話題株ピックアップ【夕刊】(1):任天堂、カルビー、神戸物産

注目
2022年9月13日 15時11分

■正栄食品工業 <8079>  4,435円  +455 円 (+11.4%)  本日終値  東証プライム 上昇率5位

正栄食品工業<8079>が急反発し年初来高値を更新した。12日の取引終了後に発表した第3四半期累計(21年11月~22年7月)連結決算は、営業利益が35億8100万円(前年同期比3.1%減)と減益となったものの、通期予想を上回って着地したことが好感された。売上高は776億3900万円となった。会計基準の変更に伴い売上高の対前年増減率はないものの、日本での乾果実類や製菓原材料類の販売が好調に推移した。ただ、米国事業の利益が好調に推移する一方、過去数年間積極的に行ってきた新工場建設に係る減価償却費の増加や原料価格上昇などにより日本国内の利益が減益となり、営業利益は減益だった。なお、為替差益の計上などが寄与し、純利益は26億500万円(同5.0%増)と増益に転じた。なお、22年10月期通期業績予想は、売上高1000億円、営業利益35億円(前期比16.3%減)、純利益24億円(同13.9%減)の従来見通しを据え置いている。

■JMホールディングス <3539>  1,687円  +97 円 (+6.1%)  本日終値

JMホールディングス<3539>は寄り付きから大口の買いを集め続急伸、8月末以来の1600円台乗せを果たした。関東圏でスーパーマーケットを展開するが足もとの業績は好調に推移している。12日取引終了後に発表した23年7月期の業績予想は営業利益が前期比8%増の72億円を予想、20年7月期以来3期ぶりに過去最高を更新する見通し。好業績を背景に株主還元にも前向きで、前期の年間配当を従来計画に5円上乗せの35円(前々期実績は30円)としたほか、今期は更に5円増配の40円を計画している。これを評価する買いを呼び込んだ。

■任天堂 <7974>  62,210円  +3,250 円 (+5.5%)  本日終値

任天堂<7974>が大幅続伸。同社は12日、9月9日に発売したニンテンドースイッチ向けソフト「スプラトゥーン3」の国内販売本数が、発売後3日間として過去最高の345万本を突破したと発表しており、これが好感された。「スプラトゥーン」シリーズは、ヒトの姿に変身する不思議なイカを操作するアクションシューティングゲームで、4対4のチームに分かれて3分間で地面を塗った面積で勝敗を決める「ナワバリバトル」が特徴。最新作となる「スプラトゥーン3」では、シリーズの基本的なルールを踏襲しつつ、新たなブキやスペシャルウェポン、アクションなどを追加。また「ナワバリバトル」のほかに、多彩なギミックが待ち受けるステージを攻略していく1人用の「ヒーローモード」や、最大4人で協力して遊ぶ「サーモンラン」など、バリエーションに富んだモードを楽しむことができるという。

■カルビー <2229>  2,885円  +122 円 (+4.4%)  本日終値

カルビー<2229>が急反発。SMBC日興証券は12日、同社株の投資評価を「2」から「1」へ引き上げた。目標株価は2200円から3400円に見直した。「デフレ時代の成功と低迷を超克し、インフレに対応すべく新たな経営に果敢に挑戦し始めた」ことを評価している。具体的には(1)コストインフレを契機に経営が覚醒、トップ企業としての責任を自覚し、不退転の覚悟で値上げに取り組む(2)スナック市場は寡占度が高く今秋の本格値上げは成功する公算大(3)24年3月期営業利益は過去最高の300億円(23年3月期は255億円)を予想、インバウンドが本格回復すれば中期的には350億円も視野に(4)課題は海外事業で戦略の見直しが早急に必要(5)予想PERは24年3月期18倍、過去5期平均22倍に比べ割安――と指摘している。

