戸田工業 Research Memo(7):中期成長事業に加え次世代事業の拡大で新たな飛躍を目指す(1)

特集
2023年2月8日 14時37分

■中長期の成長戦略

1. 中期事業計画-Vision2023-

戸田工業<4100>は2021年8月に中期事業計画として2023年の創業200周年を念頭に、Vision2023を発表した。酸化鉄で培った微粒子合成技術を深化させ、社会に貢献できる「モノづくり企業」としての経営基盤を確立し、素材のチカラを未来のタカラとするという経営理念・経営方針を打ち出した。

具体的な数値目標として2024年3月期に売上高365億円、営業利益23億円を掲げている。電子素材事業では戦略3事業を伸ばし、5つの事業フィールドについては、「自動車」と「家電・通信機器」での拡大を目指す計画となっている。

既に2022年3月期の実績で売上高は2023年3月期の計画値を超え、営業利益は最終年度の計画値を上回った。売上については1$=105円、またニッケル価格などの市況連動製品も多く、どの指標も中期事業計画からずれている。但し2023年3月期は、原材料の高騰、加えて為替の円安傾向、また自動車生産は半導体調達や中国でのロックダウン、ウクライナ紛争によるエネルギー価格の高騰など、同社を取り巻く環境が激変、売上高で36,000万円、営業利益1,800万円予想に収益予想の減額変更を余儀なくされ、中期事業計画から下方シフトした状況にある。また2024年3月期についても前半は引き続きコスト高継続の中で市況の低迷が懸念され、厳しい環境が続く見通しに加え、60%保有する従来連結対象である戸田聯合実業(浙江)有限公司(以下、戸田聯合)の出資持分を、戸田聯合の40%保有先の徳清聯合顔料有限公司に11%、同社持分法適用関連会社である浙江華源顔料股フン有限公司(以下、浙江華源。同社20.7%保有)に49%譲渡する(11/29開示)。このため2024年3月期は戸田聯合の年間収益が連結決算から外れ、売上高で6,000百万円、営業利益で500百万円近いものが減額となる見通しにある。同事業の移管は中規的に大きなシナジー効果となって収益に寄与するとみられるが、短期的にはマイナス要素となり、売上365億円、営業利益23億円の達成が危ぶまれる状況にある。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 岡本 弘)

《YI》

提供:フィスコ

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