来週の株式相場に向けて=米アプライドが示した底堅さ

市況
2022年10月14日 17時22分

誰もが驚いた13日のニューヨーク株式市場の急騰だが、市場には「売られ過ぎた株価の反動高」と冷静に捉える見方が少なくない。

市場の関心を集めた米9月消費者物価指数(CPI)の上昇率は、コア指数が前年同月比6.6%と市場予想(6.5%)を上回った。この結果は、米国のインフレ圧力の強さを確認させるものとなり、11月1~2日に予定されている米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.75%利上げが確実視されている。また、12月FOMCでも0.75%利上げの公算が高まった。ただ、「米インフレ懸念は相当、市場に織り込まれていた」(アナリスト)とも言われ、CPI通過を材料視したことで買い戻しが流入した様子だ。

そんななか、13日の米株式市場を象徴したと言われるのが、半導体製造装置大手アプライド・マテリアルズ<AMAT>の株価動向だ。12日に業績見通しを下方修正したが、株価は前日比で4%高に転じた。やはり、業績悪化懸念を相当織り込んでいたとみられている。

とはいえ、米株式市場の反発が続くかは不透明だ。今晩のJPモルガン・チェース<JPM>などから本格化する7~9月期決算の内容が注視されているほか、11月FOMCを意識して再び相場は下値を試す可能性はある。

その一方、東京市場の底堅さが注目されている。国際通貨基金(IMF)が11日に改定した世界経済見通しでは、欧米の景気悪化が顕著となるなか、「23年の日本の成長率は1.6%と先進国ではトップとなる」(市場関係者)。経済再開に向けた回復も見込めるなか、相対的な東京市場の優位性はなお続きそうだ。

来週のスケジュールをみてみると、やはり米国の企業決算が注目される。17日にバンク・オブ・アメリカ<BAC>、18日にネットフリックス<NFLX>やゴールドマン<GS>、19日にテスラ<TSLA>、20日にフィリップ・モリス・インターナショナル<PM>などの決算が予定されている。

また、国内では19日に9月の訪日外客数、20日に9月貿易統計、21日に9月消費者物価指数(CPI)が発表される。20日にディスコ<6146>が決算発表を行う。IPOでは、19日にSBIリーシングサービス<5834>、20日にビジネスコーチ<9562>が、ともにグロース市場に新規上場する。来週の日経平均株価の予想レンジは2万6700~2万7400円前後。(岡里英幸)

出所:MINKABU PRESS

最終更新日:2022年10月14日 18時27分

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