■神戸物産 <3038>  3,610円  +150 円 (+4.3%)  本日終値

神戸物産<3038>が4日続伸。12日の取引終了後に発表した第3四半期累計(21年11月~22年7月)連結決算が、売上高3000億1600万円(前年同期比12.2%増)、営業利益218億4700万円(同2.9%増)、純利益159億3200万円(同7.1%増)と増収増益で着地したことが好感された。引き続きメディアやSNSで話題になっていることに加えて、価格戦略が奏功し売上高が増加した。急激な原材料価格高騰や円安進行などのコスト高が影響し粗利率は低下したが、原材料の配合変更などによる製造コストの削減や新たな為替予約によるヘッジ比率の引き上げ、価格改定の順次実施などで利益を確保した。なお、22年10月期通期業績予想は、売上高3800億円(前期比5.0%増)、営業利益288億円(同5.4%増)、純利益198億円(同1.1%増)の従来見通しを据え置いている。

■鴻池運輸 <9025>  1,436円  +54 円 (+3.9%)  本日終値

鴻池運輸<9025>が4日続伸し年初来高値を更新。午前10時ごろ、グループ会社でインドで医療関連サービスを提供するカルナメディカル・データベース社がインドにおける「医療品」「食品」の卸売業免許を取得したと発表しており、これが好材料視された。今回の免許取得によりカルナメディカル社は、従来日系企業に提供している医療・ヘルスケア分野の現地調査などのインド進出支援業務に加えて、医療品及び食品の商品卸売事業も担うことで、日系企業のインド市場における販路開拓・拡大支援を強化することになる。今後は、カルナメディカル社が窓口となり、医療・ヘルスケア分野の日系メーカー向けに、インド進出に向けた現地調査、日本からインドへの商品輸出、インド国内の物流に加え、サプライチェーンに全体に関わる一貫サービスを展開するとしている。

■エイチ・アイ・エス <9603>  2,193円  +82 円 (+3.9%)  本日終値

エイチ・アイ・エス<9603>やKNT-CTホールディングス<9726>、オープンドア<3926>のほか、JR東日本<9020>をはじめとする鉄道株、日本航空<9201>などの空運株といった一連の旅行関連株が軒並み高。共同通信がこの日、政府が「『Go To トラベル』に代わる全国旅行支援を早ければ月内に開始する方向で調整に入った」と報じた。9月下旬の3連休明けから年末までを支援対象とする案が浮上しているとしており、これを受けて旅行需要の一段の回復を期待した買いが入っているようだ。

■マースGHD <6419>  1,655円  +51 円 (+3.2%)  本日終値

マースグループホールディングス<6419>が4日続伸。12日の取引終了後に自社株買いを実施すると発表したことが好感された。上限を40万株(発行済み株数の2.39%)、または7億円としており、取得期間は9月13日から12月30日まで。株主還元及び資本効率の向上を図るとともに、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を遂行することが目的という。

■タマホーム <1419>  2,408円  +67 円 (+2.9%)  本日終値

タマホーム<1419>が4日続伸。12日の取引終了後に発表した8月度の受注速報が前年同月比18%増となり、3カ月ぶりに前年実績を上回ったことが好感された。注文住宅、建売住宅、リフォームの全ての分野でプラスとなった。

■コシダカHD <2157>  893円  +19 円 (+2.2%)  本日終値

コシダカホールディングス<2157>が4連騰と上げ足を加速、一時30円高の904円まで買われ、今月1日につけた高値883円を上回り、約2週間ぶりに年初来高値を更新した。「カラオケまねきねこ」を直営で展開する。新型コロナウイルスによる経済規制の影響から解放され、収益環境の風向きが追い風に変わった。また、直近では政府による水際対策の緩和で訪日客の増勢が見込まれ、カラオケにもインバウンド需要の恩恵が及ぶとみられている。株価面では空売りの買い戻しも誘発し上昇基調を強めており、2020年2月のコロナショック急落後では初めてとなる1000円台復帰も視野に置く。

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