話題株ピックアップ【昼刊】:シダックス、第一生命HD、くら寿司
■シダックス <4837> 644円 +68 円 (+11.8%) 11:30現在
シダックス<4837>が急反発している。きょう付の日本経済新聞朝刊で「外食大手のコロワイドが、シダックスに給食などフードサービス事業の買収を提案したことが6日、わかった」と報じられており、TOBを巡る争いが激しくなり、TOB価格が引き上げられるとの思惑から買われているようだ。シダックスにはオイシックス・ラ・大地<3182>が最大33.34%の株式取得を目指しTOBを実施しているが、シダックスはこれに反対意見を表明していた。報道に対してコロワイド<7616>は、「提案を行っていることは事実だが、現時点で開示すべき事項はない。今後、開示すべき事実が発生した場合は、速やかに公表する」とのコメントを発表している。
■第一生命HD <8750> 2,364円 +29.5 円 (+1.3%) 11:30現在
第一生命ホールディングス<8750>やT&Dホールディングス<8795>など大手生保株が、全般地合い悪のなかも頑強な値動きで目を引いている。米国ではインフレ警戒感が強まるなか、FRBによる金融引き締め政策が長期化するとの思惑が改めて浮上、米10年債利回りが3.3%台半ばまで上昇した。ハイテク系グロース(成長)株には逆風材料となるが、一方で金融機関にとっては運用環境の改善につながる。日本でも米国事業を手掛ける大手生保には足もとの米長期金利上昇はポジティブ材料となる。更に、米債券市場では超長期債である30年債の利回りも直近で3.5%台まで急上昇しており、長期運用が主体の生保にとっては一段と追い風が強い。
■広済堂ホールディングス <7868> 1,243円 +13 円 (+1.1%) 11:30現在
広済堂ホールディングス<7868>が4日続伸している。6日の取引終了後、子会社の東京博善が、TSO International(東京都新宿区)が主催してきた葬祭業界における国内最大の展示会「エンディング産業展」事業を譲り受けると発表しており、これが好感されている。今回の事業譲受により同展示会を東京博善が主催することで、東京博善の収益向上や葬祭業界における認知、ブランディングの向上に資するものと判断したという。譲受日は10月3日を予定しており、今後の「エンディング産業展」は東京博善が主催し、TSO Internationalが展示会開催のノウハウを提供する形で共催、運営のサポートをするという。なお、同件が23年3月期連結業績に与える影響は軽微としている。
■くら寿司 <2695> 2,826円 -309 円 (-9.9%) 11:30現在 東証プライム 下落率トップ
くら寿司<2695>は急反落している。6日の取引終了後、22年10月期の連結業績予想について、売上高を1888億6900万円から1824億7700万円(前期比23.6%増)へ、営業損益を28億2700万円の黒字から9億200万円の赤字(前期26億7800万円の赤字)へ、純利益を28億7800万円から8億8400万円(前期比53.5%減)へ下方修正し、黒字予想から一転して営業赤字予想としたことが嫌気されている。期初時点では新型コロナウイルスの感染再拡大を考慮していなかったが、1~3月に再拡大からまん延防止等重点措置による営業時間の制限を受けた。また、6月以降は第7波の急速な拡大による人流減少が続き、特に最需要期である7、8月の来店客数が計画に比べて大きく減少し、今なお人流減少が続いていることが要因としている。また、地政学的リスクの上昇に伴う食品価格、エネルギー価格などのコスト上昇も響いた。同時に発表した第3四半期累計(21年11月~22年7月)決算は、売上高1347億5600万円(前年同期比21.8%増)、営業損益3億8200万円の赤字(前年同期8億1700万円の赤字)、純利益17億1100万円(前年同期比2.2倍)だった。
■日本郵船 <9101> 9,620円 -610 円 (-6.0%) 11:30現在 東証プライム 下落率6位
