【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─決算通過後の株価回復の波を捉える!

市況
2023年2月5日 9時30分

「決算通過後の株価回復の波を捉える!」

●東京市場の頭を押さえる2つの材料

FRB(米連邦準備制度理事会)は、1月31日~2月1日に開催されたFOMC(連邦公開市場委員会)で政策金利の上げ幅を0.25%に縮小した。

私は昨年12月に続き、0.5%の引き上げを続けると見ていたので、0.25%には少々驚いたが、上げ幅縮小は大歓迎だ。

当然、東京市場もこれを好感し、1月26日から続いた保ち合いを上に大きく放れる――こう期待したのだが、週末3日の日経平均株価は107円高と続伸はしたものの、勢いよく「上ッ放れ!」とはなっていない。

利上げ幅が0.5%ではなく、半分の0.25%に縮まったのは非常に好ましい。にもかかわらず、東京市場の反応が小幅高程度でとどまったのは、2つのやっかいな気掛かり材料があるからだ。

それは……、

(1)米国の利上げ幅縮小を受けて、為替市場がドル安・円高基調で推移している

(2)23年3月期第3四半期決算と通期予想の発表ラッシュを迎えている

これらになる。

(1)のドル安・円高は、昨年東京市場が望んだものだ。円が対ドルで151円台まで下げたため、「円安をなんとかしろ」コールがわき起こったことはまだ記憶に新しい。その後、円は上昇を続けており、いまでは128円台だ。

しかし、市場がいまでは円高を嫌っているのは明らかであり、輸出関連だけでなく、インバウンド関連も株価が上がらなくなっている。円高では外国人観光客が訪日しなくなるとの見方からだ。もちろん、実際はそうはならないだろう。しかし、株式市場は訪日客数に影響が出ると思っているので、買いが入りにくい。

為替の変動には市場は次第に馴れていくのでさほど心配することはないが、対応困難なのが(2)になる。

●高リスクの決算発表、直前での売りも検討すべき

決算発表は非常にやっかいだ。発表の翌日に株価が急落してしまう銘柄が多く、警戒しなければならないと分かってはいるのだが、どの銘柄が急落するのか予測は困難だ。業績好調であったとしても、材料出尽くしや膨れ上がった期待に届かず、決算発表後に急落――こうなってしまうからだ。

そのため、私は「決算発表を跨がない」、これを勧めている。保有している銘柄の株価が上昇しているタイミングでの決算発表になるなら、その直前に売っておく。これがお勧めの策になる。決算発表で下がらないこともあるが、下げた場合はひどいことになるからだ。

最近の例では日本航空 <9201> [東証P]、SREホールディングス <2980> [東証P]、M&Aキャピタルパートナーズ <6080> [東証P]、愛知製鋼 <5482> [東証P]、フジミインコーポレーテッド <5384> [東証P]、キッセイ薬品工業 <4547> [東証P]……と数え切れない。

しかも、今週も決算発表ラッシュが続くのだ。どんな企業が発表するかは、各自調べてもらうほかないが、こんな状況にあることを考えると、投資対象となるのは決算発表を終えた銘柄になる。

具体的には、まずはアマノ <6436> [東証P]になる。就業時間管理システムで国内首位であり、収益好調が続く。株価は下落基調にあるが、決算発表でも売り込まれておらず、ここからは回復する確率が高いと見る。

半導体用超純水製造装置に強いオルガノ <6368> [東証P]も、1日の取引時間中の決算発表を受けて急落してしまったが、そろそろ下げ止まってもおかしくない水準にある。

建設機械の需要は好調ながら、2月に入り株価が失速中のコマツ <6301> [東証P]も、現在水準からさらに売られたとしても大きな下げにはならないだろう。狙いどころにあるとみる。

1月31日に決算を発表し、当然のように売りが出て株価は急落したものの、業績好調が見直される兆しがあるZOZO <3092> [東証P]も魅力的だ。

そして、最後は日本航空になる。今期業績について最終損益を従来予想の450億円から250億円に引き下げたことで売られてしまった。前期は1775億円の赤字であり、それが250億円の黒字となるのだからかなりの好転じゃないか――私に言わせるとこうなり、株価は期待が持てる。

2023年2月3 日 記

株探ニュース

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