【クラファン】花びらにQRコードをプリント メッセージフラワーサービスのブラン、AR事業強化へ 3月14日募集開始

経済
2023年3月9日 13時02分

花びらにQRコード等をプリントする技術でメッセージフラワービジネスを展開する株式会社ブラン(東京都港区)が、株式投資型クラウドファンディング(普通株式型)による出資を募集します。申し込みは3月14日19時30分開始を予定しています。

・ 普通株式型
・ 目標募集額:999万500円、上限募集額:9990万5000円
・ 事業会社/CVC出資実績あり
・ エンジェル出資実績あり
・ 株主優待あり:株主の名刺やパンフレットに同社のAR技術を登録できる
・ みなし時価総額:13億7443万8325円
・ 類似上場企業:ビリングシステム <3623> [東証G]、アイリッジ <3917> [東証G]、アララ <4015> [東証G]、メディアシーク <4824> [東証G]、ドリコム <3793> [東証G]

※「みなし時価総額」はミンカブ編集部が「発行済み株式数×募集株式の払込金額」により試算

「1:n」で情報が得られるAR技術の強み

ブランは2013年の創業以来、花びら自体にQRコードやARマーカーをプリントする技術を用いて、メッセージフラワービジネスを展開しており、地方自治体や大手企業、全国のプロ野球球団、国交の場などで利用されています。

【タイトル】

(出典:FUNDINNO)

2020年、新型コロナウイルスの影響により事業の再構築を余儀なくされ、メッセージフラワーで用いていたQRコードとAR技術を他のさまざまな分野へ拡大するため、新たに「AR事業」を立ち上げています。

これは、スマホのカメラ機能で画像や文字情報を読み取ると動画が流れたり、指定されたURLに遷移したりすることで、ユーザーは多様な情報を取得することができるというものです。

※AR(Augmented Reality)=目の前の現実を仮想的に拡張する技術

活用方法は街頭広告やスタジアムの看板、チラシなどのほか、選挙ポスターや名刺、災害時の案内板など多岐にわたり、将来的には、さまざまな画像や文字情報にかざすだけで情報が得られる「検索不要な社会」の実現を目指しています。

企業課題のソリューションとして提案することで、サービス開始から注目されているといい、郵便会社の他、大手寿司チェーンや地方自治体、大手空港会社など、フラワー事業と合わせて累計100社以上に導入されているそうです。

【タイトル】

(出典:FUNDINNO)

このAR技術の強みは「1:n」(1対多数)で情報が得られることだといい、従来はQRコード1つにつき特定のURLへの遷移でしたが、QRコードを1つ読み込むことで、それに対応した複数のARマーカー(特定の画像や文字情報)を読み取ることが可能に。これにより、情報を格段に増やせる他、デジタルマーケティング分析もできるそうです。

同社は大手民放テレビ会社と大手エンタメコンテンツ制作会社を2大株主として、2022年には、世界的なIT企業が世界140カ国で展開するスタートアッププログラムにも採択。「今後はまず、国内では大手通信キャリアと郵便局の他、製造業や飲食関連などへアプローチし、toB、toC両面でのビジネスと認知拡大を図る予定です。現在、米国企業からも導入のお話を頂いており、海外へも展開を進めていきます」(同社)


花業界の経営課題から生まれたアイデア

コンサルティング出身の同社代表は数々の企業・事業再生に携わる中で、経営状況が厳しい花屋の存在を知り、花業界の経営課題の一つが生花のロス率だと考え、より長期間、美しく咲き続けるプリザーブドフラワーに着目したといいます。

花びらにメッセージやロゴ、QRコードを貼り付けることで、贈り主からのメッセージを受け取れるようにするサービスを多くの企業へと展開している際、さまざまな企業がヒューマンリソース等の課題を抱えていることに気付いたそうです。

例えば、人材不足に伴う課題を解決する目的の一つに、業務の効率化による軽減があると同社は考えています。飲食店における各メニューの説明や、家具購入後の組立て説明書に対する問い合わせ、家具売り場での販売スタッフが来るまでの待機時間など、人の手が必要な部分にはまだ、改善の余地があるといいます。

また、街中の看板やチラシなどのアナログ広告は不特定多数に発信でき、日常になじむことで大きな効果が期待できる一方、設置場所によりどの程度の効果測定が見込めるかなど、マーケティングとしての検証は難しく、また、インパクト重視のデザインのため、広告掲載できる情報は限られているという課題もあるそうです。

そこで同社は、花の曲面でも正確に情報を検出できる認識レベルの高い技術を活用し、業務改善を提案することで、企業課題の解決に貢献できるのではないかと考えたといいます。

同社は今後、AR技術をさまざまな分野へ横展開していくことに注力したい考えです。AR技術では、ユーザーに試聴してほしい動画などのコンテンツをあらかじめ、特定の文字・画像情報と紐づけておき、その後、ユーザーがスマホカメラでそのARマーカーを読み取ると、動画が視聴できるというものです。