日本郵船<9101>はプライム市場上場企業のなかで断トツの売買代金をこなしているが、株価は一時700円を超える大幅安でフシ目の1万円大台を割り込んだ。また、商船三井<9104>や川崎汽船<9107>なども揃って大きく下値を試す展開にある。世界的なリセッション懸念が高まるなか、グローバル物流も陰りが生じるとの見方が支配的となり、特にサプライチェーン問題で高騰していたコンテナ船の運賃市況も今後は急速に水準を切り下げるとの思惑が強まっている。一方、鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況の総合的な値動きを表すバルチック海運指数もここ最近は大きく値を崩し、8月末にはついに1000の大台を割り込んだ。その後は再浮上に転じているものの数年来の底値圏に位置していることに変わりなく、ばら積み船の今後の収益環境に対しても警戒感が強い。株価指標面では郵船のPERは1倍台で、配当利回りは15%弱と極めて割安圏にあることを示唆するが、株価は今期以降の業績推移に懐疑的で上値が重い。
■吉野家ホールディングス <9861> 2,286円 -72 円 (-3.1%) 11:30現在
吉野家ホールディングス<9861>が反落している。きょう付の日本経済新聞朝刊で「吉野家ホールディングスは傘下の『はなまるうどん』が中国から撤退することを決めた」と報じられており、これが嫌気されている。記事によると、11年に中国に進出して店舗網を拡大してきたが、現地での需要を捉えきれずに採算が悪化したほか、新型コロナウイルスの感染拡大により都市封鎖が頻発したことも響いたという。なお、上海のはなまるうどん運営子会社清算に関しては、8月31日に関東財務局に提出された臨時報告書で明らかにされている。
■ソフトバンクグループ <9984> 5,353円 -126 円 (-2.3%) 11:30現在
ソフトバンクグループ<9984>が売り優勢の展開で始まった。米国株市場では前日までナスダック総合株価指数が7日続落と下げ止まらず、米ハイテク株に積極投資する同社株は同市場との株価連動性が高いだけに逆風材料となっている。下値では自社株買いで応戦する動きも想定され、下げ幅こそ限定的なものにとどまっているが、実質9月相場入りから売り圧力が強まっている。信用買い残はここにきて再び増勢基調にあり、機関投資家の売りに対し個人投資家が買い向かう格好となっている。直近では、同社傘下の投資会社米フォートレスの売却に関し合意が近づいているとの観測報道が流れており、売却金額は日本円にして2800億円を超えるとも伝わっているが、株価の反応は薄い。
■日経レバ <1570> 13,960円 -255 円 (-1.8%) 11:30現在
NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信<1570>が6日続落。1万4000円大台を約1カ月半ぶりに下回ってきたほか、中長期波動の分水嶺である75日移動平均線も下に抜けつつある。同銘柄は日経平均株価に連動する仕組みで組成されたETFで、価格変動率は日経平均の2倍に基本設定されており、全体相場が波乱含みの地合いになると個人投資家などの短期資金の参戦が活発化する。売買代金は全市場を通じてトップ。今週は週末にメジャーSQ算出を控えることもあり、先物主導で不安定な展開となりやすい。前日の米国株市場ではインフレ警戒感から米長期金利が上昇し、これを嫌気する格好でハイテク株中心に持ち高を減らす動きが続いた。東京市場でもこれに追随する動きとなっている。
■トヨタ自動車 <7203> 2,028.5円 -20 円 (-1.0%) 11:30現在
トヨタ自動車<7203>など自動車株は売り買い交錯。底堅さを発揮しているが上値も重い状況にある。米国では前日発表された8月のISM非製造業景況感指数が事前コンセンサスを上回ったことで、FRBによる金融引き締め強化への思惑から米長期金利が3.3%台半ばまで上昇、これを受けて外国為替市場ではドル買いが加速、足もと1ドル=143円台後半まで急激にドル高・円安が進む場面があった。輸出セクターのなかでもとりわけ為替感応度の高い同社株は、輸出採算向上期待から株価面ではプラス作用しやすい。同社の23年3月期の通期想定為替レートは1ドル=130円だが、実勢はそれより13円以上も円安に振れている。一方、世界景気の減速懸念を背景に自動車販売の先行きに不透明感も意識され、積極的に上値を買う動きもみられず、2000円トビ台は強弱観が対立している。
■インフォネット <4444> 873円 +150 円 (+20.8%) ストップ高 11:30現在
