来週の株式相場に向けて=GAFA決算など米国市場が焦点に
今週の東京市場は力強い上昇となった。26日には日経平均株価は一時2万7500円台乗せと1カ月ぶりの水準まで値を上げた。18日の日銀金融政策決定会合で、現状維持が発表され売り方の買い戻しが流入。更に米国市場が上昇基調を強めるなか、それを追いかける形で東京市場も上値追いを演じた格好だ。ただ、騰落レシオ(25日移動平均)は27日時点で122と高値警戒感が台頭する水準に上昇している。
日銀ファクターで出遅れていた東京市場だが、その足枷がいったん緩むとともに株価が急伸したのは米国要因が大きい。とすれば、この追い風がどこまで続くかが最大の注目点だ。折しも来週は米国市場では注目イベントが目白押しだ。まず1月31日から2月1日に米連邦公開市場委員会(FOMC)がある。市場では0.25%利上げが予想されており、その確率は9割超ともみられている。3月FOMCでも0.25%利上げが見込まれており、「それで打ち止め」(アナリスト)という青写真が描かれている。
来週のFOMCでは「パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長から、利下げを意識させるようなコメントがあるか、どうか」(同)という声もあるが、突っ込んだ発言はないという見方も少なくない。むしろ米国の景気減速に向けた警戒感が強まるなか、決算に向けた関心が高まる可能性もある。来週は2月1日にメタ・プラットフォームズ<META>、2日にアップル<AAPL>、アマゾン<AMZN>、アルファベット<GOOG>と「GAFA」決算が揃い踏みとなる。
25日に発表されたマイクロソフト<MSFT>の決算では1~3月期売上高見通しが予想を下回ったことが嫌気されるなど、今春以降の見通しへの関心が高まりそうだ。更に1日に米1月ISM製造業景況指数、3日には同雇用統計の発表が待っている。
一方、国内も決算発表が真っ盛りだ。主だったところでは、30日にNEC<6701>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>、31日に商船三井<9104>>、富士通<6702>、2月1日にキーエンス<6861>、野村ホールディングス<8604>、2日に村田製作所<6981>、ソニーグループ<6758>、3日に三菱商事<8058>、三越伊勢丹ホールディングス<3099>などが予定されている。2日には10年国債の入札があるが、日銀総裁絡みの人事動向なども引き続き注目されそうだ。来週の日経平均株価の予想レンジは2万7000~2万7500円前後。(岡里英幸)