3年ぶり聖地・幕張で開催、「東京ゲームショウ」で飛翔する注目株7選 <株探トップ特集>

特集
2022年9月10日 19時30分

―15日からスタート、VR2022も同時開催でメタバース関連など注目―

ゲーム業界の関係者はもちろん、ゲーマーにとっての要注目イベント「東京ゲームショウ2022」が15日から始まる。一般来場者が入場できるリアル会場を聖地「幕張メッセ」とするのは実に3年ぶり。バーチャル会場のクオリティーも非常に高いほか、出展する企業・タイトルも多様な顔ぶれだ。そんな注目イベントの裏では、開発競争も激化している。いま熱く燃えるゲーム関連業界にスポットライトを当てた。

●今年のテーマは「ゲームは、絶対、とまらない。」

世界のゲーマーたちが待ちに待ったイベントがやってくる。それが、「東京ゲームショウ2022」だ。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、2020年は完全オンライン、21年はオンライン及び報道関係者・インフルエンサー向けにリアル会場を設けるハイブリッド開催となっていた。ビジネス関係者や一般来場者が入場できるリアル会場を聖地「幕張メッセ」に設置するのは19年以来のことだ。今回の開催期間は15日から18日までの4日間(ビジネスデイと一般公開日あり)となっており、オフィシャルサポーターは、元お天気キャスターとして知られ、現在はモデルや女優として活躍する貴島明日香氏。イベントテーマは「ゲームは、絶対、とまらない。」とされた。

また、同時に設置されるバーチャル会場「東京ゲームショウ VR 2022」については、ロールプレイングゲーム(RPG)などで冒険が展開される迷路に似た空間の「ダンジョン」が舞台となっており、幕張メッセの地下に広がる空間を探索し、隠しクエストをクリアするなど、VRならではの冒険を楽しめるほか21年にはなかった新たな演出や機能も実装され、メタバース としてパワーアップした新体験ができるようだ。15日10時以降、公式サイトからアプリをダウンロードすれば、VR端末もしくはパソコン単体で入場料無料で楽しめる。ヒット作「映像研には手を出すな!」の作者である漫画家の大童澄瞳氏がキービジュアルを担当したことで、世界観に深みが一段と出ており、非常に楽しみなコンテンツの一つとなっている。

●競争激化を受けゲーム業界での合従連衡が進行

8月31日時点での出展社数は605社(国内出展は312社、海外出展は293社)、出展タイトル数は1409タイトル。最終的には更に伸びる可能性もあるが、家庭用ゲーム機向けから、スマートフォンゲーム、PCゲーム、eスポーツ 採用タイトル、メタバースに対応した最先端のゲームなど、幅広いジャンルの出展が予定されている。また、中国の「DouYu」「bilibili」「Douyin」「HUYA」、米国などの「IGN」といった海外のプラットフォーマー/メディアとの連携配信も実施。加えて、ほとんどの番組は英語の同時通訳版も並行して配信されるほか、一部については中国語の同時通訳も行われるようだ。実際、「東京ゲームショウ2021オンライン」公式番組の総視聴数は3947万回だったことからも、ゲームに対する世界的な注目度の高さがうかがえる。

そんな注目イベントが接近しているゲーム業界だが、足もとでは開発競争が激化し業界内の合従連衡が進んでいる。例えば、中国IT大手のテンセント子会社とソニーグループ <6758> [東証P]子会社を対象にKADOKAWA <9468> [東証P]の連結子会社であるフロム・ソフトウェアが第三者割当増資を実施。フロム・ソフトウェアと言えば、アクションアドベンチャー「SEKIRO(セキロ)」をはじめとして、大ヒットRPG「ELDEN RING(エルデンリング)」などを手掛けたゲーム好きなら誰もが知る企業だ。また、ソニーG子会社のソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は、フィンランド及びドイツを拠点とする新興モバイルゲーム開発企業Savage Game Studiosの買収を発表、現在同スタジオでは新たなモバイル向け大型ライブサービスアクションゲームの開発を進行しているもよう。米マイクロソフト<MSFT>もゲーム会社アクティビジョン・ブリザード<ATVI>買収に向けた調整を行っていることが明らかになっている。過去作の続編やリバイバルが多く、ある意味で野心的な挑戦の少なさが指摘されるゲーム業界だが、大変革の時期を迎える可能性もありそうだ。そこで以下、注目の「ゲーム」関連7銘柄を選定した。

