【村瀬智一が斬る!深層マーケット】大型テック株の決算・経済対策への期待などでリバウンドを意識へ

市況
2022年10月22日 8時00分

「大型テック株の決算・経済対策への期待などでリバウンドを意識へ」

●長期金利の動向を警戒しつつも、市場の関心は決算発表に移行

日経平均株価は2万7000円を挟んでこう着し、75日移動平均線が心理的な上値抵抗線として意識されている。10月3日に付けた2万5621円が目先の底となる可能性があり、まずは75日線突破の行方を見極めたいところだろう。そのなか24日の週から本格化する米大型テック株の決算発表が、相場の転換点につながる可能性もありそうだ。

一方で、米連邦準備理事会(FRB)による積極的な金融引き締めへの警戒感は根強く、経済指標を受けた長期金利の変動などに過敏に反応するボラティリティの高い相場展開が続くことも予想される。ただし、市場の関心が決算発表に向かうなか、足元では予想ほど悪くない決算を発表した企業を評価する動きが相次いでいる。特に来週のアルファベット<GOOG>、アップル<AAPL>、メタ・プラットフォームズ<META>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>など大型テック株の決算がネガティブなものにならなければ、東京市場でもリバウンド機運は高まりやすいとみられる。

また、日銀金融政策決定会合ではすべての項目で現状維持が予想されるなか、会合後の記者会見での黒田総裁の発言次第では、足もとの円安加速も落ち着きをみせてくる可能性がある。そのほか、政府が今月まとめる経済対策への期待感も高まる状況にあり、リバウンドを意識した押し目狙いの買いも入りやすいだろう。

●今後、活躍が期待される「注目5銘柄」

◆ダブル・スコープ <6619> [東証P]

リバウンド狙いで注目。株価は3月15日に付けた687円をボトムに強いトレンドを形成し、9月15日高値の3175円まで買われた。しかし、その後は韓国子会社の韓国証券取引所KOSDAQ上場に関して、公募価格が想定を下回る見通しと報じられたことをきっかけに一気に需給が悪化し、9月30日には1171円まで売られた。足元では需給整理が一巡し、緩やかなリバウンドを継続。週末10月21日は12%超上昇し、25日線を突破してきた。75日線辺りを捉えてくるようだと、急落局面で空けた窓埋めが意識されやすく、個人主体の値幅取り狙いの資金を誘い込む可能性がありそうだ。

◆ドリコム <3793> [東証G]

スマートフォン向けのゲーム事業、メディア事業がコアビジネス。ゲーム事業では、8周年を迎えた主力のIPゲームタイトルがグローバルで好調に推移しているほか、ツイッターを活用したファンコミュニティ促進サービス「Rooot」が順調に事業規模を拡大している。7月下旬に発表した第1四半期(4-6月)の連結営業利益8億1700万円(前年同期比62.1%増)の通期計画に対する進捗率は40%を超えており、10月27日に発表が予定される第2四半期決算への期待が高まろう。

◆SCREENホールディングス <7735> [東証P]

半導体製造装置大手。半導体メモリー顧客の設備投資が減速するとの警戒感などから、株価は10月12日には7520円まで売られ年初来安値を更新した。依然として弱いトレンドを継続しているものの、足元では底堅い値動きをみせている。日米で企業決算の発表が本格化するなか、米ハイテク企業では予想を上回る決算内容を受けて見直される動きも目立ってきた。同社株も売られ過ぎの修正リバウンドに期待したい。第2四半期(7-9月)決算の発表予定日は10月28日。

◆M&A総合研究所<9552> [東証G]

株価は8月に窓を空けて上昇後、25日線を支持線として強いトレンドを形成し、10月11日には6350円まで買われた。その後は調整をみせていたが、25日線にサポートされる形でリバウンドを演じ、調整前の高値奪回を視野に捉えてきた。10月28日に決算発表を予定するが、足元では13日に2022年9月期業績予想を上方修正していることもあり、大きなサプライズは期待しづらいところではある。ただし、成約案件数の増加や大型案件の成約などによって23年9月期予想でも増益トレンドが確認されれば、再評価機運の高まりが意識されてこよう。

◆I-ne <4933> [東証G]

ヘアケアをはじめボディーケアやスキンケアなどを提供するビューティーテック企業。全国の家電量販店を中心に展開しているSALONIA(サロニア)ブランドでは、ヘアアイロンやヘアドライヤーが好調に推移しているほか、洗顔ブラシや美顔器などの高価格帯アイテムも好評。水際対策の緩和によるインバウンド需要への期待も高まりやすいだろう。11月11日に第3四半期(7-9月)決算の発表を予定しているが、第2四半期累計(1-6月)の連結営業利益の対通期進捗率は63.5%と順調な推移をみせていた。

(2022年10月21日 記)

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