インフォネット<4444>は急伸しストップ高の873円に買われている。6日の取引終了後、サイバーセキュリティー専門企業のセキュアブレイン(東京都千代田区)と業務提携し、セキュアブレインの「GRED(グレッド)Web改ざんチェック Cloud」の提供を開始したと発表しており、これが好感されている。「GRED Web改ざんチェック Cloud」は、一般のWEB閲覧と同じようにインターネット側からコンテンツをチェックするため、サーバー側の監視では見つけることができない改ざんも検知が可能な点が特徴。独自開発の検知エンジンが、コンテンツのさまざまな要素を解析するので、多様なパターンの改ざんを検知するという。インフォネットでは、「GRED Web改ざんチェック Cloud」をオールインワン商用コンテンツ管理システム「infoCMS」利用顧客に提供することで、より安心・安全なWEBサイト運営が可能になるとしている。
■エンバイオH <6092> 735円 +100 円 (+15.8%) ストップ高 11:30現在
エンバイオ・ホールディングス<6092>は急騰。6日の取引終了後、子会社エンバイオ・エンジニアリングが開発した浄化技術の事業計画について、経済産業大臣と環境大臣から「微生物によるバイオレメディエーション利用指針」に適合していることが確認され、商業利用が可能になったと発表。これを材料視した買いが膨らんでいるようだ。コストの高い掘削除去工法を選択せざるを得ない塩素化エチレン類汚染土壌・地下水の現場に対して活用していくという。今後3年間において、同件に伴う連結売上高の増加見込みは直前連結会計年度の連結売上高の10%未満となる見通し。今期の連結業績に与える影響は軽微としている。
■シノプス <4428> 1,373円 +133 円 (+10.7%) 一時ストップ高 11:30現在
シノプス<4428>が急騰して一時ストップ高の1540円に買われ、年初来高値を更新している。6日の取引終了後、西友(東京都北区)に需要予測型自動発注サービス「sinops-CLOUD」を提供することが決定したと発表しており、これが好感されている。「sinops-CLOUD」は、流通業向けのさまざまな人工知能(AI)サービスを1カテゴリー・1機能・1店舗から、必要な機能を必要なときに低価格で利用できる完全クラウドサービス。今回は店舗の発注人時の効率化や本部での店舗在庫のコントロールしやすさなどが評価され採用されたとしており、各店舗の日配食品・加工食品・日用品など幅広いカテゴリーの発注業務の効率化・最適化のほか、需要予測データや特売情報を活用した物流センターにおける在庫最適化を図るという。なお、今秋よりデータ検証を実施し、23年7月ごろから全店舗に順次導入される予定だ。
■ジェイフロンティア <2934> 2,525円 +234 円 (+10.2%) 11:30現在
ジェイフロンティア<2934>が急反発している。午前10時ごろ、オンライン診療・服薬指導・処方薬配送サービス「SOKUYAKU(ソクヤク)」が、全国で調剤薬局を285店舗展開するマリーングループホールディングス(京都市下京区)に採用されたと発表しており、これが好感されている。「SOKUYAKU」は、スマートフォンを活用し、自宅やオフィスにいながらオンライン診療、服薬指導の受診、最短当日中の薬の受け取りを可能にするオンライン診療・服薬指導・処方薬宅配サービス。マリーングループでは、処方箋をネットで送付し、予約受け付けを行うなど患者の利便性を向上させる取り組みを積極的に進めてきたが、更なる利便性の向上を目指し、今回の導入に至ったという。
■ディー・ディー・エス <3782> 94円 +3 円 (+3.3%) 11:30現在
ディー・ディー・エス<3782>は反発。6日の取引終了後、同社の「多要素認証基盤EVE MA」が、Sky(東京都港区)の「SKYDIV Desktop Client」と連携すると発表しており、これが好感されている。これにより、テレワーク時の社内データの漏洩リスクを軽減する仮想環境を、生体認証(指紋、顔、静脈)や所持認証(ICカード、ワンタイムパスワード)などを用いる多要素認証で安全かつ便利に利用できるとしており、業績への貢献が期待されている。
■SEHI <9478> 214円 +5 円 (+2.4%) 11:30現在
SEホールディングス・アンド・インキュベーションズ<9478>は小幅続伸。6日の取引終了後、23年3月期の期末一括配当予想を2円から2円50銭へ増額修正すると発表したことが好感されている。なお、前期実績は2円だった。
●ストップ高銘柄
アルファ <4760> 1,708円 +300 円 (+21.3%) ストップ高 11:30現在
など、3銘柄
●ストップ安銘柄
なし
株探ニュース