話題株ピックアップ【夕刊】(2):野村総研、日本製鉄、ワクー

注目
2022年11月28日 15時17分

■野村総合研究所 <4307>  3,070円  -250 円 (-7.5%)  本日終値  東証プライム 下落率4位

野村総合研究所<4307>は大幅続落。前週末25日取引終了後、主要株主であるベンチャーキャピタル大手ジャフコ グループ<8595>の全保有株と、野村ホールディングス<8604>の一部保有株の売り出しを発表した。これを受け、株式需給が悪化するとの懸念が広がった。ジャフコGの保有する2396万8100株と、野村の保有する1300万株の合計で3696万8100株を売り出す。売り出し価格は12月5日から7日までのいずれかの日に決定する。需給状況に応じ、上限554万5200株のオーバーアロットメントによる売り出しも行う。一方、野村総研は取得総数800万株(自己株式を除く発行済み株式総数の1.35%)、取得総額200億円を上限とする自社株買いを実施するとも発表した。取得期間は12月23日から2023年3月31日まで。ジャフコGは、野村総研の株式売却によって得た資金を自社株買いに投じる方針。同社はこの自社株買いについて、投資ファンドのシティインデックスイレブンス(東京都渋谷区)や、同社の親会社の株主とされる村上世彰氏との間で、一定の条件付きでシティらが保有するジャフコG株を応募する契約を結んだとしている。

■中国電力 <9504>  745円  -28 円 (-3.6%)  本日終値

中国電力<9504>が5日ぶり反落。前週末25日取引終了後、日本経済新聞電子版が「企業向け電力の供給などを巡ってカルテルを結んだとして、公正取引委員会は25日、独占禁止法違反(不当な取引制限)で、中国電力、九州電力、中部電力の大手電力3社などに課徴金納付を命じる方針を固めた」と報じた。中国電や中部電力<9502>、九州電力<9508>に対しては、報道を悪材料視した売りが膨らんだ。報道によると、各社は関西電力<9503>と「特別高圧電力」や「高圧電力」の供給で、互いの管轄区域で営業をしないよう、顧客獲得を制限するカルテルに順次合意したという。関西電は違反を自主申告したことに伴い、行政処分を免れたもようだと伝えている。課徴金の総額は少なくとも数百億円とみられ、過去最高となる見通しだとしている。

■日本製鉄 <5401>  2,178円  -80.5 円 (-3.6%)  本日終値

日本製鉄<5401>が4%を超える下げとなったほか、JFEホールディングス<5411>や神戸製鋼所<5406>など大手をはじめ鉄鋼株の下げが目立っている。「鉄鋼」は業種別騰落で33業種中値下がり率トップに売り込まれている。足もとの株式市場では、中国で新型コロナウイルスの感染再拡大が確認されるなか、ゼロコロナ政策継続に伴う中国景気の減速やサプライチェーン問題が世界経済に与える影響を警戒する地合いを強いられている。世界経済が停滞すると景気敏感株である鉄鋼セクターには逆風が強まる。足もと外国為替市場でドルが売られ円高に振れていることも、鉄鋼業界は輸出採算の悪化につながる。

■博報堂DY <2433>  1,350円  -36 円 (-2.6%)  本日終値

博報堂DYホールディングス<2433>が朝高後は下げに転じ、一時4%を超す下げとなった。東京オリンピック・パラリンピックのテスト大会に関する業務の談合疑惑を巡り、この日の午前10時ごろ、東京地検特捜部と公正取引委員会が新たに同社傘下の博報堂などに家宅捜索に入ったと伝わった。報道を嫌気した売りが膨らみ、下げ幅を拡大した。複数のメディアによると、この日東京地検特捜部などが家宅捜索に入ったのは、博報堂DYのほか、東急エージェンシー(東京都港区)とセイムトゥー(同千代田区)、フジクリエイティブコーポレーション(同江東区)。25日には、電通グループ<4324>傘下の電通本社やセレスポ<9625>などに家宅捜索に入ったと伝わっていた。

