話題株ピックアップ【夕刊】(1):アイル、コシダカHD、日本製鉄
■アイル <3854> 2,240円 +295 円 (+15.2%) 一時ストップ高 本日終値 東証プライム 上昇率トップ
アイル<3854>が急騰。前週末24日の取引終了後、23年7月期の連結業績予想について、売上高を141億円から150億円(前期比15.9%増)へ、営業利益を24億円から31億円(同47.6%増)へ、純利益を15億5300万円から20億4400万円(同48.4%増)へ上方修正し、あわせて中間・期末各10円の年20円としていた配当予想を中間11円・期末14円の年25円(前期18円)にすると発表したことが好感された。前期における半導体不足によるサーバー機器の納品遅延の影響の解消が想定を上回り堅調に推移していることが要因。また、売上高におけるストック比率の増加やパッケージの機能強化による売上総利益率の向上なども寄与する。
■コシダカHD <2157> 910円 +26 円 (+2.9%) 本日終値
コシダカホールディングス<2157>は4日ぶりに大きく切り返しに転じた。同社は「カラオケまねきねこ」を直営で展開するが、一時の新型コロナウイルス感染拡大の影響から解放され業績は急回復局面にある。前週末24日取引終了後、23年8月期通期最終利益予想の修正を発表した。従来計画から58%の大幅増額となる70億円(前期比92%増)となる見通しで、これは19年8月期以来4期ぶり過去最高更新となる。保有不動産の売却による特別利益を第3四半期に計上するため。なお、売上高や営業利益の修正はないものの、23年8月期の売上高は前期比40%増、本業のもうけを示す営業利益は同3.4倍といずれも高変化を見込んでいる。
■SBI新生銀行 <8303> 2,473円 +61 円 (+2.5%) 本日終値
SBI新生銀行<8303>が続伸し、昨年10月につけた昨年来高値に接近した。前週末24日の取引終了後、自己株式の消却の実施を発表した。株式の需給改善効果を期待した買いが入ったようだ。3月30日に5400万株を消却する予定。株式の希薄化懸念の低減と流通株式比率の向上につなげる。
■山一電機 <6941> 1,834円 +41 円 (+2.3%) 本日終値
山一電機<6941>が続伸。前週末24日の取引終了後、フィリピン子会社が新たに生産工場を建設すると発表しており、好材料視された。新工場建設は、世界的な半導体需要の増加に伴い、半導体テストソケットの安定した供給体制の構築や、車載機器、通信機器、産業機器など多様化する顧客ニーズに迅速かつ効率的に対応するのが狙い。22年11月に取得した土地に約11億円を投じて建設する予定で、今年5月に着工し、生産開始は24年4月を予定している。なお、同件による23年3月期業績への影響は軽微としている。
■モリト <9837> 1,022円 +22 円 (+2.2%) 本日終値
モリト<9837>が続伸。前週末24日の取引終了後に自社株買いを実施すると発表したことが好感された。上限を50万株(発行済み株数の1.83%)、または6億円としており、取得期間は23年3月1日から24年1月31日まで。経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行や株主還元策の一環として取得するとしている。
■日本製鉄 <5401> 3,132円 +62 円 (+2.0%) 本日終値
日本製鉄<5401>は全般軟調地合いに抗して上値指向を鮮明としており、一時112円高の3182円まで上値を伸ばし、前週21日につけた昨年来高値3120円を上回り新値街道に復帰した。現在の東京市場では低PBR銘柄の水準訂正高が相場テーマの一つとなっており、鉄鋼業界のシンボルストックである同社株も0.7倍台のPBRを見直す動きに拍車がかかっている。低PBRだけでなくPERも超割安圏にあり、加えて配当利回りが5.7%前後と非常に高いことで、3月期末に向けた配当権利取り狙いの買いを誘導している。製品価格の値上げ効果で23年3月期は業績回復色が鮮明、市場では同社の24年3月期の業績が増収増益基調を維持できるかにも関心が高まっている。
■エバラ食品工業 <2819> 3,110円 +60 円 (+2.0%) 本日終値
エバラ食品工業<2819>が続伸。前週末24日の取引終了後、7月1日納品分から家庭用商品の鍋物調味料群と業務用商品の一部商品について、また9月1日納品分より家庭用商品の野菜まわり調味料群の一部商品について値上げすると発表しており、好材料視された。対象となるのは家庭用の「すき焼のたれ」シリーズ、「キムチ鍋の素」シリーズや、「浅漬けの素」シリーズなど13品目と、業務用のスープ群など74品目の計87品目で、家庭用商品は約10~15%、業務用商品は約6~21%値上げする。原材料価格や資源価格の高騰によるコストアップを吸収することが目的としている。
■東武鉄道 <9001> 3,030円 +49 円 (+1.6%) 本日終値
東武鉄道<9001>が続伸。前週末24日の取引終了後、23年3月期の連結業績予想について、売上高を5920億円から6070億円(前期比20.0%増)へ、営業利益を410億円から500億円(同2.0倍)へ、純利益を233億円から250億円(同85.8%増)へ上方修正し、あわせて期末配当予想を10円から15円へ引き上げたことが好感された。旅行業でソーシャルイノベーション事業が想定以上に伸長したことに加えて、入国制限緩和に伴う訪日外国客の増加や全国旅行支援の後押しなどにより、ホテル業の客室単価や鉄道業の行楽需要が回復していることなどが要因としている。なお、年間配当予想は30円(前期20円)となる予定だ。
■しまむら <8227> 12,900円 +190 円 (+1.5%) 本日終値
しまむら<8227>が続伸。前週末24日の取引終了後に発表した2月度(1月21日~2月20日)の月次売上速報で、既存店売上高が前年同月比12.2%増と5カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。全国的な強い冷え込みにより、婦人・紳士のアウター衣料でPB「CLOSSHI」のニットや裏起毛素材のパンツ、ジャケットやコートなどの冬物が好調だったほか、肌着や靴下の実用商品も冬物が売り上げを伸ばした。また、月度下旬に気温が上昇したことで、長袖のシャツやTシャツ、デニムパンツなどの春物新作アイテムも好調に推移した。なお、全店売上高は同11.8%増だった。
■アサヒ <2502> 4,812円 +65 円 (+1.4%) 本日終値
アサヒグループホールディングス<2502>が上昇トレンドを継続し、今年に入ってからの高値を更新。昨年8月下旬以来約半年ぶりの株価水準に浮上するなど異彩を放っている。コロナ禍から解放され、今年の花見シーズンは活況が予想されることでビール需要に追い風が強まるとの見方があるほか、ビール業界は製品価格値上げによる採算改善効果も追い風となっており、株価の上値期待が強い。また同社株は、株式需給面から信用取引の買い残が少なく、売り残が買い残を上回る売り長の状態にあり直近信用倍率は0.6倍強。また日証金では株不足状態で逆日歩がついており、踏み上げ相場の色彩も強い。
株探ニュース