味の素が急伸、今期最終益予想の上方修正や自社株消却を好感
味の素<2802>が急伸。28日の取引終了後、23年3月期の連結業績予想の修正を発表し、最終利益の見通しを830億円から900億円(前期比18.9%増)に上方修正した。あわせて自己株式の消却と、累進配当政策の導入などを盛り込んだ中期の経営ロードマップも発表しており、これらを好感した買いが集まったようだ。
川崎市高津区にある遊休資産の売却により、23年1~3月期において約280億円をその他の営業収益に計上する。一方、味の素フーズ・ノースアメリカ社に関するのれんについて、米国の金利・経済状況を背景に減損損失を約120億円計上する影響も業績予想に反映した。また、3月27日に719万8100株(消却前の発行済み株式総数の1.34%)を消却する。
このほか、ROE(自己資本利益率)を25年度に18%(22年度予想は11%)、30年度に約20%にする挑戦的目標を掲げた中期の経営ロードマップを発表。23~30年度の設備投資は7500億円程度を見込むほか、新たな株主還元方針として、減配を実施せずに増配または配当を維持する累進配当政策を導入する。