今週の【早わかり株式市況】5週続伸、円安進行で上昇も高値圏では伸び悩み

市況
2023年2月11日 6時40分

■今週の相場ポイント

1.日経平均は5週連続で上昇、2万7800円台では利益確定売り

2.強い内容の1月米雇用統計と日銀次期総裁人事巡る報道で円安進行

3.米金融引き締め長期化警戒も、軟調な米国株が慎重姿勢促す

4.決算発表が佳境入り、任天堂やソフトバンクGが下落

5.好決算銘柄には買い意欲旺盛、東エレクなど買われる

■週間 市場概況

今週の東京株式市場で日経平均株価は前週末比161円(0.6%)高の2万7670円と5週連続で上昇となった。

2月3日発表された1月の米雇用統計が強い内容だったことや、日銀の次期総裁人事を巡る報道を受け、週明けの外国為替市場はドル高・円安となった。これが日本株の支えとなり日経平均は2万7500円台を回復。その後は米国の金融引き締め長期化に対する警戒感もあり、高値圏では利益確定売りが出て伸び悩んだ。国内では企業の決算発表が佳境に入り、好決算銘柄に対する投資家の買い意欲は旺盛で下値も限定的だった。

6日(月)の東京市場で日経平均は184円高と4日続伸した。前週末公表の1月の米雇用統計が市場予想を大幅に上回る堅調な結果となり、米連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締めが長期化するとの見方が広がった。国内では日銀の次期総裁人事を巡り、雨宮正佳副総裁に打診があったと伝わり、これらを受けたドル高・円安の進行が日本株の支えとなった。7日(火)の日経平均は8円安と5日ぶりの小反落。1ドル=132円台半ばまで進んだドル高・円安を拠りどころに買いが先行したものの、利益確定売りに押される展開だった。ただ、値上がり銘柄数は値下がりを上回り、TOPIXは上昇した。8日(水)は続落。パウエルFRB議長がインタビューで、今年はインフレが大幅に鈍化するとの見方を示し、金融引き締めに対する警戒感が弱まった。ただ、為替市場ではドル安・円高が進行し日本株の重荷となった。前日に決算を発表した任天堂 <7974> [東証P]とソフトバンクグループ <9984> [東証P]が大幅安となった。9日(木)は22円安と小幅に3日続落。米国の利上げが早期に停止されるとの期待が後退し、米国株が下落した流れを引き継いだものの、好決算銘柄への買いが下値を支えた。10日(金)は86円高と4日ぶりに反発。前日まで3日続落となったことを背景に、値頃感を意識した買いが入った。業績予想の上方修正と株式分割を発表した東京エレクトロン <8035> [東証P]が上昇し日経平均を押し上げた。

■来週のポイント

来週は日銀の次期総裁人事に関心が集まるだろう。10日夕方、複数のメディアが「日銀の新総裁に植田和男氏を起用する方針」と伝えた。植田氏はこれまで候補として取り上げられることがなかったこともあり、市場がどう織り込むのかはまだ未知数な面がある。週明けの東京市場の動向が注目される。

重要イベントとしては、国内では14日に発表される10-12月期GDP、16日朝に発表される12月機械受注と1月貿易統計が注目される。海外では14日発表の米国1月消費者物価指数、15日に発表される米国1月の小売売上高と鉱工業生産、16日に発表される米国1月住宅着工件数、17日に発表される米国1月コンファレンス・ボード景気先行指数に注視が必要だろう。

■日々の動き(2月6日~2月10日)

【↑】   2月 6日(月)―― 4日続伸、米株軟調も円安を好感し買い優勢

日経平均 27693.65( +184.19)  売買高13億1554万株 売買代金 3兆0174億円

【↓】   2月 7日(火)―― 5日ぶり小反落、朝高も利益確定売りが優勢

日経平均 27685.47( -8.18)  売買高11億2651万株 売買代金 2兆6424億円

【↓】   2月 8日(水)―― 続落、寄与度の高い値がさ株の下げが重荷

日経平均 27606.46(  -79.01)  売買高10億9500万株 売買代金 2兆7877億円

【↓】   2月 9日(木)―― 3日続落、米株安を受け半導体関連株が売られる

日経平均 27584.35(  -22.11)  売買高10億4373万株 売買代金 2兆5791億円

【↑】   2月10日(金)―― 4日ぶり反発、半導体や鉄鋼などの好業績が買われる

日経平均 27670.98(  +86.63)  売買高13億9618万株 売買代金 3兆4509億円

■セクター・トレンド

(1)全33業種中、23業種が値上がり

(2)上昇率トップは丸紅 <8002> など卸売

(3)オリックス <8591> などその他金融、三菱UFJ <8306> など銀行、MS&AD <8725> など保険といった金融株が大きく買われた

(4)郵船 <9101> など海運、コマツ <6301> など機械、日本製鉄 <5401> など鉄鋼といった景気敏感株も高い

(5)内需株はまちまち。三菱倉 <9301> など倉庫・運輸、積水ハウス <1928> など建設が堅調も

ソフトバンクG <9984> など情報・通信、エムスリー <2413> などサービスは売られた

(6)輸出株はトヨタ <7203> など自動車、ソニーG <6758> など電機が総じて軟調

(7)値下がり率トップは任天堂 <7974> などその他製品。次いでANAHD <9202> など空運が安い

■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数)

1(4) 人工知能

2(14) 監視カメラ

3(1) パワー半導体

4(2) 半導体

5(7) TOPIXコア30

※カッコは前週の順位

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