「デジタル給与」が17位にランクイン、23年4月にも解禁の方向と伝わり関心高まる<注目テーマ>
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7 太陽光発電関連
9 中古車
10 円高メリット
みんかぶと株探が集計する「人気テーマランキング」で、「デジタル給与」が17位にランクインしている。
11日付の日本経済新聞朝刊で「政府は給与をデジタルマネーで受け取る制度を2023年4月にも解禁する方向で最終調整する」と報じられたことを受けて、テーマとしての「デジタル給与」への関心が高まっている。
デジタル給与とは、「ペイペイ」などのスマートフォン決済アプリの口座に賃金を送金し、労働者はアプリでそのまま買い物などができる仕組み。給与をキャッシュレスサービスの残高として扱えるようになれば、買い物でスマートフォン決済がしやすくなるほか、これまで通りATMなどで現金を引き出すことも可能となる。これまで労働基準法では、労働者への給与について、原則は通貨(現金)で支払うと定めているが、今年度内にも省令改正し、企業にデジタル給与払いを認める方針だという。
世界的に見て遅れているといわれる日本のキャッシュレス化を進めるきっかけとなるとみられることや、銀行口座を持つハードルが高い外国人労働者の活用なども想定されることから解禁への期待は高いが、その一方でキャッシュレス決済事業者が経営破綻した時に、どのような仕組みで利用者の資金を保全するかといった問題や、システムの安全性など課題も残されている。参入する業者や課題解消のためのソリューションを提供する企業など、今後「デジタル給与」を巡るビジネスの活発化が見込まれるだけに、テーマとしての注目余地が大きそうだ。
全般相場が軟調なことから、この日の関連銘柄に目立った動きは少ないものの、前述の新聞報道後には鈴与シンワート<9360>が3日連続でストップ高しており、関心の高さがうかがえる。