【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─低迷株の中に宝あり! 指数の"異常値"が示すもの
「低迷株の中に宝あり! 指数の“異常値”が示すもの」
●調整の範囲を超えた指数の異常な下げ
今年に入って23%の下落――持ち株がこうなったら、「マイッタなあ」では済むまい。さらに下げてしまうのじゃないか、と心配になる。もちろん、大量所有していたら不安で眠れなくなる恐れもある。
では、これが自分の持ち株ではなく、株式指数だったらどうか。持ち株の下落ほどではないが、かなり不安にさせられる。指数がこれだけ下げると、当然、自分の持ち株もその影響を受けている確率が非常に高いからだ。
実はこの23%という数値は、米国の主要株価指数である S&P500の前年末比での下落率だ(10月20日現在、終値ベース)。
改めて説明するまでもなく、米国市場の代表的な株価指数というと、一般にはNYダウということになる。だが、投資に詳しい人なら、S&P500を挙げるのではないだろうか。NYダウがわずか30銘柄で構成された指数であるのに対し、S&P500は米国市場に上場されている主要500銘柄で構成されている。当然、米国市場のリアルな動きが分かるからだ。
こんな指標であるS&P500が23%も下落しているのだ。通常、指数が下げた場合、-20%までは調整の範囲になる。しかし、20%を超えると“異常な下げ”と認識せざるを得ない。
ここから回復に転じて年間の下落率が20%以内に収まってくれれば問題はないが、さらに下げてしまうと市場の不安感は拡大してしまう。前述したように、年間で20%以上も下落するのは“異常”だからだ。
●“異常年”の翌年に株式市場は上昇?
この点で、現在の下落率23%は重要な意味を持つことになる。どんな意味を持つのか。
実は、1957年以降のS&P500指数の年足を見ると、20%を超えて下げたのは、今回を含めて4回しかないのだ。
この点で今回の23%下落は極めて稀ということになる。そして注目すべきは、20%以上下げた場合、翌年に反発したのは3回(1975年、2003年、2009年)、続落したのはゼロとなっている。今回がどちらになるかは正確には予測できないが、来年は金利上昇がピーク打ちする可能性が高いため、私は反発すると見ている。
以上を踏まえると、現在は低迷中もしくは調整中の銘柄の多くは、浮上に転じる可能性が高く、次のような銘柄に注目したい。
まずはこれから冬に向かうことから、コート類に強い三陽商会 <8011> [東証P]だ。ファッション関連ではオンワードホールディングス <8016> [東証P]も百貨店販売が上向くと見てよく、株価も蘇生に向かう可能性が高い。
韓国からの旅行者が急増中にもかかわらず、株価が鈍い動きを続けているHANATOUR JAPAN <6561> [東証G]もそろそろ見直されてもよい頃だ。
主力株の中では、収益好調に加え、自社株買いを発表したにもかかわらず株式市場の反応が鈍いリクルートホールディングス <6098> [東証P]がある。来年高に期待して仕込んでおきたいところだ。
最後に昇り調子の銘柄を。ゼラチンに強い新田ゼラチン <4977> [東証P]だ。グミキャンデーの需要拡大が国内だけでなく、海外でも続いている。ヒット商品を持つ企業の株は強い。
2022年10月21日 記
株探ニュース