来週の株式相場に向けて=恒例の日経平均イベントにも注目
9月相場が始まった。1年のなかでも9月はパフォーマンスの良くない月だと言われている。直近のパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長のタカ派発言を考慮すると、20~21日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を通過するまでは、手が出しにくい状況が想像される。
特に、日程上のポイントとなるのは今晩の米8月雇用統計、そして13日の米8月消費者物価指数(CPI)だ。これら重要経済指標で良い数字が出ても、FRBのタカ派姿勢に変化がないと買いづらい展開は続くだろう。グロース株を中心に上値が重い展開も予想され、当面は個別株物色が中心の展開が見込まれる。
そんななか9月の恒例イベントが迫っている。それが、日経平均採用銘柄の定期入れ替えの発表だ。市場では「5日頃の発表ではないか」(アナリスト)との観測も出ている。ちなみに昨年は9月6日に発表されている。
市場で有力視されているのは、新規採用候補が日本電産<6594>、SMC<6273>、オリエンタルランド<4661>、除外候補がユニチカ<3103>、沖電気工業<6703>、マルハニチロ<1333>というものだ。複数の証券会社がこの3銘柄ずつの入れ替えを有力候補としている。新規採用にHOYA<7741>、除外に東洋紡<3101>などを挙げる声もある。
新規採用候補の有力3銘柄はいずれも時価総額が大きいため、予想通りの顔ぶれとなった場合、日経平均全体で4000億円強の売りが発生するとの観測もある。また、日経平均の定期見直しは来年からは年2回(4月、10月)となる見通しだ。FOMCに加えて、これらクオンツ(指数)イベントにも注目したい。
来週は5日がレーバーデーで米国が休場。また、原油生産に絡みOPECプラスの会合が開催される。6日に米8月ISM非製造業景況指数、7日(日本時間8日午前2時)に米アップル<AAPL>のイベントが予定されており、iPhone14が発表される可能性がある。8日は欧州中央銀行(ECB)理事会が開催され、大幅な利上げが決定されるとの観測が出ている。
国内では8日に積水ハウス<1928>の決算発表が予定されている。9日は先物のメジャーSQの算出日となる。来週の日経平均株価の予想レンジは2万7200~2万8100円前後。(岡里英幸)