明日の株式相場に向けて=心象風景は一変、日銀リスクを意識する展開に
日経平均株価は5日続落し、2万6300円台と2カ月ぶりの水準に下落した。日経平均株価は前日までに1600円近く下落していたうえに、急激な円高が進行していた為替相場もきょうはやや円安方向に振れた。普段なら、この状況では自律反発狙いの買いが入ってもおかしくはないが、買いは手控えられた。
20日の日銀の金融政策修正で、投資家の相場に対する心象風景は一変したとみるべきだろう。「米連邦公開市場委員会(FOMC)による利上げはどうなるか」に集中していた投資家の関心は、今度は「日銀は超低金利政策を続けることができるか」にも頭を悩まさざるを得なくなった。FOMC通過の安心感で年末・年始高というシナリオは変更を余儀なくされた。
新年の重要スケジュールでは、最初にFOMCの結果発表日の2月1日が挙げられていたが、これに1月18日が加わった。当然3月10日も挙げなければならない。言うまでもなく、日銀金融政策決定会合の結果発表の日だ。
4月に任期満了を迎える黒田日銀総裁にとって、通常なら日銀決定会合は、あと2回。このスケジュールを考慮に入れると、重要な政策変更を発表するのはクリスマスや年末が近づいた昨日が最適だったのかもしれない。とはいえ、無風で過ぎるかに思えた黒田総裁下での2回の日銀決定会合を巡り、相場は大きく荒れる恐れも出てきた。アベノミクスから10年。新たに浮上した“日銀リスク”を意識せざるを得ない年末相場を迎えている。
今晩は米国で米11月中古住宅販売件数と米12月消費者信頼感指数が発表され、マイクロン・テクノロジー<MU>が決算発表を行う。明日は、日本ではjig.jp<5244>とコーチ・エィ<9339>が東証に新規上場する。