話題株ピックアップ【夕刊】(2):レーザーテク、三菱電、キーエンス

注目
2023年2月2日 15時18分

■レーザーテック <6920>  22,880円  +860 円 (+3.9%)  本日終値

レーザーテック<6920>が強弱観対立のなかも買い優勢となったほか、東京エレクトロン<8035>、アドバンテスト<6857>、ディスコ<6146>など半導体製造装置関連が総じて頑強な値動き。前日の米国株市場では半導体設計・開発大手のアドバンストマイクロデバイシズ<AMD>が10~12月期決算の内容が市場コンセンサスを上回ったことが好感されて12.6%高と急騰した。この流れは半導体セクター全般に波及し、画像処理半導体大手のエヌビディア<NVDA>や半導体製造装置トップのアプライド・マテリアルズ<AMAT>なども大幅高に買われた。半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は5%を超える急伸をみせており、東京市場でも同関連株への投資資金流入を誘った。

■三菱電機 <6503>  1,462.5円  +38 円 (+2.7%)  本日終値

三菱電機<6503>は反発。後場に入り、上げ幅を拡大する場面があった。この日、23年3月期第3四半期累計(4~12月)の連結決算を発表。通期の業績予想は売上高を上方修正した一方で、営業利益と経常利益、最終利益はこれまでの計画を据え置いた。1~3月期の想定為替レートを1ドル=130円と前回の公表値から5円円高方向に見直したにもかかわらず、最終利益の予想が据え置かれ、買い安心感につながったようだ。今期の売上高の見通しは4兆9700億円から5兆200億円(前期比12.1%増)に上方修正した。最終利益は2150億円(同5.7%増)で変更しなかった。ビルシステムや空調・家電などライフ部門の需要増を業績見通しに反映した一方、インフラ部門での売り上げ案件の変動や採算悪化、半導体・電子部品の価格上昇などの影響が利益を圧迫する要因となった。想定為替レートは対ドル以外では、1ユーロ=140円(前回公表値から5円円安)、1人民元=19円(前回公表値から変更なし)とした。

■キーエンス <6861>  60,760円  +1,180 円 (+2.0%)  本日終値

キーエンス<6861>が続伸し、6万円の大台に乗せた。1日の取引終了後、23年3月期第3四半期累計(22年3月21日~12月20日)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比24.8%増の6806億1800万円、営業利益は同22.0%増の3690億3100万円だった。高額な最低投資金額の引き下げにつながる株式分割の発表はなかったものの、営業利益率は約54%と高水準を維持していることなどを評価した買いが入ったようだ。アジアの一部地域で景気の持ち直しに足踏みがみられたものの、営業力の強化などを図り、大幅な増収増益となった。通期の業績予想は開示していない。

■阪急阪神 <9042>  3,855円  +35 円 (+0.9%)  本日終値

阪急阪神ホールディングス<9042>は3日ぶりに反発した。1日の取引終了後、23年3月期第3四半期累計(4~12月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績予想を上方修正しており、これが買いを誘う要因となったようだ。営業収益は9250億円から9750億円(前期比30.7%増)、最終利益は400億円から450億円(同2.1倍)にそれぞれ見通しを引き上げた。旅行事業において自宅療養者の支援業務の受注が大幅に増加した。阪急線と阪神線の旅客数やホテル事業の利用者数も想定を上回っており、業績予想に反映させた。4~12月期の営業収益は前年同期比38.5%増の7164億4400万円、最終利益は同2.7倍の510億5100万円だった。

■富士通 <6702>  18,670円  +165 円 (+0.9%)  本日終値

富士通<6702>が3日ぶりに反発。岩井コスモ証券は1日、同社株の投資判断「A」を継続するとともに、目標株価を2万1000円から2万3000円に引き上げた。同社は1月31日に23年3月期の連結営業利益の予想を4000億円から3750億円(前期比71.1%増)に下方修正した。欧州でのITサービスの不調などが要因だが、同証券では過度にネガティブに捉える必要はない、と指摘。日本などでのDX(デジタルトランスフォーメーション)に関連するIT投資は堅調に推移しており、業績の足枷となっていた半導体などの部品供給不足の影響の改善などによって、同社の業績は拡大方向にあるとみている。同証券では、24年3月期の同利益は4250億円を予想しており、来期予想PERなどの面から割安感があるとしている。

■TDCソフト <4687>  1,605円  +13 円 (+0.8%)  本日終値

TDCソフト<4687>は反発。1日の取引終了後、23年3月期の連結業績予想について、売上高を340億円から350億円(前期比13.2%増)へ、営業利益を32億6000万円から34億5000万円(同16.3%増)へ、純利益を22億7000万円から24億4000万円(同17.9%増)へ上方修正したことが好感された。各事業分野における需要は旺盛であり、特に金融ITソリューション分野での大規模開発案件やITコンサルティング&サービス分野でのSaaSソリューションサービスが牽引し想定を上回る収益となる見込み。

■住友化学 <4005>  454円  -42 円 (-8.5%)  本日終値  東証プライム 下落率3位

住友化学<4005>はウリ気配スタートで水準を切り下げる展開。1日の取引終了後に23年3月期業績予想の下方修正を発表。売上高を3兆1800億円から2兆9900億円(前期比8.1%増)へ、純利益を1050億円から収支均衡(前期1621億3000万円)へ引き下げており、これを嫌気した売りが出ている。景気後退やインフレへの懸念などを背景に、交易条件の悪化やディスプレイ関連材料の出荷減が見込まれることが要因。事業構造改善費用の計上や為替差益の減少なども響く。従来24円としていた年間配当予想を未定とすることも、あわせて明らかにした。同時に発表した第3四半期累計(22年4~12月)の決算は、売上高が2兆2570億円(前年同期比10.8%増)、純利益が603億1000万円(同54.9%減)だった。

■ヨンキュウ <9955>  2,836円  -254 円 (-8.2%)  本日終値

1日に発表した「株主優待を実質半減」が売り材料。

株主優待の実施回数を年2回→年1回に変更する。実質半減。

■BIPROGY <8056>  3,065円  -235 円 (-7.1%)  本日終値  東証プライム 下落率5位

BIPROGY<8056>が大幅安で3日続落。1日の取引終了後、23年3月期第3四半期累計(4~12月)の連結決算を発表し、最終利益は前年同期比微減の135億7000万円だった。10~12月期では最終利益は同19%減となっているほか、第3四半期累計の最終利益の通期計画に対する進捗率は約68%台にとどまっており、業績の下振れを懸念した売りが膨らんだようだ。4~12月期の売上収益は同5.6%増の2299億7600万円だった。DX(デジタルトランスフォーメーション)関連の案件を中心に、システムサービスやソフトウエアの販売が増加した。一方、社内基幹システムの刷新などにより販売費及び一般管理費も増加したという。

■スカパーJ <9412>  466円  -28 円 (-5.7%)  本日終値

1日に決算を発表。「10-12月期(3Q)経常は8%減益」が嫌気された。

スカパーJSATホールディングス <9412> [東証P] が2月1日大引け後(15:00)に決算を発表。23年3月期第3四半期累計(4-12月)の連結経常利益は前年同期比1.6%減の171億円となり、通期計画の215億円に対する進捗率は5年平均の82.2%を下回る79.7%にとどまった。

⇒⇒スカパーJの詳しい業績推移表を見る

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