ログイン
米国株
2023年3月12日 9時15分
市況

【杉村富生の短期相場観測】 ─逆行高(暴落日の"赤札")銘柄を狙う!

「逆行高(暴落日の“赤札”)銘柄を狙う!」

●米SVBファイナンシャルが7分の1に急落!傘下のシリコンバレーバンクは破綻!

年初以来、外部環境の厳しさとは裏腹に、順調に上値を追ってきた株式市場だが、ここにきてにわかに波乱の様相を強めている。日経平均株価(ザラバベース)は3月9日に、2万8734円の高値まで買われ、昨年11月24日の高値(2万8502円)を奪回した。1月4日の安値(2万5661円)比の上昇幅は3073円、上昇率は12.0%となる。

この背景は主に、外国人の買い越しなど需給の好転だ。ただ、マーケットでは「昨年8月17日の高値2万9222円をクリア、ボックスゾーンを上放れる」との期待が高まっていたようだが、そう簡単にはいかないだろう。3月決算期末に向けて法人売りが出るし、機関投資家のポートフォリオ組み替えに伴う買い、ショート筋の買い戻しは一巡している。

NY市場はいち早く調整局面入りだ。FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長は「データ次第だが、利上げペースを加速する用意がある」と語っている。利上げ打ち止めのタイミングは後ずれしそうだ。3月21~22日のFOMC(連邦公開市場委員会)での利上げ幅は市場予想の0.25%を上回る0.50%の可能性があろう。

3月10日の雇用統計、14日のCPI(消費者物価指数)の数値がポイントになろう。一方、急激な利上げを受け、新興企業、およびシリコンバレーを拠点とする銀行には経営不振に陥る機関が現れている。その代表が新興企業の40%と取引があるSVBファイナンシャル・グループ<SIVB>だろう。

株価は急落している。2021年11月には763ドルの高値があったが、直近安値(3月9日)は100ドルだ。結局、傘下のシリコンバレーバンクは破綻した。こういった事例は今後、増えるだろう。なにしろ、昨年3月に利上げがスタート、すでに8回の利上げが行われている。QT(量的金融引き締め)は月間950億ドル(年間1兆1400億ドル)ペースである。

●総論を語らず、各論勝負が有効!

騰落レシオ(3月9日時点)をみると、日経平均株価が132.98、プライム市場が132.64なのに対し、NYダウは77.80、S&P500指数は75.92と大きな差が生じている。これは金融引き締めの国と超金融緩和の国との違いだろう。逆に考えると、NY市場は底値ゾーン、日本市場は過熱ゾーンとみることができる。

もちろん、日本市場では総論は別として個別物色機運は極めておう盛だ。この傾向は当分の間、続くだろう。すなわち、各論勝負である。ここはセオリー通り逆行高(暴落日の“赤札”)銘柄を攻める戦術が有効だ。まず、 パチンコ・パチスロ業界変革のメリットを享受するゲームカード・ジョイコホールディングス <6249> [東証S]だろう。

2023年3月期は92.2%増収、最終2.9倍増益と予想されている。1株利益は252.8円(前期は93.9円)となる。パチンコ・パチスロ業界は玉、コインがなくなり、カード決済に統一される。ゲームカード・ジョイコホールディングスは社名が示すように、この恩恵をフルに受ける。この活況は年内一杯続くと思う。

リネットジャパングループ <3556> [東証G]はネット型のリユース、PC(パソコン)回収業務を手掛けている。PC、携帯電話のリサイクルによるレアメタル回収は国策である。今夏のG7(先進7ヵ国首脳会談)ではレアメタルの「脱中国」が主要議題になっている。加えて、障がい者就労支援ビジネスも急拡大中だ。

このほか、元気なのはアルファパーチェス <7115> [東証S]、大谷工業 <5939> [東証S]、インフォネット <4444> [東証G]、エーアイ <4388> [東証G]、トミタ電機 <6898> [東証S]など。アルファパーチェスは大企業の物品購買代行を手掛け、取引先企業の急拡大→業績の急成長が期待されている。

2023年3月10日 記

株探ニュース

関連記事・情報

  1. ラピダスが鳴らす復活の鐘、超買い場の「日の丸半導体・特選6銘柄」 <株探.. (03/11)
  2. 利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第1弾 34社選出 <成長株特集> (03/12)
  3. 【植木靖男の相場展望】 ─天井の判断は3月第3週が焦点に (03/11)
  4. 早くも昨年超えの「バガー銘柄」、その特徴は (03/08)
  5. 今週の【話題株ダイジェスト】 エーアイ、東邦金、マツモト (3月6日~10日)
  6. 【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─東京市場の"もう1つの埋蔵金"に着目せよ! (03/12)
  7. 上方修正“先回り”、23年3月期【業績上振れ】候補〔第3弾〕 <成長株特集> (03/09)
  8. 【高配当利回り株】ベスト50 <割安株特集> (3月10日現在)
  9. 来週の相場で注目すべき3つのポイント:米CPI、米小売売上高、ECB定例理事会 (03/11)
  10. 【今週読まれた記事】リオープンの“春”到来! 配当取りにアクセス集中 (03/11)

人気ニュース (直近8時間)

  1. 1
    【明日の好悪材料】を開示情報でチェック! (3月20日発表分) 注目
  2. 2
    まだ間に合う、3月配当【高利回り】ベスト50 「プライム」編 <割安株特集> 特集
  3. 3
    今朝の注目ニュース! ★ダイセキS、レントラクス、東京通信などに注目! New! 注目
  4. 4
    まだ間に合う、3月配当【高利回り】ベスト50 「スタンダード他」編 <割安株特集> 特集
  5. 5
    明日の株式相場に向けて=欧州の金融不安の先に見えるもの 市況
人気ニュースベスト30を見る
ログイン プレミアム会員登録
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.