富田隆弥の【CHART CLUB】 「2万7200円をポイントにチャートに従う」

市況
2023年2月11日 10時00分

日経平均株価は2月6日に2万7821円の高値を付けたが、そのあとは9日時点で3日続落。ただ、3日間の下げ幅は109円にとどまり、テクニカル指標(騰落レシオ、RCI:順位相関係数、サイコロジカルラインなど)の過熱を踏まえれば「ほどよいスピード調整」の範囲内といえるだろう。日足チャートも2万7200円台にある75日移動平均線と200日移動平均線の上で推移しており、2万8000円指向の流れは継続中といえる。

◆とはいえ、カギを握る米国株はFOMC(連邦公開市場委員会)が開かれた2月1日に高値を付けて調整に入った。昨年12月もFOMC(13~14日)以降に調整を強めた経緯があるだけに、同様の展開になるのか注視したい。恐怖指数「VIX」は2月1日に17.87%と昨年1月以来の水準まで低下。ナスダックは12月28日の安値1万0207ポイントから2月2日の高値1万2269ポイントまで1カ月余りで20%上げ、日足RCIは高値信号を灯している。

為替(ドル円)は9日時点で131円台にあり、25日線(130.29円)をクリアしたが、動きは鈍く足踏みしている。為替の週足チャートを見れば、133.30円処で13週線と52週線がデッドクロスして壁になっている。為替は130.50円~133.30円のもみ合いから抜ける方向がポイントになる。

◆一方、米国の経済指標は強弱材料が交錯。利上げを巡る米連邦準備制度理事会(FRB)高官のコメントや市場の観測も錯綜する。企業業績は好調とは言えず、ロシア・ウクライナ戦争など地政学リスクを抱えた状況も変わらない。株価は日米とも年初から堅調に推移してきたが、チャートは高値圏で調整の動きをみせており、「節分天井」の懸念が払拭されたわけではない。

◆このようなときはチャートの流れに従うのが基本である。日経平均株価は下に控える75日線と200日線の「2万7200円台」をポイントに、それを維持しているうちは「押し目買い、吹き値売り」で、割り込むなら一旦「慎重姿勢」で対応するということだ。

(2月9日 記、次回更新は2月18日を予定)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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