話題株ピックアップ【夕刊】(1):BEENOS、新日本電工、タカトリ

注目
2022年11月9日 15時16分

■BEENOS <3328>  3,255円  +504 円 (+18.3%) ストップ高   本日終値  東証プライム 上昇率トップ

BEENOS<3328>がストップ高。越境EC事業を主力展開するが、投資事業にも力を入れている。8日取引終了後に22年9月期決算を発表したが、最終利益は前の期比87%減の2億1100万円と大きく落ち込んだ。しかし、これは投資事業の損失に絡むもので、越境EC事業の好調を背景にトップラインは同19%増の298億4600万円と大幅な伸びを確保している。続く23年9月期は売上高が前期比11%増の331億2000万円と2ケタ成長を継続、最終利益は前期比22.3倍となる25億8000万円を見込んでおり、一気に過去最高利益を更新する見通しとなった。これがサプライズとなり、投資資金の流入が加速した。

■新日本電工 <5563>  418円  +61 円 (+17.1%)  本日終値  東証プライム 上昇率3位

新日本電工<5563>はマドを開けて急伸。8日の取引終了後に1~9月期の好決算と自社株買いの実施を発表しており、これを好感した買いが急速に集まっている。1~9月期の売上高は前年同期比23.0%増の589億5900万円、純利益は同2.2倍の74億5000万円だった。高炭素フェロマンガン製品を手掛ける主力の合金鉄事業が販売価格の上昇や円安により大きく伸び、全体業績に貢献した。あわせて発表した自社株買いは、上限が1500万株(発行済み株数の10.21%)、または40億円。取得期間は11月9日から来年3月24日まで。

■カナミックネットワーク <3939>  680円  +73 円 (+12.0%)  本日終値  東証プライム 上昇率6位

カナミックネットワーク<3939>が急動意、12.9%高の685円まで駆け上がる場面があった。医療や介護サービス事業者に特化したクラウドサービスを展開しており、健康寿命延伸サービスなどに重点を置いている。業績も新規顧客の開拓が進むなか、トップライン、利益ともに高水準の成長を続けている。8日取引終了後、22年9月期の決算を発表、売上高が前の期比20%増の25億200万円、営業利益は同14%増の9億6200万円といずれも2ケタ伸長を達成した。更に続く23年9月期の業績予想も好調を極め、売上高は前期比44%増の36億円、営業利益は同20%増の11億5000万円と成長スピードが一段と加速する見通しで、投資マネーを強く呼び込む格好となった。

■タカトリ <6338>  5,680円  +560 円 (+10.9%)  本日終値

タカトリ<6338>が一時880円高の6000円まで買われ青空圏を快走、異彩を放つ上昇パフォーマンスで市場の視線を集めている。世界的な脱炭素への取り組みを背景に、キーデバイスとしてパワー半導体の需要が急増している。そのなか、メーカーの次世代パワー半導体への投資も加速しており、同社の、シリコンカーバイド(SiC)材料用マルチワイヤーソーへの受注が相次いでいる。同商品分野では同社は世界屈指のニッチトップ企業として存在感を示しており、足もとの業績も会社側の想定を上回って急拡大している。そうしたなか今週11日に22年9月期の決算発表を控えており、これを視野に入れた売り買いが交錯している。株式需給面では「外資系証券経由の空売りが高水準でその買い戻しが株価に浮揚力を与えている」(中堅証券ストラテジスト)という指摘もある。

■アイ・ピー・エス <4390>  3,260円  +309 円 (+10.5%)  本日終値  東証プライム 上昇率7位

アイ・ピー・エス<4390>は大幅高で年初来高値を更新。8日の取引終了後、4~9月期業績予想の上方修正を発表。純利益を7億5000万円から16億6000万円(前年同期比3.2倍)へ増額しており、これを好感した買いが入った。売上高も54億円から57億8000万円(同41.8%増)へ引き上げた。国内通信事業や、美容クリニックなどを運営するメディカル&ヘルスケア事業が好調に推移したことが収益を押し上げる。急激な為替相場の変動に伴う為替差益の計上も大きく寄与する見込み。なお、通期見通しについては現在精査中で、11日に予定している決算発表時に知らせるとしている。

