話題株ピックアップ【夕刊】(3):エスプール、良品計画、助川電気
■エスプール <2471> 677円 -150 円 (-18.1%) ストップ安 本日終値 東証プライム 下落率トップ
エスプール<2471>がストップ安。共同通信が9日、「法律で義務付けられた障害者雇用を巡り、企業に貸農園などの働く場を提供し、就労を希望する障害者も紹介して雇用を事実上代行するビジネスが急増していることが9日、厚生労働省の調査や共同通信の取材で分かった」と報じた。厚生労働省は対策を打ち出す方針だとしている。農業を活用した障害者雇用のコンサルティング事業や、企業向けの貸し農園の運営・開発・管理を手掛けるエスプールに対しては、報道をネガティブ視した売りが膨らんだようだ。報道では、十数の事業者が計85カ所で事業を展開しており、利用企業は全国で約800社に上るという。違法ではないものの、障害者の法定雇用率を形式上満たすためで、雇用や労働とは言えないとの指摘が相次いでおり、国会も問題視しているとしている。
■良品計画 <7453> 1,409円 -153 円 (-9.8%) 本日終値 東証プライム 下落率3位
良品計画<7453>が大幅続落。6日の取引終了後に発表した第1四半期(9~11月)連結決算で、営業利益が50億2100万円(前年同期比54.9%減)と大幅減益となったことが嫌気された。日本と中国大陸の既存店売り上げが苦戦した一方、出店強化に伴う店舗数の増加が寄与し、売上高は1369億4800万円(同11.4%増)と2ケタ増収となった。ただ、急激な円安と原材料高に伴う仕入れコストの上昇により、国内の売上総利益率が想定以上に低下した。なお、23年8月期通期業績予想は、売上高5850億円(前期比17.9%増)、営業利益340億円(同3.7%増)の従来見通しを据え置いている。同時に12月度の国内売上高を発表しており、直営既存店売上高とオンラインストアを合わせた売上高は前年同月比3.4%減と7カ月連続で前年実績を下回った。食品は11月に発売したチョコレートなどの新商品が好調を維持し、既存店ベースでプラスに転じたものの、衣服・雑貨はニットや防寒小物が伸び悩み、前年割れとなった。また、生活雑貨は家具を中心に低調な売り上げが続いた。なお、直営全店とオンラインストアを合わせた売上高は同12.2%増だった。
■アドヴァングループ <7463> 808円 -54 円 (-6.3%) 本日終値
アドヴァングループ<7463>が反落。同社は6日取引終了後、23年3月期第3四半期累計(22年4~12月)の連結決算を発表。経常利益は前年同期比29.2%減の29億9200万円となり、通期計画51億5000万円に対する進捗率が58.1%にとどまったことがネガティブ視されたようだ。売上高は同11.1%増の145億4000万円と堅調だったが、デリバティブ評価損19億1200万円を営業外費用に計上したことが経常利益に影響した。なお、通期業績予想については従来計画を据え置いている。
■ベルク <9974> 5,350円 -240 円 (-4.3%) 本日終値 東証プライム 下落率8位
ベルク<9974>が安い。6日の取引終了後に発表した第3四半期累計(3~11月)連結決算が、営業利益97億5000万円となり、会計基準の変更に伴い対前年同期増減率はないものの、実質減益となったことが嫌気された。5店舗の新規出店効果や既存店6店舗の改装効果などで売上高は2277億4900万円と実質増収となった。ただ、世界的な原油価格及び原材料価格の高騰に加え、為替相場の急激な円安傾向が影響して食料品の調達価格や販売管理費の上昇などがあり、利益を圧迫した。なお、23年2月期通期業績予想は、売上高2961億6600万円、営業利益131億9300万円の従来見通しを据え置いている。
■マルゼン <5982> 1,800円 -61 円 (-3.3%) 本日終値