●スクエニHD、CRI、クルーズ、エレコムなど

スクウェア・エニックス・ホールディングス <9684> [東証P]~ゲームを中心とする「デジタルエンタテインメント」、業務用ゲーム機器の「アミューズメント」、コミック雑誌など「出版」、ライセンスの管理などを行う「ライツ・プロパティ等」の4つの領域で事業を展開。「ドラゴンクエスト」「ファイナルファンタジー」シリーズなど自社IP(知的財産)を有する。12月にはニンテンドースイッチ向けソフト「ドラゴンクエスト トレジャーズ 蒼き瞳と大空の羅針盤」を発売する予定であり、東京ゲームショウにおいては「フォースポークン」「クライシス コア -ファイナルファンタジーVII- リユニオン」「ヴァルキリーエリュシオン」など多くの新作ゲームを公開する。

カプコン <9697> [東証P]~自社IPの一つである「モンスターハンターライズ」の超大型拡張コンテンツである「モンスターハンターライズ:サンブレイク」は、全世界の販売本数が既に400万本を突破。東京ゲームショウでは旗艦タイトルの「ストリートファイター」シリーズの23年発売予定の最新作である「ストリートファイター6」が試遊できる。また、プレイステーションVR2版「バイオハザード ヴィレッジ」も体験することができる。

CRI・ミドルウェア <3698> [東証G]~空間オーディオによって会話が立体的に聞こえるだけでなく、複数人が同時に発話をしている状況でもそれぞれの声がクリアに聞き取れる、CRI独自のボイスチャット機能を有するコミュニケーションミドルウェア「CRI TeleXus」の正式版の提供を8月に開始した。一般的なステレオヘッドホンでも自身の周りを囲むように話しかけられている感覚を味わうことができるようであり、東京ゲームショウで体感することができる(出展はビジネスデイのみ)。なお、AI通訳やゲーム内でのストリーミング動画鑑賞など新しいコミュニケーション体験を向上させる機能を今後も提供予定である。

クルーズ <2138> [東証S]~「Game」と「Finance」を掛け合わせたGameFi分野(ブロックチェーンゲーム)に本格的に参入すると発表。100%子会社であるCROOZ Blockchain Labが担当し、東京ゲームショウでは現在開発中であるGameFi分野における第1弾ブロックチェーンゲーム「PROJECT XENO」の最新情報を公開するほか、実際にデモ画面をプレーできる環境を用意している。

コロプラ <3668> [東証P]~スマホゲームやVRアプリの開発のほか、同社及びコロプラネクストにおいて、学生・次世代起業家向け投資を行っている。今回の東京ゲームショウでは、コロプラネクストが運用するファンドを通じて出資しているイザナギゲームズ(東京都江東区)が出展する。イザナギゲームズは、23日に発売を予定している最新作VR操作アクションゲーム「ディスクロニア:CA」を公開する。

エレコム <6750> [東証P]~東京ゲームショウでは新しいハイクラス・ゲーミングデバイスシリーズを初披露する新製品発表会を実施する予定である。タッチ&トライコーナーを用意しており、新しいゲーミングデバイスシリーズを体感できるほか、新シリーズ、新製品を使用したeスポーツプロプレーヤーによるエキシビションマッチを開催する。

NOK <7240> [東証P]~ライフサイエンス分野の製品は同社の中では新しい取り組みであるが、eスポーツ選手向け能力開発用脳波測定デバイスを開発中。東京ゲームショウでは同デバイスの展示を行うほか、ゲーム中の脳波を測定してのタイプ診断も予定している。

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