスクなどが改めて浮上する可能性も買い手控え要因に。
■メディアリンクス <6659> 116円 +30 円 (+34.9%) ストップ高 本日終値
メディアリンクス<6659>が急騰。小型株ならではの足の軽さをみせ、30円高はストップ高となる116円まで駆け上がった。同社はこの日、韓国通信大手LGユープラスが提供する韓国の公共放送KBSの放送ネットワークにMD8000 Media over IP伝送技術が採用されたと発表しており、これを材料視した買いが向かっているようだ。これにより、KBSはMD8000プラットフォームによって構築されたLGユープラスのネットワークを利用し、同国全域にメディアサービスを配信する見通し。メディアLの技術が集約されたMD8000プラットフォームは、柔軟性や信頼性、俊敏性を持ち、LGユープラスのネットワークバックボーンを介して4K映像やその他のメディアサービスをリアルタイム、低遅延で配信することができるという。
■シライ電子工業 <6658> 385円 +62 円 (+19.2%) 一時ストップ高 本日終値
シライ電子工業<6658>が急騰。11日の取引終了後に23年3月期業績予想の修正を発表。営業利益を10億円から14億円(前期比10.1%減)へ引き上げており、これを好感した買いが膨らんだようだ。引き続き受注状況が堅調に推移しており、生産効率の向上による原価低減や管理可能個別固定費の圧縮などによって利益が前回予想を上回る見込みになったという。なお、売上高見通しについては従来予想の300億円(同2.1%増)を据え置いた。
株探ニュース