話題株ピックアップ【夕刊】(3):スタティアH、リリカラ、加藤製
■三菱UFJ <8306> 963円 -12.2 円 (-1.3%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>などメガバンクや第一生命ホールディングス<8750>など大手生保株が強弱観対立も足もとはやや売りに押されている。ここ再び上昇基調で注目度が高まっている米10年債利回りだが、前日は3.8%台まで低下し上昇一服となったことで、これが利食いを誘発している。ただ、金利の先高感は強く、前日の米国株市場ではゴールドマン・サックス<GS>やJPモルガン<JPM>など大手金融株は買いが優勢だった。東京市場では次期日銀総裁の下でのイールドカーブ・コントロールの段階的排除に向けた思惑なども漂い、銀行や生保セクターには運用環境の改善を期待する動きもある。きょう午前中に衆議院で行われる日銀新総裁候補の植田和男氏への所信聴取を控え、この内容が大手金融株にも影響を及ぼしそうだ。
■スタティアH <3393> 1,138円 +150 円 (+15.2%) ストップ高 本日終値 東証プライム 上昇率トップ
スターティアホールディングス<3393>はストップ高。22日の取引終了後、配当方針の変更に伴い23年3月期期末配当予想を7円から29円へ引き上げると発表したことが好感された。年間では34円となり、前期実績に対しては20円の増配となる予定だ。来期以降を計画していた配当性向30%について、1年前倒しし今期からとしたことが要因としている。
■リリカラ <9827> 522円 +45 円 (+9.4%) 本日終値
リリカラ<9827>が大幅反発。22日の取引終了後に関東財務局に提出された大量保有報告書で、リバーフィールド(東京都中央区)の所有割合が11.03%となり、新たに大株主に浮上したことが判明。これを受けて需給思惑的な買いが入ったようだ。保有目的は純投資で、報告義務発生日は2月15日。なお、リバーフィールドはティーケーピー<3479>社長の河野貴輝氏が代表を務める資産管理会社。
■加藤製作所 <6390> 1,012円 +73 円 (+7.8%) 本日終値 東証プライム 上昇率6位
加藤製作所<6390>がマドを開けて大幅高、21年8月以来となる4ケタ大台を回復した。建設用クレーンの国内トップだが、アジア向けなど海外での需要獲得にも注力している。利益率向上に向けた取り組みや円安効果も加わり業績は大底を脱出し、23年3月期業績予想は最終利益段階で10億から15億円(前期実績は95億7500万円の赤字)に増額している。自己資本比率43%と財務面はしっかりしており、大幅赤字となった前期や前々期も配当は継続した。PER8倍前後でPBR0.26倍と超割安圏にあることで、テーマ買いの流れに乗っている。
■サスメド <4263> 1,363円 +88 円 (+6.9%) 本日終値
サスメド<4263>が急伸。同社は疾病に対応した医療機器開発や医療情報の収集及び提供を行い、不眠症やリハビリなどに関するスマートフォン向けアプリ開発に力を入れている。22日取引終了後、同社が傾注する不眠障害治療用アプリに関連する特許査定を欧州特許庁から受領したことを発表、これを材料視する買いが集中した。株式需給面では外資系経由の貸株調達による空売りが直近増加しており、この買い戻しも株価上昇を後押ししているもようだ。
■アキレス <5142> 1,321円 +84 円 (+6.8%) 本日終値
アキレス<5142>が後場急速人気化。同社はきょう後場取引時間中(午後2時)に発行済み株式数の6.58%に相当する100万株、金額にして18億円を上限とする自社株買いを発表(取得期間は3月1日~24年2月27日)、更に50万株を3月9日に消却することも併せて発表した。これが材料視される形で投資資金を誘導した。6.6%相当の自社株買いはインパクトがある。同社は運動靴の大手で子供用の「瞬足」を中心に需要を捉えているが、23年3月期は原料のナフサ価格の高騰で採算が悪化し15億円の営業赤字を見込んでいる。ただ、自己資本比率56%と財務面は強固で、年40円の配当を継続する見通し。3%超の配当利回りを維持する一方、PBRは0.4倍程度と極めて割安圏にある。東証は今春をメドにPBRが継続的に1倍未満に放置されている上場企業に対し、改善策及びその進捗状況について開示する要請案を明らかにしているが、同社のように株主還元への取り組みは、ROEを高め、PBR上昇にもつながる有効な策とみられている。
