【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─内需関連へのシフトで米国リスクを回避!

市況
2022年10月2日 9時30分

「内需関連へのシフトで米国リスクを回避!」

●2羽の“タカ”に身をすくめる株式市場

いまは2羽の“タカ”がマスコミに登場すると、米国株は急落してしまう。2羽のうち1羽はパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長。そして、もう1羽がサマーズ元米財務長官だ。

9月20-21日に開いたFOMC(連邦公開市場委員会)では0.75%の利上げを決定。その直後の記者会見で、パウエル議長がさらなる年内の利上げを示唆する発言をしたことで、株式市場は急落。いまだに株価の下落が止まらないのはご存じの通りだ。

では、サマーズ元財務長官は、どんな影響を市場に及ぼしているのか。

サマーズ氏は、ビル・クリントン政権下で財務長官に就任。市場経済信奉者としてメキシコ通貨危機、タイから始まったアジア金融危機を収拾するのに辣腕を振るったことで知られている。

財務長官を辞してからはハーバード大学の学長に就任したりしたが、いまは経済学者として活躍中だ。

そんなサマーズ氏がどうしてパウエル議長と並ぶほどの“タカ”なのか。サマーズ氏はバイデン政権が新型コロナウイルス対策で巨額の財政支出を行ったことに強く反対し、「近い将来、収拾がつかないインフレに陥る恐れがある。政府も、FRBも、将来問題が生じた時に対応すればよいと考えているのは楽観的すぎる」と警告していたのだ。そして現在、米国の経済、金融状況はサマーズ氏が指摘した通りになっている。

こうした経緯もあって、その発言はこのところ説得力を増す一方であり、FRBが0.75%の利上げを実施してからも、さらなる利上げが必要であると主張している。

このサマーズ氏がマスコミに登場すると、米国株は下げてしまうのが実際だ。それだけ説得力があるということになるのだが、9月29日に発表された米国の直近1週間の新規失業保険申請件数は前週比1万6000件減の19万3000件で、5カ月ぶりの低水準だった。

ここで、それだけ失業者が減少しているのは結構なことではないか、と考えてはいけない。株式投資の観点からは、これはマイナス材料になる。景気が過熱していることになり、利上げ加速の要因となるからだ。

これはサマーズ氏の警告通りの現象であるが、われわれ投資家としては、米国の利上げ観測などで大きくブレる銘柄とは、なるべく距離を置きたい。

●パチンコのSANKYO、フィールズなどを投資対象に

となると投資対象となるのは、まずは国内の需要に支えられた企業になる。その好例は パチンコ。改めて説明するまでもなく、パチンコは日本だけで楽しまれている射幸遊技。特に年末になると、多くの人がパチンコ店に朝から並ぶことになる。

そんなパチンコ店に機器を提供しているのが、SANKYO <6417> [東証P]。パチンコ機に限らず遊戯機の企画開発や、「ウルトラマン」のコンテンツ事業を展開するフィールズ <2767> [東証P]も投資魅力がある。

ゲームやパチンコ、パチスロ向けソフトの開発に強いユークス <4334> [東証S]も、株価が底値から反発途上であり、まだ仕込みゾーンにあるといえる。

都内中心に空き駐車場の借り上げに取り組んでいるアズーム <3496> [東証G]も、今後は 駐車場利用が増加すると見られるため、株価の押し目を見逃さないようにしたい。

ハウスウエディングのパイオニア、テイクアンドギヴ・ニーズ <4331> [東証P]は、コロナ禍の影響をストレートに受けてしまったが、婚礼需要は次第に回復に転じているし、今後はこれまで挙式を見送っていたカップルもどんどん挙式をあげると見てよく、株も魅力的だ。

体育会系学生の就活支援に特化した人材ビジネスのスポーツフィールド <7080> [東証G]も特色があり、期待の持てる企業だ。ただ、株価の動きはスローなので、それを承知した上での投資を、となる。

音楽コンテンツの著作権ビジネスに強いNexTone <7094> [東証G]も、音楽の領域は今後拡大すると見てよいため、株価も期待が持てる。

そして、最後にやや視点を変えて、インバウンド関連株の中から、株価反落中のエアトリ <6191> [東証P]に注目したい。

2022年9月30日 記

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

プレミアム会員限定コラム

お勧めコラム・特集

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
株探プレミアムとは

日本株

米国株

PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.