この技術の用途は多岐にわたり、街頭広告やチラシに紐づければ、アナログ広告でも閲覧回数などのマーケティング分析が可能になり、また、離脱率(動画の途中で離脱した人の割合)などのデータも蓄積できるため、企業側へデータをフィードバックし、PDCAをより効果的に実現できるとしています。

【タイトル】

(出典:FUNDINNO)

その他、家具の組立説明書の一部を動画にして補足したり、飲食店のメニュー名をスマホでかざすと、どのような商品かが確認できたり、これまで、問い合わせや電話応対等に対応していた人的工数の削減が期待できるそうです。

【タイトル】

(出典:FUNDINNO)

導入方法は2種類で、1つ目は、あらかじめ同社アプリ「Motion Paper(モーションペイパ)」をダウンロードし、アプリ内でARマーカーを読み取る方法です。ユーザー側は、自身の視聴履歴を確認できたり、導入側はユーザーへ、キャンペーンなどさまざまな情報のお知らせをプッシュ通知で送信できたりすることがメリットだといいます。

2つ目は、アプリのダウンロードが不要な「Web AR」で、あらかじめ発行されたQRコードを読み込むとウェブページに遷移し、そこでARマーカーにスマホをかざすことで動画が視聴できるという仕組みです。アプリのダウンロードに抵抗がある層がターゲットで、手軽に利用できることから、今後、導入事例が拡大していくと見込んでいます。

また、企業独自のミニアプリを開発して導入するカスタマイズも可能で、その場合、AR技術を活用した動画の再生だけでなく、関連施設で買い物をした場合、ユーザーへのポイント付与などさまざまな機能を搭載させ、付加価値を提供できるそうです。

AR事業は地方自治体、郵便会社等で採用実績

同社のAR技術は、メッセージフラワー事業を含め、行政や大手企業など累計100社以上への導入実績があり(2023年2月時点)、今後、新たな業界へ事業を拡大していくにあたり、大きな強みになるとしています。

30カ国以上の大使・大臣・王室へメッセージフラワーが贈呈されており、2023年2月に開催された在タイ王国日本大使館主催「天皇陛下誕生日祝賀レセプション」では装花も担当、また、プロ野球球団や地方自治体など多くの企業に利用されています。

AR事業についてもすでに複数の採用実績があり、地方自治体、郵便会社、大手寿司チェーンなどで同社AR技術を用いたサービスが展開、大手空港会社は、ARアプリをオリジナルに開発・導入しているそうです。

同社は、花びらから情報を読み取る技術について実用新案権を取得しているため、同様のサービスの参入障壁は十分にあると考えており、また、2022年12月には、1つのQRコードで複数の動画を再生する技術特許を同社代表が共同取得しています。

今後、この独自技術を「Web AR」を中心にさまざまな企業や機関に導入していきたい考えで、発注を受けたARは数分以内に登録できるシステムを構築しており、大量受注に対応できる体制も整備されているそうです。

また、同社は複数の大手企業と業務提携している他、大手民放テレビ会社、大手エンタメコンテンツ制作会社が上位株主であるため、エンタメ業界と親和性の高いAR技術は、メディア事業やエンタメ事業のノウハウが豊富な2社との連携で高いシナジー効果も期待できるといいます。

2022年には、世界的なIT企業が展開する世界約140カ国のスタートアップ企業支援プログラムに採択され、IT技術分野における強固なテクニカルサポートを受けられるようになったことで、これら関係企業との業務提携やサポートを武器にしたソリューション提案が、同社の強みだとしています。

AR技術の導入にあたっては、利用料金を月額定額制にしたサブスク型と、再生回数に応じた従量課金制の2つの料金プランを設定しています。

【タイトル】

(出典:FUNDINNO)

動画コンテンツの制作は各企業が行いますが、同社が提携する制作会社を紹介することも可能です。いずれの動画についても、情報との紐づけ作業は確実に同社が担うことで動画の質を担保し、安心して利用できるサービスを実現しているそうです。

今後の成長に向けて

(1)大手通信キャリア・郵便会社へのアプローチを強化

同社は今回の調達資金で、AR技術のさらなる機能拡張を図りたい考えです。AR事業で話が進んでいる案件に関するクラウドサービス向けの開発や、3D表示、ズーム機能、多言語対応等の拡充を検討しています。また、営業人員の採用や広告宣伝を行うことで、事業拡大のスピードアップも狙っています。

これまでは主にtoB向けに導入を進めていますが、今後はtoC向けにもビジネスの構築と認知度向上を目指したい考えです。大手通信キャリアと業務提携し、同社ARアプリをスマホの標準機能として搭載してもらえるようアプローチしていきたいといいます。

toB向けでは、郵便会社へのアプローチを強化し、右肩下がりの年賀状ビジネスの活性化につなげたい考えです。製造業へも提案することで、今後、技術開発が進めば、製造レーンで作業するエンジニアがゴーグル型グラスをかけると、手を離すことなく説明動画が視聴できるようになると見込んでいます。

また、事業拡大に伴う社内体制の整備も必須だといい、直販も維持しつつ、代理店との関係構築や、販売力をさらに強化したい意向です。まずは実績や事例を作っていくことに注力し、toC向けの認知拡大を目指したいといいます。