■空港施設 <8864> 549円 +32 円 (+6.2%) 本日終値
空港施設<8864>が高い。22日の取引終了後に株主優待制度を変更すると発表しており、これが好感された。今年3月末の基準日以降、グループ会社が運営する飛行機の見えるレストラン「ブルーコーナーUC店」で利用できる食事券を贈呈する。従来は、同社指定ホテルの宿泊割引券だった。
■都築電気 <8157> 1,430円 +79 円 (+5.9%) 本日終値
都築電気<8157>が後場急上昇。午後2時ごろ、23年3月期の連結業績予想について、売上高を1210億円から1226億円(前期比2.8%増)へ、営業利益を45億円から48億円(同19.6%増)へ、純利益を30億9000万円から33億円(同17.9%増)へ上方修正し、あわせて期末配当予想を25円から34円へ引き上げたことが好感された。電子デバイス事業でFA機器・産業市場向けの半導体・電子部品の需要が計画を上回って推移していることに加えて、情報ネットワークソリューションサービス事業、電子デバイス事業ともに付加価値の高いビジネスへ事業構造の転換を進めたことが奏功する。なお、年間配当予想は59円(前期48円)となる予定だ。
■タメニー <6181> 122円 +6 円 (+5.2%) 本日終値
タメニー<6181>が3日ぶりに反発。22日の取引終了後、TMSホールディングス(大阪市中央区)との資本・業務提携を強化すると発表しており、好材料視された。TMSHDを割当先とする第三者割り当てにより、127万1100株の新株を発行する。両社は21年12月に資本・業務提携し、現在ではTMSHDがタメニー発行済み株式の2.13%を所有。また、TMSHDが運営する結婚相談所とタメニーが運営するマッチングプラットフォームとの間でデータ連携が行われ、テック事業の売上高向上などに寄与している。これを受けて、タメニーでは業績回復をより一層加速させることはもとより、中長期視点で全事業の高収益体制の確立とプロダクトの競争力強化を実現するために、資本・業務提携関係を強化するとしている。なお、23年3月期業績への影響は軽微としている。
■三協立山 <5932> 688円 +25 円 (+3.8%) 本日終値
三協立山<5932>は上値指向鮮明。今年1月末につけた688円の戻り高値にツラ合わせとなり、新波動入りを目前に捉えている。アルミ建材大手で住宅用やビル用での実績が高い。資材価格の上昇も、製品価格への転嫁が利いている。23年5月期業績予想については営業利益段階で期初見通しの50億円から37億円に減額しているが、株価面には織り込みが進んでおり、時価予想PERは10倍前後と依然として割安感がある。なお、今期年間配当は前期比5円増配となる20円を計画し、3%近い配当利回りを維持しているが、PBRは0.25倍程度で、会社解散価値の実に4分の1まで売り込まれた株価水準で水準訂正余地が意識されている。
●ストップ高銘柄
東京通信 <7359> 2,736円 +500 円 (+22.4%) ストップ高 本日終値
テクノマセマティカル <3787> 939円 +150 円 (+19.0%) ストップ高 本日終値
イメージ・マジック <7793> 1,019円 +150 円 (+17.3%) ストップ高 本日終値
アースインフィニティ <7692> 5,170円 +705 円 (+15.8%) ストップ高 本日終値
アミタホールディングス <2195> 1,144円 +150 円 (+15.1%) ストップ高 本日終値
など、7銘柄
●ストップ安銘柄
なし
株探ニュース