富田隆弥の【CHART CLUB】 「ポイントになりやすい12月上旬」

市況
2022年11月26日 10時00分

◆サッカーW杯で日本代表が優勝候補のドイツに逆転勝ちし、この歴史的勝利に日本中が盛り上がった。その熱波が株式市場にも及んだのか、24日の日経平均株価は約2カ月ぶりに一時2万8500円台に乗せ、引けは267円高の2万8383円と3日続伸した。チャートは上昇基調を継続し、日経平均株価は9月13日高値の2万8659円に迫るが、1月5日につけた年初来高値の2万9388円を目指す可能性も出てきた。TOPIXは8月の戻り高値2006ポイントをすでにクリアし、1月5日の年初来高値2042ポイントを視野に捉えている。

◆日本株高の背景には、 NYダウの上昇がある。FRB(米連邦準備制度理事会)による利上げピッチの減速観測を背景に、23日にNYダウは高値を3万4262ドルに伸ばして、8月16日高値の3万4281ドルに肩をほぼ並べた。「米中間選挙後の株高」や「ブラックフライデーに向けての上昇」など、これまでの経験則(アノマリー)通りの展開になっている。

◆ただし、この堅調な相場がいつまでも続くとは限らない。師走に向けて投資家のマインドが高まるところであり、12月のボーナスシーズンに向けて証券・金融界も「株高」の演出に努めるところだが、12月9日にはメジャーSQ(先物・オプション清算日)が到来する。メジャーSQの週に戻り高値を打つ、とのアノマリーもあるだけに注意が必要だ。

◆チャート面では、NYダウ、日経平均株価ともに10月から上昇を続けてきており、RCI(順位相関指数)などテクニカル指標に高値信号が灯り始めている。米国景気には減速感が漂い、ロシアはウクライナのインフラ施設への攻撃を強めている。さらに、暗号資産交換業大手「FTX」が破綻し、経済への影響とその詳細が明らかになるのはこれからだ。

◆堅調な株式市場だが、懸念要因を抱えていることを忘れてはならない。個別では上昇するものが増えてきたが、「押し目買い、吹き値売り」など小まめな対応で臨みたい。

(11月24日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.