今週の【早わかり株式市況】続急落、日銀の政策修正を機に波乱展開

市況
2022年12月24日 6時40分

■今週の相場ポイント

1.日経平均は2週連続で下落、前週末比1000円超安

2.日銀が長期金利の変動幅拡大、金利上昇に懸念

3.日銀政策修正で全体相場は急落、円高・債券安も

4.金利上昇期待から大手銀行など金融株は上昇

5.週末は米ハイテク株安受け、引き続き軟調地合いに

■週間 市場概況

今週の東京株式市場で日経平均株価は前週末比1291円(4.7%)安の2万6235円と、2週連続で下落した。

今週は、20日の日銀決定会合の結果発表を境に市場のムードが一変した。日銀が長期金利の変動幅拡大を決め、東京市場は金利上昇による景気減速懸念から売り優勢に傾いた。下値では自律反発の動きもみられたが、結局軟調地合いのままこの週の取引を終えた。

週明け19日(月)の東京市場は売り先行でスタート。前週末の米株式市場が下落した流れを引き継ぎ、軟調な値動きとなった。20日(火)は日銀の金融政策を巡って波乱展開を余儀なくされた19・20日の日程で開催された金融政策決定会合で、日銀が長期金利の変動幅を従来のプラスマイナス0.25%程度から同0.5%程度に拡大することを決定。これを受け、為替市場ではドル安・円高が進み、債券市場では金利上昇で債券安となった。株式市場では、前場にプラス圏で推移していた日経平均が後場に入って急落。ハイテク株など主力株が軒並み安となり、一時800円を超える下落となった。金利上昇期待で大手銀行や生損保など金融株は上昇した。日銀の政策修正の影響を確かめたいとの見方から、21日(水)も軟調地合いが継続。引き続き主力ハイテク株や自動車株が安く、一方で銀行株は高かった。この日で日経平均は5日続落となった。22日(木)の日経平均は自律反発狙いの買いが入りようやく反発をみせたが、23日(金)に再び下落。前の日の米株市場で半導体大手マイクロン・テクノロジー<MU>の決算が予想を下回ったことが嫌気され、ハイテク株全般が売られた。この流れを受け、東京市場でも半導体関連株を中心に売りが膨らんだ。日経平均の終値は2万6235円となり、前週末比で1000円を超える大幅な下落となった。

■来週のポイント

来週も今週の地合いを引き継ぎ、軟調な展開となるだろう。銀行株の下支えが期待できるほか、日経平均は大きく水準を下げたことで値頃感も台頭してはいるが、積極的に買い向かう展開とはならないと思われる。為替の円高が進めば2万6000円台割れも視野に入れなければならないだろう。

重要イベントとしては、国内では27日朝に発表される11月完全失業率と有効求人倍率、28日朝発表の11月鉱工業生産が注目される。海外では31日に発表される中国12月製造業PMIに注視が必要だろう。

■日々の動き(12月19日~12月23日)

【↓】  12月19日(月)―― 3日続落、米株安を受け安値圏での一進一退

日経平均 27237.64( -289.48)  売買高9億7132万株 売買代金 2兆3596億円

【↓】  12月20日(火)―― 急落、日銀が金融政策修正で主力株が軒並み安

日経平均 26568.03( -669.61)  売買高18億4392万株 売買代金 4兆0756億円

【↓】  12月21日(水)―― 5日続落、日銀金融政策修正の影響で売り継続

日経平均 26387.72( -180.31)  売買高17億7960万株 売買代金 3兆7191億円

【↑】  12月22日(木)―― 6日ぶり反発、米株高を受け値頃感からの買い流入

日経平均 26507.87( +120.15)  売買高11億5083万株 売買代金 2兆5626億円

【↓】  12月23日(金)―― 反落、米株安を受けハイテク株を中心に売り優勢

日経平均 26235.25( -272.62)  売買高11億6344万株 売買代金 2兆4922億円

■セクター・トレンド

(1)全33業種中、28業種が値下がり

(2)トヨタ <7203> など自動車、オリンパス <7733> など精密機器、ソニーG <6758> など電機といった輸出株が大幅安

(3)内需株は下落率トップとなった三井不 <8801> など不動産をはじめ、

リクルート <6098> などサービス、JR東日本 <9020> など陸運も大きく売られた

(4)住友鉱 <5713> など非鉄、INPEX <1605> など鉱業、ENEOS <5020> など石油といった資源株も安い

(5)信越化 <4063> など化学、JFE <5411> など鉄鋼といった素材株も軟調

(6)金融株は断トツの上昇率となった三菱UFJ <8306> など銀行をはじめ、

第一生命HD <8750> など保険が大幅高、松井 <8628> など証券も堅調

■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数)

1(8) 円高メリット

2(1) 防衛 ── 安保戦略は一大転換点を迎える

3(6) 地方銀行

4(2) 半導体

5(5) 2022年のIPO ── 今日上場3社を含め年内にあと14社が上場

※カッコは前週の順位

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.