話題株ピックアップ【夕刊】(2):アバール、北越コーポ、久光薬
■アバールデータ <6918> 4,810円 +120 円 (+2.6%) 本日終値
アバールデータ<6918>が続伸、前日は一時400円を超える急騰で上場来高値を更新したが、買い気は強くきょうも目先筋の利食いを吸収して上値追い態勢にある。半導体製造装置用電子制御装置の受託製造を主力に、利益率の高い自社製品も展開する。米国では画像処理半導体大手のエヌビディア<NVDA>が人工知能(AI)関連の最右翼として収益成長への期待が高まっており、株価面でも再評価されている。アバールもFPGA画像処理やディープラーニングなど高技術をベースとした画像製品で優位性を持っており、AI普及局面で活躍余地が広がる可能性がある。PERは依然として7倍台と割安感が強く、株式需給面では最高値圏で戻り売り圧力がないほか、信用買い残も直近データで16万株程度にとどまり上値が軽い。
■北越コーポレーション <3865> 798円 +12 円 (+1.5%) 本日終値
北越コーポレーション<3865>は4日続伸。香港の投資ファンドのオアシス・マネジメントが20日付で関東財務局に提出した変更報告書で、北越コーポ株の保有割合が11.89%から12.89%に増加したことが判明。これを受けて、需給思惑的な買いが入ったようだ。保有目的は、ポートフォリオ投資及び重要提案行為としている。
■久光製薬 <4530> 3,960円 +45 円 (+1.2%) 本日終値
久光製薬<4530>が続伸。同社は20日、5月1日出荷分から「サロンパス」など98品目を値上げすると発表しており、採算改善などが期待されているようだ。希望小売価格の改定率は約10~20%。原材料価格や包装材価格などの継続的な高騰に加え、物流費やエネルギーコストなどの諸経費も高止まりの状態が続いていることが主な理由となっている。
■ジェイエイシ <2124> 2,303円 +24 円 (+1.1%) 本日終値
ジェイエイシーリクルートメント<2124>は続伸。20日の取引終了後、上限を90万株(発行済み株数の2.23%)、または20億5110万円とする自社株を、21日朝の東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)で取得すると発表したことが好感された。経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を遂行し、資本効率の向上と株主利益の増進を図るためとしている。
■雪国まいたけ <1375> 1,015円 +8 円 (+0.8%) 本日終値
雪国まいたけ<1375>が反発。午前11時ごろ、神戸薬科大学との共同研究の結果を発表しており、これが材料視された。同研究は、神戸薬科大・微生物化学研究室の小西守周教授、中山喜明准教授、増田有紀講師、清水涼平特任助教と共同で行ったもの。まいたけに含まれる多糖体が単球系骨髄由来抑制細胞(M-MDSC)を免疫活性型M1マクロファージに変換することで、腫瘍組織の免疫抑制状態を解除し、がんの成長を抑制することが明らかになったという。
■カプコン <9697> 4,505円 +15 円 (+0.3%) 本日終値
カプコン<9697>が堅調。この日、「ストリートファイター」を活用して世界各国で開催するeスポーツ大会群「CAPCOM Pro Tour 2023」の賞金総額を200万ドル以上(2億6000万円以上、1ドル=130円)に拡大すると発表した。eスポーツというテーマ性もあって、ヘッドライン(ニュースの見出し)に反応した買いが入ったようだ。シリーズ最新タイトル「ストリートファイター6」の発売を記念した特別施策として、「CAPCOM CUP X」の優勝賞金を100万ドル、ツアーの年間総額を200万ドル以上と、これまでの最高額に設定して開催するという。
■チェンジ <3962> 2,673円 +8 円 (+0.3%) 本日終値
チェンジ<3962>は続伸した。20日の取引終了後、子会社のトラストバンクが提供する自治体専用ノーコード電子申請システム「LoGoフォーム」の導入数が、提供開始から約3年で500自治体を超えたと発表した。全国の4分の1以上の自治体に導入が広がった形となり、今後の業績への貢献を期待した買いが入ったようだ。2023年2月2日時点では514自治体が導入しているという。自治体職員はプログラミングやIT技術を使わず「ノーコード」で電子申請フォームの作成などが可能となる。業務の効率化や外部委託コストの削減などにつながる効果があるという。
■ツバキ・ナカシマ <6464> 949円 -138 円 (-12.7%) 本日終値 東証プライム 下落率トップ
ツバキ・ナカシマ<6464>が急反落。20日の取引終了後に発表した22年12月期決算に継続企業の前提に関する注記を記載しており、これを嫌気した売りが出たようだ。のれんなどの減損損失の計上で営業損失となった結果、一部の借入金に付されている財務制限条項に抵触していることから、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象または状況が存在しているという。売上高は前の期比16.4%増の790億3600万円、営業損益は前の期の黒字から90億6500万円の赤字に転落して着地した。同時に発表した23年12月期業績予想は、売上高が前期比8.8%増の860億円、営業損益は前期の赤字から黒字転換となる90億円とした。セラミックビジネスの更なる成長加速やメディカルデバイスビジネスでの新規市場開拓、アジア市場での着実な拡販を図ることで収益拡大を目指す。価格転嫁の進展も寄与する。配当は前期比18円増の48円を見込む。
■アンビスHD <7071> 3,335円 -195 円 (-5.5%) 本日終値
アンビスホールディングス<7071>は急落。20日の取引終了後、1000万株の売り出しと上限100万株のオーバーアロットメントによる売り出しを実施すると発表しており、株式需給の悪化を懸念した売りが出た。上場市場区分の変更に伴い、より広範な投資家に対する株式保有の機会提供と、更なる流動性の向上を図るため。同社は3月14日付でスタンダードからプライムへ市場変更することを予定している。
■RSテクノ <3445> 3,465円 -85 円 (-2.4%) 本日終値
RS Technologies<3445>が3日続落した。20日の取引終了後、非開示だった23年12月期の連結業績予想について、経常利益が前期比7.7%減の143億円となる見通しを示した。経常減益の計画を嫌気した売りが出たようだ。売上高は同1.8%増の508億円の見通し。半導体業界は停滞感がありながらも意欲的な投資活動が引き続き継続しているなどとして、増収を計画する。経常利益については、為替差益などの特殊要因を除いたベースでは前期の実績以上を見込むという。
株探ニュース