話題株ピックアップ【夕刊】(2):三越伊勢丹、ソフトバンクG、ウェルスナビ
■三越伊勢丹 <3099> 1,264円 +32 円 (+2.6%) 本日終値
三越伊勢丹ホールディングス<3099>が反発し年初来高値を更新。SMBC日興証券が5日付で同社の投資評価を「2(中立)」から「1(強気)」へ引き上げるとともに、目標株価を1300円から1600円に増額したことが好感された。レポートでは、百貨店が得意とする富裕層はインフレのマイナス影響が限定的であること、コストプッシュの環境下において依然コスト削減余地があること、インバウンドの回復の恩恵を享受できることなど、百貨店を取り巻く外部環境は相対的に魅力的と指摘。また、富裕層により強い同社の相対優位性を生かした戦略効果にも期待したいと報告している。
■ソフトバンクグループ <9984> 5,494円 +139 円 (+2.6%) 本日終値
ソフトバンクグループ<9984>が4日続伸、9月下旬に売り圧力が強まり5000円台を割り込んで推移する場面も多かったが、10月に入って流れが変わった。米国株市場でナスダック総合株価指数が下げ止まったことで、米ハイテクセクターに積極的に資金を投下している同社にとってはポジティブに働いている。また、ここ世界経済の減速が鮮明となるなか過度なインフレ警戒感も後退し、FRBやECBなど先進国の中央銀行の金融引き締めピッチが緩むとの見方が強まっている。金利上昇に歯止めがかかれば、ハイテク系グロース株には買い戻しが誘発されやすくなるとの思惑も同社にとって追い風となる。直近では、外資系メディアから、同社が保有するスペイン語放送局テレビサユニビジョンの持ち株売却を検討しているとの観測報道が出ており、これも思惑を呼んでいるようだ。
■ウェルスナビ <7342> 1,421円 +35 円 (+2.5%) 本日終値
ウェルスナビ<7342>が5日ぶりに反発。5日の取引終了後、千葉銀行<8331>の顧客向けにロボアドバイザー「WealthNavi for 千葉銀行」の提供を開始すると発表しており、これが好感されたようだ。千葉銀行とは7月に業務提携し、全自動の資産運用サービスであるWealthNaviの提供に向けて開発を進めていた。
■TSIホールディングス <3608> 421円 +10 円 (+2.4%) 本日終値
TSIホールディングス<3608>は4日続伸。5日の取引終了後、保有する投資有価証券の一部を売却したことにより、投資有価証券売却益6億7600万円が発生したと発表。これに伴い、第1四半期までに計上した1億100万円とあわせて23年2月期第2四半期業績に7億7800万円の投資有価証券売却益を計上する見込みとしており、これを好感した買いが入った。
■INPEX <1605> 1,517円 +30 円 (+2.0%) 本日終値
INPEX<1605>と石油資源開発<1662>はそろって4日続伸。石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟国から成る「OPECプラス」の会合が5日に開催され、11月以降の原油生産量を1日当たり200万バレル減らすことを決定した。これを受け、5日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の11月限が前日比1.24ドル高の1バレル=87.76ドルへ上昇。一時、88.42ドルと9月中旬以来、約3週間ぶりの水準に上昇した。今回のOPECプラスでの減産規模は世界需要の2%に相当することから原油需給の引き締まりが意識された。また、米国の石油在庫統計で原油在庫が減ったことも原油価格の上昇要因に働いた。
■キッツ <6498> 861円 +16 円 (+1.9%) 本日終値
キッツ<6498>の上値指向が鮮明、連日の年初来高値更新と気を吐いている。総合バルブメーカーとして世界でも屈指の実力を持つ。商品競争力が高く原料コストの高騰も価格転嫁が利いて利益採算にかげりはなく、22年12月期は営業利益段階で前期比26%増の113億円を予想と好調。欧州ではロシアからのガスパイプライン停止でエネルギー供給問題が懸念されているが、これを受けてLNGプラント建設需要が高まる方向にある。同社は石油化学プラントやLNG基地向けで高い実績を有し、今後の活躍余地が高まっている。ここ株価上昇が顕著となっているが、時価予想PERは依然10倍前後で、PBR0.8倍台、配当利回り3.6%とバリュー株としての側面から、上値余地も意識されやすい。
■トランザクション <7818> 1,085円 +18 円 (+1.7%) 本日終値
トランザクション<7818>は反発。5日の取引終了後、22年8月期の連結業績について、純利益が従来予想の20億9200万円から21億9600万円(前の期比6.7%増)へ上振れて着地しそうだと発表した。1株24円としていた期末配当予想も25円(同3円増)に1円増額しており、これらが材料視された。eコマース事業の拡大や販管費及び一般管理費の抑制効果が利益を押し上げた。
■ソニーグループ <6758> 9,925円 +162 円 (+1.7%) 本日終値
ソニーグループ<6758>が4日続伸、9営業日ぶりとなる1万円大台復帰を果たした。9月中旬から月末にかけて大きく株価水準を切り下げたが、10月に入ってから年金基金の買いなど足の長い資金の流入も観測され目先底入れの動きが顕著だ。世界景気の減速感が強まるなかスマートフォンの売れ行き不振が観測され、同社のドル箱商品であるイメージセンサーの需要が伸び悩むとの思惑などから売りがかさんでいた。しかし、9000円台前半まで下落した株価は需給先行で売られ過ぎとの見方が強まり、足もとでは全体相場の地合い変化を横目に押し目買いの動きが表面化している。直近では、独自のにおい制御技術を開発し、来年春にも企業や研究機関向けに「におい提示装置」として売り出す方針が伝えらえており、これも放送メディアなどで取り上げられたこともあって株価の刺激材料となっている。認知症やパーキンソン病などの早期発見などに役立つ可能性が指摘されており、今後の動向が注目されそうだ。
■ユー・エス・エス <4732> 2,386円 +28 円 (+1.2%) 本日終値
ユー・エス・エス<4732>は4日続伸。5日の取引終了後に発表した23年3月期第2四半期(7~9月)中古車オークション実績(速報)で、成約台数が前年同期比6.1%増となり、引き続き前年実績を上回ったことが好感された。なお、出品台数は同0.5%減だった。
■ハイデイ日高 <7611> 2,089円 +15 円 (+0.7%) 本日終値
ハイデイ日高<7611>は反発。5日の取引終了後に発表した9月度の売上速報で、既存店売上高が前年同月比74.1%の大幅増収となり、10カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。客数が同40.1%増となり、客単価も同24.3%増と引き続き伸長したことが牽引した。なお、全店売上高は同84.0%増だった。
株探ニュース