S&P500 月例レポート ― 薄れる長期悲観論、太陽はいずれ昇る (2) ―
●利回り、金利、コモディティ
○米国10年国債利回りは、12月末の3.88%から3.50%に低下して月末を迎えました(2022年末は3.88%、2021年末は1.51%、2020年末は0.92%、2019年末は1.92%、2018年末は 2.69%、2017年末は2.41%)。30年国債利回りは、12月末の3.97%から3.63%に低下して取引を終えました(同3.97%、同1.91%、同1.65%、同2.30%、同3.02%、同3.05%)。
○英ポンドは12月末の1ポンド=1.2099ドルから1.2322ドルに上昇し(同1.2099ドル、同1.3525ドル、同1.3673ドル、同1.3253ドル、同1.2754ドル、同1.3498ドル)、ユーロは12月末の1ユーロ=1.0703ドルから1.0868ドルに上昇しました(同1.0703ドル、同1.1379ドル、同1.2182ドル、同1.1172ドル、同1.1461ドル、同1.2000ドル)。円は12月末の1ドル=132.21円から130.13円に上昇し(同132.21円、同115.08円、同103.24円、同108.76円、同109.58円、同112.68円)、人民元は12月末の1ドル=6.9683元から6.7547元に上昇しました(同6.9683元、同6.3599元、同6.6994元、同6.9633元、同6.8785元、同6.5030元)。
○1月末の原油価格は、12月末の1バレル=79.35ドルから同79.08ドルに上昇しました(2022年末は同79.35ドル)。米国のガソリン価格(EIAによる全等級)は1月に12.2%上昇しました(1月末は1ガロン=3.594ドル、2022年末は同3.203ドル、2021年末は同3.375ドル)。2020年末から原油価格は63.3%上昇し(2020年末は1バレル=48.42ドル)、ガソリン価格は54.2%上昇しました(2020年末は1ガロン=2.330ドル)。
○2022年12月時点のEIAの報告によると、2021年のガソリン価格の内訳は、58%が原油(2022年11月の55%から上昇)、16%が連邦税および州税(2022年11月は14%)、18%が販売・マーケティング費(同18%)、そして9%が精製コストおよび利益(同13%)となっています。
○金価格は12月末の1トロイオンス=1829.80ドルから上昇し1943.60ドルで1月の取引を終えました(2021年末は1829.80ドル、2020年末は1901.60ドル、2019年末は1520.00ドル、2018年末は1284.70ドル、2017年末は1305.00ドル)。
○VIX恐怖指数は12月末の21.67から19.40に下落して1月を終えました。月中の最高は23.76、最低は17.97でした(2022年末は21.67、2021年末は17.22、2020年末は22.75、2019年末は13.78、2018年末は16.12)。
⇒同指数の2022年の最高は38.89、最低は16.34でした。
⇒同指数の2021年の最高は37.51、最低は14.10でした。
⇒同指数の2020年の最高は85.47、最低は11.75でした。
●新型コロナウイルスとサル痘
○中国では、3年間にわたるコロナ関連規制の大半が解除されて以降、新型コロナウイルスの感染者数が急増しており、葬儀場や火葬場の対応が追い付かなくなっているとの報道もあります。中国政府はコロナ関連データの発表をやめ、米国、英国、日本は中国からの入国者に対する規制や要件を強化し、EUも加盟各国に対して対策の強化を勧告しています。
○サル痘の感染拡大ペースは鈍化しており、米国では感染拡大に歯止めがかかったとの判断が多くなっています。米疾病対策センター(CDC)によると、現時点で米国内では3万93人の感染が確認されています(12月時点では2万9740人、11月時点では2万9325人)。世界全体の感染者数は8万5115人(同8万3424人、同8万2999人)となっています。
○新型コロナウイルス関連データ:
⇒新型コロナウイルスによる世界全体の累計死者数は、682万人となりました(12月末時点は668万人)。
○米国は現時点で:
⇒新型コロナウイルスの累計感染者数は、12月の1億人から増加して1億200万人となりました。
⇒米国の新型コロナウイルスによる累計死者数は110万8000人となりました(12月は109万人)。
⇒新規感染者数の7日間平均は1月末時点で4万6204人となり、12月末時点の7万509人から減少しました。新規感染者数の7日間平均は2022年1月11日に141万7493人に達しました。また、死者数の7日間平均は521人に増加しました(12月末時点は413人)。
●各国中央銀行の動き(および関連ニュース)
○2022年12月13-14日に開かれた連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録が公開され、インフレと早期利下げに対する強い警戒感が明らかになりました。この時のFOMCでは、4回連続の0.75%利上げに続き、0.50%の利上げが行われました。
○足もとの金利先物は、2023年1月31日-2月1日のFOMCで0.25%の利上げが実施され、政策金利が4.50?4.75%になる可能性が97%に急上昇していることを示唆しています。さらに、3月の会合で0.25%利上げが実施される確率は79%、5月の会合で0.25%利上げの確率は35%と示唆されています。
○FRBのベージュブック(地区連銀経済報告)では、経済が2022年11月30日の前回報告から「ほぼ変わらず」、今後の成長も減速が予想されるとの見方が示されました。
●企業業績
○170銘柄(時価総額で44.4%)が2022年第4四半期の決算発表を終え、このうち119銘柄(70.0%)で営業利益が予想を上回り、169銘柄中107銘柄(63.3%)で売上高が予想を上回りました。
⇒2022年第4四半期は前期比2.7%の増益、前年同期比8.8%の減益が見込まれています。売上高は、過去最高を記録した2022年第3四半期から0.9%増となり、過去最高を更新する見通しです(前年同期比では6.5%増)。
⇒2022年第4四半期の営業利益率は、第3四半期の11.28%から上昇して11.48%となる見通しです(1993年以降の平均は8.29%、過去最高は2021年第2四半期の13.54%)。
⇒2022年第4四半期中に株式数の減少によって1株当たり利益(EPS)が大きく押し上げられた発表済みの銘柄の割合は、2022年第3四半期の21.24%に対して21.4%となりました。この割合は2021年第4四半期は14.89%、コロナ禍に見舞われた2020年第4四半期は6.01%でした。
○2022年通年の利益は前年比4.8%減となる見通しで、2022年予想株価収益率(PER)は20.6倍となっています。
○2023年の利益は同11.9%増が見込まれており、2023年予想PERは18.4倍となっています。
※「薄れる長期悲観論、太陽はいずれ昇る (3)」へ続く
株探ニュース