23日の米国市場ダイジェスト:NYダウは95ドル高、利上げ減速期待
■NY株式:NYダウは95ドル高、利上げ減速期待
米国株式市場は続伸。ダウ平均は95.96ドル高の34194.06ドル、ナスダックは110.91ポイント高の11285.32で取引を終了した。週次新規失業保険申請件数が予想以上に増え、11月製造業PMI速報値が予想外に活動縮小域に悪化したため長期金利が低下、これに伴う買いに、寄り付き後、上昇。その後、感謝祭祭日を控えた手仕舞い売りにダウは一時下落に転じた。しかし、午後に連邦準備制度理事会(FRB)が公表した11月連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の中で参加者による利上げ減速支持が明らかになり、金利先高観の後退でハイテク主導で再び買われた。主要株式指数はプラス圏で終了。セクター別では、自動車・自動車部品、メディア・娯楽が上昇した一方、エネルギーが下落した。
重機メーカーのディア(DE)は四半期決算で内容が予想を上回ったほか、サプライチェーン問題緩和やインフラ投資の増加がけん引し楽観的な見通しを示し、上昇した。また、電気自動車メーカーのテスラ(TSLA)はアナリストの投資判断引き上げで上昇。一方で、百貨店のノード・ストロム(JWN)は第3四半期決算で売上げが予想を下回り損失を計上、在庫の積み上がりによる大幅割引きが響き見通しも引き下げたため、売られた。銀行のシティグループ(C)は連銀や連邦預金保険公社(FDIC)など当局が同行のいわゆる「リビングウィル」の中の欠陥を指摘、破綻処理計画の速やかな修正を要請したことがわかり下落。
投資家の恐怖心理を示すVIX指数は20.32まで低下し8月半ば以来の低水準となった。
HorikoCapitalManagementLLC
■NY為替:ドル・円は一時139円17銭、米国の景気後退懸念強まる
23日のニューヨーク外為市場でドル・円は、141円35銭から139円17銭まで下落し、139円54銭で引けた。米週次分新規失業保険申請件数が予想以上に増加したほか、米11月製造業PMI速報値が予想外に50を割り込み活動の縮小に落ち込んだため景気後退懸念が強まった。さらにミシガン大学1年期待インフレ率確報値も予想外に低下し、長期金利低下に伴うドル売りが加速。さらに、米連邦準備制度理事会(FRB)が公表した11月開催分の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨でほとんとのメンバーが利上げ減速を支持したとの内容を受け、12月会合の大幅利上げ観測も後退しさらなるドル売りに拍車をかけた。
ユーロ・ドルは1.0320ドルから1.0405ドルまで上昇し、1.0396ドルで引けた。ドイツやユーロ圏11月PMIが予想を上回りユーロ買いが優勢となった。ユーロ・円は145円88銭から144円64銭まで下落。ポンド・ドルは1.1939ドルから1.2081ドルまで上昇した。ドル・スイスは0.9500フランから0.9412フランまで下落した。
■NY原油:大幅安で77.94ドル、一時76.83ドルまで売られる
NY原油先物1月限は大幅安(NYMEX原油1月限終値:77.94 ↓3.01)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物1月限は、前営業日比-3.01ドルの77.94ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは76.83ドル-81.95ドル。ロンドン市場の序盤に81.95ドルまで買われたが、世界経済の減速観測が強まり、需給ひっ迫の思惑は後退したことから、ニューヨーク市場で76.83ドルまで反落。その後は下げ渋り、通常取引終了後の時間外取引では主に77ドル台で推移。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 37.61ドル +0.12ドル(+0.32%)
モルガン・スタンレー(MS) 89.93ドル +0.26ドル(+0.29%)
ゴールドマン・サックス(GS)386.25ドル +2.38ドル(+0.62%)
インテル(INTC) 29.67ドル -0.15ドル(-0.50%)
アップル(AAPL) 151.07ドル +0.89ドル(+0.59%)
アルファベット(GOOG) 98.82ドル +1.49ドル(+1.53%)
メタ(META) 112.24ドル +0.80ドル(+0.72%)
キャタピラー(CAT) 236.92ドル -0.34ドル(-0.14%)
アルコア(AA) 48.51ドル -0.85ドル(-1.72%)
ウォルマート(WMT) 152.42ドル +0.73ドル(+0.48%)
《ST》