マルゼン<5982>が大幅に反落。6日の取引終了後に発表した第3四半期累計(3~11月)連結決算が、営業利益30億7400万円(前年同期比0.6%減)と減益だったことが嫌気された。主要顧客の一つである外食産業がコロナ禍から回復に向かっていることに加えて、国内製パンメーカーや異業種の各種食品工場に向けて大型製パン機械が伸長し売上高は433億1000万円(同8.7%増)と増収となったが、ステンレスを始めとする原資材価格の急ピッチな上昇が利益を圧迫した。なお、23年2月期通期業績予想は、売上高515億円(前期比2.5%減)、営業利益37億2500万円(同2.7%減)の従来見通しを据え置いている。
■4℃ホールデ <8008> 1,698円 -23 円 (-1.3%) 本日終値
ヨンドシーホールディングス<8008>が5日続落。6日の取引終了後、23年2月期の連結業績予想について、売上高を405億円から400億円(前期比4.9%増)へ、営業利益を27億円から20億円(同11.9%増)へ、純利益を18億円から11億円(同26.2%減)へ下方修正したことが嫌気された。ファッションジュエリーは女性客拡大に向けた各種施策が奏功し前年を上回って推移したものの、ブライダルジュエリーの回復が遅れているという。また、ジュエリー事業の最大需要期であるクリスマス商戦の売り上げが計画を下回ったことも響くとしている。なお、第3四半期累計(3~11月)決算は、売上高284億200万円(前年同期比3.7%増)、営業利益10億4400万円(同40.1%増)、純利益7億3900万円(同23.2%増)だった。
■助川電気工業 <7711> 1,628円 +300 円 (+22.6%) ストップ高 本日終値
助川電気工業<7711>が続急伸。今朝の日本経済新聞電子版で「西村康稔経済産業相と米エネルギー省のグランホルム長官は9日、ワシントンで会談した。小型モジュール炉(SMR)などの次世代型の原子力発電を巡り、第三国への輸出などで協力すると合意した」と報じられており、原発関連のビジネスチャンス拡大につながるとの思惑から買われたようだ。同社では、実験設備から原子力発電所向けまでさまざまな原子力関連機器を手掛けており、次世代原子炉では冷却材などとして利用される溶融金属の試験設備に強み。また、同社のほか、原発プラント工事の高田工業所<1966>や太平電業<1968>、原発向け振動シミュレーションシステムや振動監視装置を手掛けるIMV<7760>などにも物色が波及している。
■IMV <7760> 499円 +80 円 (+19.1%) ストップ高 本日終値
IMV<7760>がマドを開けて買われ大幅高。自動車業界向けを主力に振動試験装置や計測器の製造販売及び受託試験サービスを手掛ける。その実力は世界でも有数でグローバル・ニッチトップ企業の一角。原子力発電所向けでは大型の振動試験装置や計測器が必要であり単価も高いが、同社の商品競争力は一頭地を抜く状況にある。岸田政権では原発再稼働に向け前向きに取り組む構えを明示しており、今後中期的に同社の活躍余地が高まることが予想される。株価は昨年1月4日に634円の高値形成後、ほぼ1年間にわたり下値を切り下げてきたが、目先底入れ初動にあり、値ごろ感からも追随買いを誘っている。
■アイ・ピー・エス <4335> 724円 +100 円 (+16.0%) ストップ高 本日終値
アイ・ピー・エス<4335>はストップ高。前週末6日の取引終了後、自社株買いを実施すると発表しており、これを好感した買いが入った。上限を14万株(発行済み株数の6.03%)、または1億1000万円としており、取得期間は2月10日から6月30日まで。株主還元の充実及び資本効率の向上を図るためとしている。
●ストップ高銘柄
セリオ <6567> 654円 +100 円 (+18.1%) ストップ高 本日終値
テノ.ホールディングス <7037> 670円 +100 円 (+17.5%) ストップ高 本日終値
など、5銘柄
●ストップ安銘柄
エスプール <2471> 677円 -150 円 (-18.1%) ストップ安 本日終値
以上、1銘柄
株探ニュース