【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─海外投資家が日本株を再評価へ、注目は不動産テック

市況
2022年7月17日 9時30分

「海外投資家が日本株を再評価へ、注目は不動産テック」

●4週ぶりに買い越しに転じた海外投資家

まずは朗報を。6月第3週以降売り越しを続けていた海外投資家が、ようやく買い越しに転じたのだ。6月第3週(6月13日-17日)の売り越し額は1兆7156億円(現物と先物の合計)に達し、同週の日経平均株価が大幅下落する最大要因になってしまった。

東京市場のメインプレイヤーである海外投資家が売り越していては本格的に上がることはないため、彼らがいつ買い越しに転じるか、その時を待ち望んでいたのだが、ようやくである。

7月第1週(7月4-8日)に海外投資家は1兆1890億円を買い越した。買い越しは4週ぶりだ。彼らが日本株に対して売り一方ではないことが分かって一安心だ。

もちろん、今後さらに買い増すという保証はまったくない。しかし、日経平均株価が直近安値からさほど戻っていないことを考えると、逆張りの買いを入れてくる可能性が高い。

それに参議院選挙での与党圧勝も、彼らを日本株に対して強気にする。われわれが外国株に投資する場合、当然、政治が混乱している国の株には投資したくない。ところが、今回の選挙は与党というより、自民党の圧勝だ。世界を見渡すと、イギリスではジョンソン首相が辞任に追い込まれているし、イタリアはドラギ首相が大統領に辞表を提出する騒ぎになっている。また、米国ではバイデン大統領に対する支持率が急低下している。韓国でも尹大統領の支持率が急落している。

このような各国の政治状況を考えると、日本がいかに政治的に落ち着いた国であるかに投資家の目が集まるのは自然であるとさえいえる。しかも、である。私が繰り返し強調しているように、日本には他国にない次のような株価支援材料がある。

(1)各国中央銀行が競うようにして利上げを急いでいるのに対し、日銀は大規模金融緩和を継続している。

(2)米国の消費者物価指数(CPI)の上昇率が9%台に乗ったことに代表されるように、世界各国が8%台以上のインフレに見舞われているのに対し、日本は2%台に乗ったばかりである。

(3)今期の業績が向上好転する上場企業が多い。

●高効率ビジネスの「不動産+IT」

こんな状況を考えると、日本株以外にも海外投資家たちが積極的に買っているものがあるのじゃないか、ということになる。もちろん、ある。不動産もその一つだ。

そこで注目は不動産、それも「テック不動産」企業になる。従来の不動産ビジネスとITテクノロジーを組み合わせた高効率のビジネスを展開中の不動産企業だ。

具体的には、まずは霞ヶ関キャピタル <3498> [東証G]になる。物流施設やアパートメントホテルの運営、ファンドの組成・運用に強く、特にアパートメントホテルは今後の展開が楽しみなビジネスになる。

収益不動産を富裕層向けに組成・販売し、運営・管理にも展開しているレーサム <8890> [東証S]も、株価が少し下げたところなので、下げ止まりを待っての投資が有効といえる。

都内の港区、渋谷区など城南エリアを中心に不動産売買、仲介を行っているランディックス <2981> [東証G]もその実力から見てまだ評価不足だ。

不動産を直接売買するわけではないが、不動産業界向けのクラウドサービスに特化、業務支援に強みを持ついい生活 <3796> [東証S]も、株価は地味ながらスローペースの上昇が期待される。

テック不動産分野以外にも目を向けておくと、私の大好き銘柄、朝日インテック <7747> [東証P]がある。循環器治療用のPTCAガイドワイヤの大手で、国内だけでなく中国での販売が拡大中だ。

2022年7月15日 記

株探ニュース

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