4-6月期【利益倍増】企業はこれだ!〔第1弾〕 38社選出 <成長株特集>
3月期決算企業の23年3月期第1四半期(4-6月)決算がほぼ出そろった。本特集では、時価総額2500億円以上の銘柄を対象に、直近3ヵ月実績である4-6月期(第1四半期)に経常利益が前年同期と比べて2倍超の大幅増益を達成した38社をリストアップし、増益率の大きい順に並べた。下表は四半期ベースの「増益連続期数」、4-6月期(第1四半期)経常利益の通期計画に対する進捗割合を表す「対通期進捗率」も併せて記した。
増益率トップとなったのは、アルプスアルパイン <6770> [東証P]。22年4-6月期(第1四半期)の経常利益は前年同期の2億円から72.6億円に急拡大して着地。スマートフォン向け電子部品の販売が好調だったことに加え、急速な円安進行を受けて為替差損益が好転したことも利益を大きく押し上げた。
2位のサンリオ <8136> [東証P]はまん延防止等重点措置の解除で小売り店舗やテーマパーク「サンリオピューロランド」が通常営業したうえ、店頭イベントやライブ・コンサートの再開、新規ライセンス契約の獲得も寄与し、国内の売上高が大幅に増加した。海外事業も好調だったほか、構造改革の進展による原価率の低減なども利益拡大につながった。
続く3位の京王電鉄 <9008> [東証P]は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う行動制限の緩和で旅客需要が戻るなか、主力の鉄道やホテルの利用客が急回復した。鉄道株ではJR九州 <9142> [東証P]、東急 <9005> [東証P]、阪急阪神ホールディングス <9042> [東証P]、南海電気鉄道 <9044> [東証P]、名古屋鉄道 <9048> [東証P]、京阪ホールディングス <9045> [東証P]、小田急電鉄 <9007> [東証P]、東武鉄道 <9001> [東証P]がリスト入りしている。
10位に入った三菱自動車工業 <7211> [東証P]の4-6月期は、半導体不足や上海ロックダウンによる部品不足の影響を受けたものの、前期に投入した「アウトランダー」「エクスパンダー」などの新車販売が好調だった。また、アセアン市場の販売正常化や売価改善に加え、急速な為替の円安進行も追い風となり、経常利益は前年同期比4.4倍の494億円と大幅増益を遂げた。業績好調に伴い、減益予想だった23年3月期通期の同利益を一転して増益見通しに上方修正している。
12位にリスト入りした東京ガス <9531> [東証P]は都市ガスの原材料上昇分を販売価格に転嫁した影響が大きかったほか、原油価格の上昇を背景にオーストラリア資源開発事業の利益も膨らんだ。東京ガスのほかに、総合商社大手の三菱商事 <8058> [東証P]と双日 <2768> [東証P]、石油元売り大手のコスモエネルギーホールディングス <5021> [東証P]とENEOSホールディングス <5020> [東証P]も資源高が追い風となった。また、日立建機 <6305> [東証P]は高水準な資源価格を背景に鉱山機械が増勢だったほか、米州向け油圧ショベルなどの販売も大きく伸びた。
16位の川崎汽船 <9107> [東証P]、19位の商船三井 <9104> [東証P]、22位の日本郵船 <9101> [東証P]の海運大手3社は、旺盛な貨物需要が継続するなか、3社が共同出資する持ち分法適用会社オーシャン・ネットワーク・エクスプレス(ONE)の業績が大きく伸びた。また、ばら積み船の堅調な市況に加え、為替の円安進行も利益を押し上げた。3社ともに好調な業績を踏まえ、23年3月期通期の経常利益予想を大幅上方修正している。
┌ 経常利益 ┐ 増益 対通期 予想
コード 銘柄名 増益率 4-6月期 連続期数 進捗率 PER
<6770> アルプスアル 3444 7266 7 15.3 8.1
<8136> サンリオ 2363 2512 6 48.3 112
<9008> 京王 2305 5700 5 42.2 104
<9142> JR九州 2123 8557 5 28.5 18.2
<6417> SANKYO 724 9827 1 33.3 11.8
<9005> 東急 499 10272 5 28.9 45.0
<4506> 住友ファーマ 486 46610 2 - 19.5 *
<9042> 阪急阪神 455 25763 6 41.6 28.6
<9044> 南海電 375 4487 5 34.0 40.2
<7211> 三菱自 342 49476 5 41.2 8.6
<9048> 名鉄 334 5303 5 24.1 26.3
<9531> 東ガス 260 57700 2 45.4 12.7
<9045> 京阪HD 229 6743 6 43.5 31.2
<1963> 日揮HD 209 18520 3 51.4 18.9
<6951> 日電子 203 3312 5 17.6 21.9
<9107> 川崎汽 202 267397 8 38.2 1.3
<8058> 三菱商 198 739293 5 - 7.5 *
<5444> 大和工 179 23174 6 26.3 4.8
<9104> 商船三井 173 284191 8 40.0 1.9
<3289> 東急不HD 171 22476 5 29.6 14.7
<2768> 双日 161 60538 5 - 6.2 *
<9101> 郵船 146 377726 14 36.3 1.9
<5021> コスモHD 145 121527 8 64.0 3.5
<9007> 小田急 138 8665 5 38.9 71.1
<8801> 三井不 136 73462 2 28.3 14.4
<4581> 大正薬HD 129 9246 3 46.2 35.5
<9001> 東武 128 14364 5 49.5 38.3
<6305> 日立建機 125 26952 6 29.9 11.3 *
<6963> ローム 116 35261 6 47.7 17.8
<8114> デサント 114 3342 7 31.2 29.7
<5020> ENEOS 111 331970 6 107 9.4 *
<7735> スクリン 110 18206 7 24.9 9.3
<6504> 富士電機 108 12296 7 14.8 14.9
<8593> 三菱HCキャ 103 41931 4 - 8.7
<4063> 信越化 101 262633 6 31.3 12.1
<4005> 住友化 100 113656 1 - 7.3 *
<7911> 凸版 100 22261 5 30.5 17.2
<9468> カドカワ 100 12289 2 69.4 34.3
※経常利益の単位は百万円。「*」は国際会計基準を採用する銘柄。
※増益連続期数は四半期ベースの連続回数、同一会計基準内が対象。
株探ニュース