【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─3大支援材料に後押しされ、秋高相場の助走期に!
「3大支援材料に後押しされ、秋高相場の助走期に!」
●東京市場の意外な強さは8月も続く
例年この時期になると、「夏枯れ相場」という言葉をよく聞くことになる。マスコミも市場が軟調になると「夏枯れ状態」と書くし、私もそうしている。
しかし、今年はそんな言葉は使わなくてすみそうだ。まだ8月相場が始まったばかりながら、今年は活況とまではいかないものの、日経平均株価が堅調高となる確率が高く、その結果として夏相場は、秋相場の助走期となる可能性が高いからだ。
確かにこれからお盆だし、全国高校野球(夏の甲子園)も始まって、株式投資への関心が薄らぐのは避けられない。
それに改めて書くまでもないが、激暑は続くし、新型コロナウイルスの感染拡大もなかなか止まらない。そんな中での夏相場。どう考えても「夏枯れ相場」になるのが自然ではある。
しかし、7月に入ってからの東京市場の強さは、市場環境の厳しさを考えると、意外としか言いようのないような上昇ぶりだ。
それが8月も続く可能性が高いのは、これまでも繰り返し紹介してきたように、東京市場には次の3大支援材料があるからだ。
(1)日銀は大規模金融緩和の継続を当面継続する方針を明確にしている。
(2)世界各国のインフレ率が8~9%台に乗っているのに、日本は2%台に乗ったばかりである。
(3)相次いで発表される決算は好調な企業が多い。
加えて、米国の金融政策に対する楽観的な期待感がある。米国は7月に0.75%利上げしたが、8月はFOMC(米連邦公開市場委員会)の開催がなく、実質的に利上げを休む。次に9月にまた利上げすることになるものの、3回連続の0.75%利上げはさすがにないのではないか――こう見てよい状況だからだ。
最悪、3回連続0.75%引き上げても、10月はFOMCの開催がないので、次の11月のFOMCでは0.5%の利上げとなる可能性が高くなる。
●無借金の好財務企業を中心に選別
以上を総合すると、遅くとも11月には強烈な金利の引き上げは打ち止めになることから、株式市場は早ければ8月中旬頃から買い優勢となり、秋高相場の助走が始まる。こんなシナリオが描けるため、お勧めしたいのは有利子負債ゼロ、もしくは10億円以下の銘柄への投資になる。
なぜ、日本は金融緩和を続けると言いながら、負債ゼロ、もしくはそれに近い企業が有望なのか。いまは負債ゼロやそれに近い少額の負債であっても、経営が厳しい時代。この点を考えると、負債の多い企業は経営の負担が大きく、利息の支払いに汲々としている企業が多いと考えてよい。このため、注目したいのは有利子負債ゼロ、もしくは10億円以下の企業となる。
具体的には、まずはオーソドックスなところで、ショーボンドホールディングス <1414> [東証P]がある。橋梁・道路などインフラ点検・補修の専業であり、好財務で知られるだけに信頼性も高く、収益も伸び続けている。
イラスト制作用ソフトに強いアートスパークホールディングス <3663> [東証S]も、無借金経営。ソフトは国内だけでなく海外でも好評で、高いブランド力もあって今後も需要を伸ばすと見てよい。
天候異変が生じるとつい気になる企業であるウェザーニューズ <4825> [東証P]も、今後、残念ながら台風の接近・上陸もあるだろうから、株価も期待が持てる。
脂肪・血液由来の細胞加工受託で定評があるセルソース <4880> [東証G]も、医療関連企業では珍しく好財務。株価は緩やかな上昇を継続すると見る。
新値に進んでいる銘柄でも、無借金で、しかも業績好調となると、なおも投資魅力があるので、これまで幾度も取り上げてきたSHOEI <7839> [東証P]を。高級ヘルメットで世界首位。ブランド力の高さが魅力で、株価は目先一服もあるだろうが続伸確率は高いと見てよい。
そして、これまた毎度お馴染みになるが、中堅中小企業の M&A仲介で業界首位の日本M&Aセンターホールディングス <2127> [東証P]がある。株価は緩やかに上昇中であり、安定感が素晴らしい。
最後にメイテック <9744> [東証P]を。機械、電子・半導体業界向けの人材派遣に強いことで知られるが、この会社の場合、派遣するのは正社員だ。そのため企業からの信頼性、そして派遣される社員も安心して働けるため、経営の安定度は高い。株価も急騰はないものの、続伸基調が続く可能性は高い。
2022年8月5日 記
株探ニュース