富田隆弥の【CHART CLUB】 「"節分高"後の反動安には注意」
◆荒い展開が続く日本株だが、日経平均株価は1月25日まで4日続伸し、26日は反落したものの上値を2万7502円まで伸ばした。二番底を付けた16日安値の2万5748円から1週間余りで1750円幅(6.8%)の急騰を演じ、日足チャートは2万7200円前後にある75日移動平均線と200日移動平均線を一気に抜いてきた。足もとではやや踊り場にあるが、これまでの勢いは「節分高値」を目がけて2万8000円台奪回も十分に期待させるものだ。
◆日足チャートを見ると、昨年12月13日~14日のFOMC(米連邦公開市場委員会)と19日~20日の日銀金融政策決定会合のあとに急落した分を、いまV字回復で埋めつつあり、急落前の12月14日高値の2万8195円を目指す流れにある。ただし、サイコロジカルラインは75%(9勝3敗)、短期RCI(9日線、13日線)が高値圏に到達するなどテクニカル指標には過熱信号が灯る。
◆そして、今週は“天井”のアノマリーを持つ「節分」(2月3日)を迎え、最重要イベントであるFOMC(1月31日~2月1日)と米雇用統計の発表(2月3日)も予定される。日経平均株価は荒い値動きの中を大きく戻してきたが、そろそろ戻り一巡(頭打ち)も想定される。そして、この先調整に転ずると「反動安」が表れてもおかしくない。
◆24日に主要企業の先陣を切って決算を発表した日本電産 <6594> [東証P]は、2023年3月期の連結最終利益を従来予想の1650億円→600億円に下方修正した。過去最高益の更新予想から一転して56.2%減益見通しとなった。ただし、23年1-3月期に構造改革費用500億円を計上し、「たまっていた垢をきれいにする」(永守会長)としており、来期以降の業績回復を十分に想起させる内容でもあった。
◆一方で日本電産の決算は、これから発表を行うハイテク企業の業績動向に不安を抱かせたことも否めない。為替(ドル円)は直近1ドル=130円近辺だが、この3カ月で20円も円高に振れており、上期(4-9月)に業績の押し上げ要因となった為替差益は一転して「差損」となりかねず、これから出てくる主力企業の決算が一つのポイントになる。いずれにせよ、日経平均株価を含めて2月相場は反動安の可能性に注意したい。
(1月26日 記、次回更新は2月4日を予定)
情報提供:富田隆弥のチャートクラブ
株探ニュース