■レーザーテック <6920>  25,955円  -685 円 (-2.6%)  本日終値

レーザーテック<6920>、東京エレクトロン<8035>など半導体製造装置関連が売り物に押される展開にある。前週末の米国株市場ではNYダウは3日続伸となったものの、インテル<INTC>やエヌビディア<NVDA>、アプライド・マテリアルズ<AMAT>、ASMLホールディング<ASML>、アドバンスト・マイクロ・デバイシズ<AMD>といった半導体主力株が軟調な値動きとなり、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も3日ぶりに反落となった。東京市場では前週にレーザーテックが連日大商いのなか連日上昇するなど半導体関連は上昇基調を強めていたことで、目先はやや買い疲れ感もでている。米株市場の地合いを引き継ぎ、きょうは利食いの動きが誘発されやすい。一方、レーザーテックは信用取組が売り買い拮抗しており、空売りの買い戻しなどで下値抵抗力も発揮し、足もとでは強弱観が対立している。

■Waqoo <4937>  1,495円  +300 円 (+25.1%) ストップ高   本日終値

Waqoo<4937>がストップ高に買われ年初来高値を更新。前週末25日の取引終了後に定款の一部変更を発表しており、これが好材料視された。新たな事業目的として「医薬品、医薬部外品、再生医療等製品、医療機器の設計、開発、製造」「細胞組織の加工、調整、製造、培養、保管及び配送等の受託業務、及び加工、製造、培養された細胞等の研究機関等への提供業務並びにこれらに関する仲介、情報の提供及びコンサルティング業務」などを追加した。同社は18日にSBCメディカルグループ(横浜市戸塚区)と業務提携契約を締結し、医療機関からの「血液由来加工・脂肪由来幹細胞加工」受託サービスを全国的に展開すると発表しており、今回の定款の一部変更を受けて、改めて新事業への期待が高まっているようだ。

■アミタホールディングス <2195>  1,577円  +300 円 (+23.5%) ストップ高   本日終値

アミタホールディングス<2195>が急騰。ここ株価を急動意させており、前週末は13%近い急騰をみせていたが、きょうも目先筋の売り物を吸収し上昇トレンドを鮮明としている。同社は廃棄物のリサイクル事業のほか環境コンサルティング業務などを行っている。前週末25日取引終了後、エコシステム社会の構築に資するビジネスやアプリの設計・開発を行う子会社AMIDAOを設立することを発表、これによる業容拡大期待から買いを呼び込んだ。

■ティムコ <7501>  919円  +147 円 (+19.0%) 一時ストップ高   本日終値

ティムコ<7501>が急騰。午前11時30分ごろ、22年11月期の単独業績予想について、営業利益を5500万円から8800万円(前期2600万円の赤字)へ、最終利益を4300万円から7900万円(同900万円の赤字)へ上方修正し、あわせて期末一括配当予想を5円40銭から12円へ引き上げたことが好感された。フィッシング事業において釣りが注目された前年に比べて平常に復し、販売が低調に推移した結果、売上高は33億1300万円から32億4700万円(前期比10.0%増)へやや下方修正したが、売り上げ比率の大きいアウトドア事業で販売が好調に推移したことなどが利益向上に寄与する。

■イオレ <2334>  980円  +150 円 (+18.1%) ストップ高   本日終値

イオレ<2334>はストップ高。前週末25日取引終了後、シンガポールのDigital Entertainment Asset(DEA)が運営するオンラインゲーム向けのNFT(非代替性トークン)またはNFT以外のゲーム内アイテムに関し、同社と日本における販売代理店として媒介契約を締結し、事業を始めると発表。これを材料視した買いが集まった。イオレの吉田直人会長はDEAの代表を務める。まずはリスクの低いNFTの販売から始め、知見とノウハウを蓄積して先行する大手企業とも競争できるよう、事業の成長基盤を構築する。今回の取引において、外貨や仮想通貨の取り扱いはないとしている。

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