9日の米国市場ダイジェスト:米国株式市場は続落、利上げ長期化懸念が重し

市況
2023年2月10日 7時49分

■NY株式:米国株式市場は続落、利上げ長期化懸念が重し

ダウ平均は249.13ドル安の33,699.88ドル、ナスダックは120.94ポイント安の11,789.58で取引を終了した。

新規失業保険申請件数が予想を上回ったため、労働市場ひっ迫緩和の思惑が強まり、金利低下を好感した買いが先行。しかし、リッチモンド連銀のバーキン総裁が利上げ軌道を維持する必要性を強調し、金利が再び上昇すると、売り圧力が強まり、下落に転じた。終盤にかけて、JPモルガンのダイモンCEOがインフレにおいて勝利宣言するのは時期尚早と発言。さらに、来週予定されている消費者物価指数(CPI)を警戒して金利が一段と上昇すると売りも加速し、下げ幅を拡大して終了。セクター別では、メディア・娯楽での下落が目立った一方、自動車・自動車部品が小幅上昇した。

カジノ経営のウィンリゾーツ(WYNN)はマカオの運営再開やラスベガスの強い売り上げを背景に、第4四半期決算の内容が予想を上回り上昇。同業のMGMリゾーツ(MGM)も調整後の1株損失が警戒されたほど悪化せず、買われた。クラウド型ソフトウエア会社のセールスフォース(CRM)は物言う投資家のダニエル・ローブ氏率いるサードポイントによる同社株の取得が明らかになり大幅高。飲料メーカーのペプシコ(PEP)は、第4四半期決算で、1株利益や売り上げ、売上見通しが予想を上回り、上昇した。高級ブランド、コーチなどを運営するタペストリー(TPR)はドル安や中国の売り上げ回復で通年の業績見通しを引き上げ上昇。衣料ブランドのラルフ・ローレン(RL)も四半期決算で調整後の1株利益が予想を上回り上昇した。一方で、後払い会社のアファーム(AFRM)は四半期決算で収益が予想を下回ったほか、速やかに全従業員の19%を削減する計画を発表し大幅安となった。

オンライン決済会社のペイパル(PYPL)は取引終了後に決算を発表。調整後の1株利益が予想を上回ったほか、見通しも予想を上回り、時間外取引で上昇している。

(Horiko Capital Management LLC)

■NY為替:FRBの利上げ継続観測でドルは底堅い

9日のニューヨーク外為市場でドル・円は、130円35銭まで下落後、131円65銭まで上昇し、131円57銭で引けた。新規失業保険申請件数が予想を上回ったため景気減速懸念が再燃し、ドル売りが優勢となった。その後、バーキン米リッチモンド連銀総裁が路線維持必要と言及したため利上げ長期化観測が再燃したほか、米30年債入札の低調な結果を受け、長期金利が上昇に転じたことに伴いドル買いも再開。

ユーロ・ドルは、1.0791ドルまで上昇後、1.0732ドルまで反落し、1.0737ドルで引けた。ユーロ・円は140円62銭まで下落後、141円33銭まで反発。ポンド・ドルは、1.2194ドルへ上昇後、1.2114ドルまで下落した。ドル・スイスは、0.9161フランまで下落後、0.9229フランまで上昇。

■NY原油:弱含みで78.06ドル、株安で利食い売りが増える

NY原油先物3月限は弱含み(NYMEX原油3月限終値:78.06 ↓0.41)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物3月限は、前営業日比-0.41ドルの78.06ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは76.52ドル-78.84ドル。ロンドン市場で78.84ドルまで買われたが、米国市場では株安を意識して利益確定を狙った売りが観測されており、一時76.52ドルまで下落。ただ、通常取引終了後の時間外取引で78ドル台まで戻しており、下げ渋った。

■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC) 35.72ドル -0.78ドル(-2.14%)

モルガン・スタンレー(MS) 98.05ドル -0.91ドル(-0.92%)

ゴールドマン・サックス(GS)367.99ドル -7.11ドル(-1.90%)

インテル(INTC) 27.73ドル -0.51ドル(-1.81%)

アップル(AAPL) 150.87ドル -1.05ドル(-0.69%)

アルファベット(GOOG) 95.46ドル -4.54ドル(-4.54%)

メタ(META) 177.92ドル -5.51ドル(-3.00%)

キャタピラー(CAT) 246.28ドル -2.59ドル(-1.04%)

アルコア(AA) 50.01ドル -0.61ドル(-1.21%)

ウォルマート(WMT) 141.52ドル +1.30ドル(+0.93%)

《ST》

提供:フィスコ

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