(2)海外企業への導入計画も進行 AR技術で"新たな当たり前"を

AR技術については、国内でシェアを広めていくとともに、海外への展開も視野に入れ準備を行っています。まずはメッセージフラワーについて米国企業とMOUを締結し、花を贈る文化の高い国へ展開、今年冬をめどに、ロサンゼルス、ニューヨークへと進めていきたい考えです。その後、アジアや欧州への拡大を目指します。

※MOU(Memorandum of Understanding):契約や条約、協定などが正式に締結される前段階の合意文書(了解覚書)

同社はこれまで、受け取った人に「感動とサプライズ」を届けたいという思いでメッセージフラワー事業を展開しており、今後もこの思いはそのままに、AR技術を通して「検索不要な社会」の実現を目指すとしています。

「画像や文字情報にスマホをかざせば、知りたい情報が得られる世界。そんな『新たな当たり前』となる世界のデファクトスタンダードを目指して、弊社は展開を進めていきます」(同社)

(3)将来のEXITはバイアウトを想定

【タイトル】

(出典:FUNDINNO)

(4)2026年に年間ARフラワー販売数(海外向け)3000本を計画

【タイトル】

(出典:FUNDINNO)

株主構成

同社は、以下の事業会社より出資を受けています。

・株式会社アール

・日本テレビ放送網株式会社

類似上場企業(業態やサービス・製品などで類似性の見られる企業)

・ビリングシステム <3623> [東証G]

・アイリッジ <3917> [東証G]

・アララ <4015> [東証G]

・メディアシーク <4824> [東証G]

・ドリコム <3793> [東証G]

株主優待

【基準日】

毎年12月末日

【優待内容】

200株以上保有:株主の名刺やパンフレットに同社のAR技術を登録できる。公序良俗に反しない動画であれば、指定のものへ動画を登録し、AR化する。

【申し込み方法】

基準日経過後、登録の案内をする。同社お問い合わせアドレス「order@87blanc.co.jp」まで「株主優待を利用する」と知らせる。

【注意事項】

・登録後、初年度は2024年3月31日まで体験できる。

・1人1動画、1度限りの優待。

・導入方法は「WebAR」「同社アプリ」のどちらかを選ぶ。

発行者・募集情報

■募集株式の発行者の商号及び住所、資本金等

株式会社ブラン

東京都港区虎ノ門五丁目3番1号

資本金:95,500,000円(2023年2月27日現在)

発行済株式総数:715,812株(同)

発行可能株式総数:1,200,000株

設立日:2013年3月1日

決算日:12月31日

※2023年2月17日を基準日として、20,000,000円の株主割当増資に伴う資本金、発行済株式総数及び発行可能株式総数の変更を実施しており、登記申請中。登記完了後の資本金は105,500,000円、発行済株式総数は729,145株となる。

■募集株式の発行者の代表者

代表取締役 岡田信一

■募集株式の種類及び数(上限)

普通株式 53,000株

■募集株式の払込金額

1株あたり 1,885円

■資金使途

・目標募集額達成時の資金使途内訳

調達額999万円を以下の目的に充てる予定。

開発費 500万円

人件費 279万円

手数料 219万円

・上限募集額達成時の資金使途内訳

上記に追加し、調達額8,991万円(目標募集額999万円と上限募集額9,990万円との差額)を以下の目的に充てる予定。

開発費 3,500万円

人件費 1,700万円

広告宣伝費 1,100万円

旅費交通費 713万円

手数料 1,978万円

■投資金額のコース及び株数

199,810円コース(106株)

399,620円コース(212株)

2,997,150円コース(1,590株)

3,996,200円コース(2,120株)

4,995,250円コース(2,650株)

5,994,300円コース(3,180株)

6,993,350円コース(3,710株)

7,992,400円コース(4,240株)

8,991,450円コース(4,770株)

9,990,500円コース(5,300株)

※特定投資家口座以外からの申し込みの場合、399,620円コース(212株)までしか申し込みできない。特定投資家口座からの申し込みの場合、9,990,500円コース(5,300株)を上限とする。

■申込期間

2023年3月14日~3月23日

■目標募集額

9,990,500円(上限募集額 99,905,000円)

※特定投資家口座全体からの申し込みの上限は79,924,000円とする。

■払込期日

2023年4月17日

■連絡先

株式会社ブラン

電話番号:0120-087-818

メールアドレス:ir@87blanc.co.jp

※本株式投資型クラウドファンディングの詳細については、FUNDINNOの下記ページをご覧ください。

〈ARは「楽しむ」だけから「実用化」へ〉世界大手IT企業も熱視線の"次世代AR技術"を開発。これからは「検索はスマホをかざすだけ」社会へ!

【タイトル】

~こちらの記事も読まれています(※外部リンク)~
 
▼ベンチャー企業へ投資した年に受けられる優遇措置
エンジェル税制とは?
 
▼FUNDINNOの評判・口コミを知りたい
FUNDINNO(ファンディーノ)とは?

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.