前日に「売られた株!」総ザライ ―本日への影響は?―
■郵船 <9101> 2,500円 (-470円、-15.8%)
東証プライムの下落率トップ。日本郵船 <9101> [東証P]が5日続急落。全般相場急反発のなかも売りに押される展開となった。29日から株式3分割後の株価となるが、海運セクターは配当権利落ちの影響で下押し圧力が働いたようだ。郵船は分割前の株価でみて約1000円分の下押し効果があるため、上値はその分重くなる。世界的にリセッション懸念が高まるなか、グローバル物流ニーズの低迷が海運業界には向かい風となっている。PERの割安さは際立っているが、今期以降の業績見通しに不透明感があり、足もとでは強弱観が対立した。
■西松屋チェ <7545> 1,334円 (-116円、-8.0%)
東証プライムの下落率4位。西松屋チェーン <7545> [東証P]が続急落。28日の取引終了後、23年2月期業績予想の修正を発表。営業利益を136億円から113億5000万円(前期比7.4%減)へ引き下げており、これが嫌気されたようだ。急速な円安の進行や仕入れ原価などの高騰による影響が出た。売上高は引き続き堅調に推移すると見込んでおり、従来予想の1700億円(同4.3%増)を据え置いた。同時に発表した上期(2月21日-8月20日)の決算は、売上高が844億7800万円(前年同期比4.7%増)、営業利益が66億9600万円(同3.9%増)だった。
■オークワ <8217> 916円 (-35円、-3.7%)
オークワ <8217> [東証P]が大幅安で3日ぶりに反落。28日の取引終了後、23年2月期の連結業績予想について、売上高を2520億円から2455億円へ、営業利益を54億円から37億円(前期比29.3%減)へ、純利益を20億5000万円から11億円(同27.8%減)へ下方修正し、増益予想から一転して減益予想としたことが嫌気された。会計基準の変更に伴い売上高の対前年増減率はないものの、行動制限の緩和や消費者の購買行動の変化に伴い、直営売り上げが苦戦しているという。また、原材料価格、エネルギー価格の上昇が継続すると見込まれ、光熱費の更なる増加が想定されることも響くとしている。
■東エレク <8035> 37,000円 (-840円、-2.2%)
東京エレクトロン <8035> [東証P]が4日続落。全般相場が大きく買い優勢に傾くなか、売り優勢の展開を強いられ連日の年初来安値更新となった。一時期は半導体需給の逼迫が取り沙汰されたが、これには国家安全保障の観点からサプライチェーンリスクを回避するため米国や中国が過剰に在庫を積み上げた背景があった。いわば仮需であり、足もとではその反動が出ている。また、コロナ禍での巣ごもり特需の反動や、世界的な景気減速に伴う電子機器需要の減退なども半導体市況の軟化につながっている。つれて大手半導体メーカーの半導体設備投資意欲も低下しており、半導体製造装置関連企業の収益環境には逆風となっている。半導体製造装置国内トップの同社株はその象徴ともいえ、機関投資家の持ち高調整の売りが依然として続いたもようだ。
※29日の下落率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。
株探ニュース