■アニコムHD <8715>  659円  +54 円 (+8.9%)  本日終値  東証プライム 上昇率8位

8日に決算を発表。「上期経常は一転22%増益で上振れ着地、未定だった今期配当は1.5円増配」が好感された。

アニコム ホールディングス <8715> [東証P] が11月8日大引け後(15:30)に決算を発表。23年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結経常利益は前年同期比21.5%増の19.5億円に伸び、従来の0.6%減益予想から一転して増益で着地。同時に、従来未定としていた期末一括配当は4円(前期は2.5円)実施する方針とした。

⇒⇒アニコムHDの詳しい業績推移表を見る

■クラレ <3405>  1,107円  +85 円 (+8.3%)  本日終値  東証プライム 上昇率9位

クラレ<3405>が後場に入り急伸。上昇率は一時8%を超えた。午後1時、22年12月期第3四半期累計(1~9月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績予想を見直した。最終利益の見通しを450億円から480億円(収益認識に関する会計基準の適用のため対前年増減率の記載なし)に上方修正した。円安や原材料高による業績への悪影響が懸念されていたなかにあって、最終利益の上方修正をポジティブに受け止めた買いが集まった。売上高の見通しは7400億円から7600億円に見直した。一方、営業利益と経常利益の見通しは据え置いた。機能材料と繊維部門において営業利益の見通しを上方修正した一方、ビニルアセテートとイソプレン、トレーディングの営業利益予想は下方修正した。

■川崎汽船 <9107>  2,608円  +168 円 (+6.9%)  本日終値

川崎汽船<9107>が連日の大幅高。4日発表の自社株買いに関し、同社は8日午前に東京証券取引所の自己株式立会外取引(ToSTNeT-3)の結果を発表。ToSTNeT-3による取得株式数及び取得価格の総額がいずれも上限に達しなかったことから、同日以降、東証での市場買付けによる自社株買いを行うと開示した。残りの自社株取得枠は発行済み株式総数(自己株式を除く)の6.6%程度と試算されており、株式の需給が今後も引き締まると期待した投資家の資金が流入したようだ。4日発表の自社株買いは、取得総数3523万6000株(自己株を除く発行済み株式総数の12.41%に相当)、取得総額は1000億円を上限としていた。まず、ToSTNeT-3で買付けを行い、取得株数及び取得総額がいずれも上限に達しなかった場合、取引実施日以降に、東証で市場買付けを行うという流れとなっていた。取得した自己株式は原則として消却を予定する。なお、8日のToSTNeT-3による取得結果を巡り川崎汽は、旧村上ファンド系のエフィッシモ キャピタル マネージメント及びみずほ銀行が、4日に開示した取得株数の総数に対し、おおむね各社の同日時点での持ち分割合に相当する数量について売却したとの連絡を受けたとしている。

■古河電気工業 <5801>  2,527円  +145 円 (+6.1%)  本日終値

古河電気工業<5801>がマドを開け急騰。きょうで3日続伸となるが、上げ足を一気に強め10.4%高の2630円まで水準を切り上げた。8日取引終了後23年3月期業績予想の修正を発表、最終利益を従来予想の140億円から210億円(前期比2.1倍)に大幅に引き上げた。これが投資資金の食指を動かした。最終利益大幅増額については、米投資会社カーライル・グループ<CG>の投資ファンドが、同社子会社の東京特殊電線<5807>にTOB(株式公開買い付け)を実施することを発表したが、これに伴い同社が保有する東特線の全株式を売却した際の特別利益計上を織り込んだもの。増額修正後の最終利益から換算した時価予想PERは8.6倍前後となり割安感が際立つ。同社は有配企業にしてPBRが解散価値を4割下回る0.6倍程度にとどまっており、依然として上値余地の大きさが意識されている。

■三洋貿易 <3176>  1,126円  +63 円 (+5.9%)  本日終値

8日に決算を発表。「今期経常は8%増で3期連続最高益、前期配当を1円増額・今期は2円増配へ」が好感された。

三洋貿易 <3176> [東証P] が11月8日大引け後(16:00)に決算を発表。22年9月期の連結経常利益は前の期比1.8%増の62.9億円になり、23年9月期も前期比8.0%増の68億円に伸びを見込み、3期連続で過去最高益を更新する見通しとなった。3期連続増収、増益になる。同時に、前期の年間配当を39円→40円(前の期は39円)に増額し、今期も前期比2円増の42円に増配する方針とした。

⇒⇒三洋貿易の詳しい業績推移表を見る

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