来週の株式相場に向けて=海外筋復帰後の年末年始に戦々恐々

市況
2022年12月23日 18時01分

「驚天動地」とも評された20日の日銀による金融政策修正を機に、相場の地合いは一変している。きょうの日経平均株価は前日比1.03%安だったが、TOPIXは0.54%安にとどまった。東京エレクトロン<8035>など半導体関連株やトヨタ自動車<7203>など自動車株が売られる一方、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>は5日続伸し年初来高値を更新。銀行株に主導される格好で「TOPIX優位」の相場が鮮明となってきた。

市場関係者は「いまはクリスマス休暇で海外筋は不在の時期。彼らが相場に帰ってくる27~28日以降の動向が焦点だ」と指摘する。なかでも関心を集めているのが、10年債利回りだ。きょうは0.37%前後で推移しているが、日銀の上限金利の0.5%に貼りつくような展開とならないかだ。その場合、一段の円高進行もあり得る。 

国内は年末・年始モードに入るが、海外勢はクリスマスが終わり新年を迎えれば本格戦闘態勢となる。新たな注目スケジュールとなった来年1月18日の日銀金融政策決定会合の結果発表に向けて、投機売買も活発化しかねない。特に、1月は月初の4日に米1月ISM製造業景況指数、6日に米12月雇用統計と米国の注目経済指標の発表がある。もし一段の円高が進むようなら、業績悪化懸念で輸出株を中心に売りが膨らことも予想される。

ただ、その一方で日経平均株価のPBR1.1倍前後は「年初からの底値の水準」(アナリスト)だという。このバリュエーションの安さが銀行株上昇の背景にもなっている。銀行株の上昇はまだ初動であり、日本市場を下支えしそうだ。いずれにせよ、今回は落ち着かない年末・年始相場を迎えるかもしれない。

来週は26日は欧米各国がクリスマスで休場。英国や香港は27日も休場となる。国内では27日に11月失業率・有効求人倍率、28日に11月鉱工業生産が発表される。同日に12月開催の日銀金融政策決定会合の「主な意見」が公表される。26日にしまむら<8227>、27日にJ.フロント リテイリング<3086>、スギホールディングス<7649>の決算発表が予定されている。26日に東証スタンダードにアルファパーチェス<7115>とダイワ通信<7116>が新規上場するなど5社がIPOを果たす。30日が大納会となる。来週の日経平均株価の予想レンジは2万6000~2万6700円前後。(岡里英幸)

出所:MINKABU PRESS

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