自律反発も戻りは限定的、28000円水準では強弱感が対立しやすい/オープニングコメント
30日の日本株市場は、前日の大幅な下落に対する自律反発の動きが意識されやすいものの、不安定な相場展開になりそうだ。29日の米国市場はNYダウが184ドル安だった。連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長のジャクソンホール会議でのタカ派発言を受けて、利上げペース加速を警戒した売りが継続した。その後、値ごろ感からの買いにダウは一時上昇に転じる局面もあったが、長期金利の上昇を受けてハイテク株の売りが相場を再び押し下げた。シカゴ日経225先物清算値は大阪比125円高の28035円。円相場は1ドル138円70銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや買い先行で始まることになろう。ただし、昨日の大幅下落で支持線として意識されていた25日線を明確に下放れたことからセンチメントは悪化しているため、自律反発も戻りは限定的になりそうだ。28000円水準では強弱感が対立しやすく、25日線が位置する28245円辺りを捉えてくるまではリバウンド期待の動きは限られそうだ。反対に戻りの鈍さが意識される局面においては、短期的に売りを仕掛けてくる動きなども入りやすいだろう。
また、米国市場では原油先物相場の上昇を受けて石油株が買われる一方で、長期金利の上昇が重荷となったハイテク株の弱い値動きが目立っていた。指数インパクトの大きい値がさハイテク株の戻りの鈍さが目立ってくると、先物主導による売りも入りやすいと考えられる。まずは28000円辺りでの底堅さを見せたいところであり、マイナス圏での推移となるようだと、75日線辺りが意識されてくることで戻り待ちの売り圧力が強まる可能性はありそうだ。
昨日は自動車株の一角が底堅い値動きを見せていたが、為替市場では円安基調が継続しているため、引き続き資金が向かいやすいだろう。また、日米金利差を狙った動きも意識されてきているなか、ハイテク株が手掛けづらい状況においてはリバランス的な動きも入りやすいと見られる。そのほか、個別で材料のある銘柄などに短期資金が向かいやすいと見られ、前日に大きく売られた中小型株などへは、需給整理一巡とした短期的な値幅取り狙いの資金も入りやすいだろう。
《AK》