注目銘柄ダイジェスト(前場):ダイワ通信、邦チタニウム、ステムリムなど
SMC<6273>:71450円(-1280円)
反落。クレディ・スイス証券では目標株価を73750円から75090円に引き上げているが、投資判断は「アウトパフォーム」から「ニュートラル」に格下げしている。24年3月期は電気代や人件費上昇を受け、サプライヤーからの調達コストが上昇すると想定され、営業利益は前期比0.8%減益を予想。短期的には中国需要回復期待や自社株買いによる株価押上げ要因があるものの、さらなるカタリストには欠ける状態が続くと予想している。
さいか屋<8254>:365円(+27円)
大幅続伸。前日に上半期の業績上方修正を発表している。営業利益は従来予想の32百万円から55百万円に増額、前年同期は130百万円の赤字であった。「大幅改装のための改装売りつくし」を藤沢店全館で開催、売上高が上振れる状況となっている。第1四半期は赤字決算であったため、インパクトは強まる形のようだ。なお、通期では特損の計上なども予定されており、上半期決算時までに公表としている。
ダイワ通信<7116>:2020円(+400円)
ストップ高。回転寿司コンベア機の国内トップシェアメーカーである石野製作所と共同で、回転寿司店における迷惑行為の検知を目的としたAIシステムの開発に着手すると発表している。各座席にAIカメラを設置し、画像認識機能や行動分析機能を用いて迷惑行為を瞬時に検知、管理者へ通知するシステムを想定のもよう。将来的には、回転寿司店のみならず様々な形態の飲食店にも導入できるよう汎用性を持たせていく方針のようだ。
モリテック<5986>:341円(+28円)
急伸。一時は51円高まで上昇。東京都がEV充電器の増設に本腰、2年後に全国で初めて新築マンションへの設置を義務付けるのに先立ち、2023年度は中古マンション向けの補助上限を2倍超に引き上げると報じられている。EV用充電スタンドを手掛けている同社にはメリット享受への期待が再燃する形に。東京都では、30年時点で都内マンションに設置済みのEV充電器を6万基と、21年度末時点の150倍に増やす計画も掲げている。
邦チタニウム<5727>:2382円(+301円)
大幅反発。米国の大手展伸材メーカーと進めていたスポンジチタンの2023年輸出価格交渉が引き上げで決着したと伝わっている。上げ幅はドル建てで前年比20%程度となるもよう。原料となるチタン鉱石価格や製造過程で使う電力コストの急激な上昇を転嫁する。申し入れ価格の上限付近で決着したようで、収益性の改善につながるとの期待が先行。なお、先週には大阪チタの国内値上げ決着報道なども伝わっていた。
アスカネット<2438>:985円(+70円)
急反発。6日大引け後、23年4月期第3四半期決算を発表、累計の営業利益は前年同期比30.8%増の4.8億円に拡大して従来の通期計画4.5億円を超過した。主にフューネラル事業及びフォトブック事業においてセグメント利益が大幅に増加した。同時に、通期の同利益を従来予想の4.5億円から6.4億円に上方修正している。フューネラル事業で主力となる画像処理等収入が好調なことを主要因として、フォトブック事業でもプロフェッショナル写真家向け売上が好調。空中ディスプレイ事業の売上は計画に届かないものの、研究開発費をコントロールできているようだ。これらを好材料視する動きが優勢となっている。
エーアイ<4388>:692円 カ -
買い気配。6日大引け後、ChatGPTとオルツ社の「LHTM-2」を活用したサービス提供の実証実験を開始すると発表した。エーアイで長年蓄積された音声・言語データと「ChatGPT」や「LHTM-2」を組み合わせることで、AI及び各人が聞きたい声によるセリフや文書作成、記事自動生成や多言語への同時自動翻訳など、法人が利用可能なAIサービスを構築開始するようだ。直近の株式市場ではChatGPTの流行を受けてAI関連銘柄への物色が旺盛で、同社株もこの流れに乗り注目が集まっている。
ステムリム<4599>:983円(+82円)
急騰。塩野義薬<4507>へ導出済みの再生誘導医薬開発品、レダセムチド(HMGB11)より創製したペプチド医薬について、現在、弘前大学が実施している変形性膝関節症の患者を対象とした医師主導治験(第2相試験)で主要評価項目を達成し、変形性膝関節症を対象とする投与時の安全性について確認されたと発表した。この件は計画通りの進捗であり、23年7月期業績に与える影響はないとしている。
《ST》