話題株ピックアップ【夕刊】(2):三井化学、アドベンチャ、アマダ

注目
2022年8月31日 15時17分

■三井化学 <4183>  3,145円  +25 円 (+0.8%)  本日終値

三井化学<4183>は反発。同社は30日、シンガポール子会社の高機能エラストマー「タフマー」のプラントを新設し生産能力を増強すると発表しており、これが好感された。タフマーは樹脂改質材や軟質成形材料として、太陽電池関連部材や自動車部材などに使用されている。今後クリーンエネルギー導入の活発化を背景に需要の増加が見込まれることから、生産能力を現在の年間22万5000トンから同34万5000トンに引き上げる。なお、プラントは2024年度中に完工する予定。

■アドベンチャー <6030>  10,690円  +30 円 (+0.3%)  本日終値

アドベンチャー<6030>やオープンドア<3926>、HANATOUR JAPAN<6561>など旅行関連株に物色の流れが広がった。岸田首相がこの日午前の記者会見で、新型コロナウイルスの水際対策に関し、9月7日から1日当たりの入国者数の上限を現在の2万人から5万人に引き上げると表明した。入国上限引き上げについては既に事前報道で明らかとなっていたが、首相が表明したことで改めて材料視されたようだ。旅行大手のエイチ・アイ・エス<9603>も一時プラス圏に浮上する場面があった。同社は前日30日に傘下のテーマパーク「ハウステンボス」を香港の投資会社PAG系に売却することを発表している。

■アマダ <6113>  1,097円  +2 円 (+0.2%)  本日終値

アマダ<6113>がしっかり。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は30日、同社株のレーティングの「オーバーウエート」を継続した。目標株価は1600円で据え置いた。自動化や脱炭素により構造的に需要が拡大しており、高収益のアフターサービスも成長していることを評価している。株価に割安感があり、高い配当利回りも魅力的とみている。具体的にはファイバーレーザーやリチウムイオン電池用微細溶接機、それにアフターサービスの提供を通じて需要を取り込み、利益率が改善している。同証券では23年3月期の連結営業利益を498億円から518億円(会社予想460億円)に増額修正したほか、24年3月期の同利益も584億円から615億円に見直している。

■INPEX <1605>  1,604円  -59 円 (-3.6%)  本日終値

INPEX<1605>や石油資源開発<1662>が3日ぶりに反落。30日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の10月限が前日比5.37ドル安の1バレル=91.64ドルと大幅安となった。米欧を中心とする景気減速懸念が高まるなか、原油需要が落ち込むことが警戒された。これを受けINPEXなど石油関連株に売りが膨らんだ。

■日本製鋼所 <5631>  2,993円  -92 円 (-3.0%)  本日終値

日本製鋼所<5631>は後場マイナス圏に沈み4日続落。読売新聞オンラインがこの日、同社子会社による鉄鋼製品の検査データ不正に関して「新たに火力発電所のボイラーなどで使われる鋼管でも不正があったことが31日、わかった」と報じており、これが嫌気されたようだ。同件について、日製鋼は同日発表を行っている。火力発電所向けボイラー用鍛造鋼管(製造期間2014年8月~19年3月)について、顧客との合意仕様に基づき実施すべき「へん平試験」を、過去の実績と評価に基づき、顧客への説明・承認を得ることなく省略していたという。会社側では、「製品の品質・性能に影響する具体的な問題は確認されておらず、業績への影響もない」としている。

■三菱UFJ <8306>  721.1円  -7.2 円 (-1.0%)  本日終値

三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>は売り優勢ながら強弱観対立、全体相場が売り優勢に傾くなか頑強な値動きを示している。前日の米債券市場では、インフレ懸念が再燃するなかFRBによる金融引き締め姿勢が強まるとの見方で米10年債利回りが上昇基調を継続し3.1%台で推移した。米国事業を手掛けるメガバンクにとって米金利の上昇は追い風材料となる。また、株価指標面でも三菱UFJはPBRが0.5倍台で配当利回りが4.4%近辺、また三井住友FGはPBR0.4倍台で配当利回りが5.2%前後と高く、金利上昇局面でバリュー株の強みを発揮しやすい状況にある。

■トヨタ自動車 <7203>  2,101.5円  -3.5 円 (-0.2%)  本日終値

トヨタ自動車<7203>はやや売り優勢も底堅さを発揮。前日の米国株市場で主要株指数が揃って下値模索の動きを続けたことで、東京市場でも主力株への風当たりがきつくなっているが、そのなか自動車セクターは下値で押し目買いも観測される。日米金利差拡大を背景に外国為替市場で足もと1ドル=138円70銭台の推移と円安水準でもみ合っており、輸出採算改善期待が株価の下支え材料となっている。トヨタは23年3月期の想定為替レートを第1四半期決算発表時に1ドル115円から130円に修正しているが、実勢はそれよりも更に8円以上円安に振れていることで、為替メリットが期待できる。

■RVH <6786>  102円  +30 円 (+41.7%) ストップ高   本日終値

RVH <6786> [東証S]がストップ高。30日の取引終了後、持ち分法適用関連会社であるBS ENERGY(BSE)を簡易株式交換で完全子会社化し、再生可能エネルギー事業を開始すると発表したことが買い材料視された。併せて、BSE社の株主であるヘーリオスエネルギーがRVH株(議決権割合で13.65%)を取得し、筆頭株主となることも明らかにしている。

■ブロードE <4415>  1,304円  +300 円 (+29.9%) ストップ高   本日終値

ブロードエンタープライズ <4415> [東証G]が続急騰。30日の取引終了後、ミサワホーム不動産と業務提携すると発表しており、これが好感された。提携を通じて、ブロードEのIoTインターフォンシステム「BRO-LOCK」およびマンション向け高速インターネット「B-CUBIC」を、ミサワホーム不動産が管理する賃貸物件の所有者に導入提案を行うとしている。

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