話題株ピックアップ【夕刊】(2):ユークス、トビラシステ、セルシード
■ゆうちょ銀行 <7182> 1,155円 -42 円 (-3.5%) 本日終値
ゆうちょ銀行<7182>が続落。同社は先月27日に国内と海外で株式売り出しを行うことを発表しており、きょうから売り出し価格決定期間に入っている。このため、警戒感からの売りが先行した様子だ。
■三菱UFJ <8306> 900.3円 -32.4 円 (-3.5%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>などメガバンクに売りが続いている。米SVBの経営破綻を受け、前週末の米国株市場ではゴールドマン・サックス<GS>が4%超に売り込まれるなど金融株への売りが目立つ状況となった。米SVBの総資産は2000億ドル超とされ、今回の経営破綻については2008年のリーマン・ショック以来の規模となる。事業モデルなどから、金融システム全般に連鎖的に影響が広がる可能性は低いとの見方が強いものの、流動性リスクへの懸念がくすぶるなか、警戒感も拭えない。東京市場でも米国事業を展開するメガバンクなどには逆風となっている。
■日経レバ <1570> 14,485円 -285 円 (-1.9%) 本日終値
NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信<1570>が大幅続落。前週末の大幅安に続いてきょうも一時500円を超える下落をみせており、2営業日合計の下げ幅は1000円を超えた。前週末の欧米株市場が米SVB破綻の影響で全面安に売り込まれており、その影響から週明けの東京株式市場もリスクオフの流れに呑まれる形で波乱展開を強いられている。日経平均に連動する仕組みで組成されたETFである日経レバも、個人投資家の短期筋の売り買いでにぎわっている。株式需給面では、ここ最近は買い残が急減する一方、売り残が増加傾向にあり弱気筋が増えていることを暗示している。
■ソフトバンクグループ <9984> 5,254円 -89 円 (-1.7%) 本日終値
ソフトバンクグループ<9984>が続落、前週末に続き下値を模索する展開で5000円大台攻防の様相。米中堅金融のSVB破綻による波紋が国内外で広がっている。前週末の米国株市場では、ハイテクセクターなどをはじめ全面安商状に売り込まれており、東京市場でもこの影響を受けている。SVBはスタートアップへの投資を行っており、ソフトバンクGにも連想売りが波及しやすい。米株市場でのグロース株売りの流れも逆風となっている。一方、英国メディアによると、SVBの英国法人についてはソフトバンク・ビジョン・ファンドが出資する英オークノース銀行も買収協議中との話が報じられており、今後の展開が注目される状況にある。
■アネスト岩田 <6381> 975円 -15 円 (-1.5%) 本日終値
アネスト岩田<6381>は3日続落。前週末10日の取引終了後、23年3月期の連結業績予想について、売上高を480億円から485億円(前期比14.6%増)へ、営業利益を50億円から55億円(同15.1%増)へ、純利益を36億5000万円から41億円(同15.8%増)へ上方修正し、あわせて期末配当予想を16円から20円へ引き上げたものの、全般相場の下落もあって好材料視する動きは限定的のようだ。海外市場を中心に新型スプレーガンや特定市場向け圧縮機の売り上げが好調に推移したことが要因。また、原材料価格の上昇などに対応する日本での売価転嫁の浸透や商品ミックスの変動などが利益を押し上げる。
■ユークス <4334> 1,557円 +300 円 (+23.9%) ストップ高 本日終値
ユークス<4334>は全体下げ相場に逆行してストップ高。同社はゲーム及びパチンコパチスロの受託開発を行うほか、自社ソフト開発も手掛ける。前週末10日取引終了後に発表された23年1月期の営業利益は前の期比36%増の9億4800万円と大幅な伸びを達成、また続く24年1月期の同利益も前期比70%増の16億1500万円と利益成長が加速する見通しにある。オンライン・トレーディングカードゲーム「DCデュアルフォース」のリリースが、収益に大きく貢献する見通し。好業績を背景に株主還元も強化し、前期の年間配当は従来計画の25円から30円に、今期については更に12円増配の42円とする予定で、これも物色人気を助長している。
■日本色材工業研究所 <4920> 1,700円 +300 円 (+21.4%) ストップ高 本日終値
日本色材工業研究所<4920>がストップ高。同社は化粧品のOEMメーカー。政府が新型コロナウイルス対策の基本的対処方針を改定したことに伴い、きょう13日からマスクの着用ルールが緩和された。これに先駆け、株式市場では口紅など化粧品の需要回復に対する期待感が高まり、関連銘柄への注目度が上昇してきた。きょうは全体下げ相場で化粧品関連主力どころの銘柄がツレ安するなか、値動きの軽い関連中小型の日本色材にマスク着用緩和を手掛かりにした物色が向かっている。
■精養軒 <9734> 862円 +150 円 (+21.1%) ストップ高 本日終値
精養軒<9734>が急騰。前週末10日の取引終了後、同社株12万2500株を1株とする株主併合について、4月27日の定時株主総会で諮ると発表した。上場廃止を前提とする。5月19日に予定する上場廃止後、1株未満の端株に関して強制買い取り(スクイーズアウト)を実施。買い取り価格は、株式併合前の1株につき1200円としており、この価格を意識した買いが入ったようだ。非公開後の株主は、福島育英会と三井不動産<8801>、根津育英会武蔵学園及び根津公一氏となる見込み。老朽化する上野本店の大規模リニューアルの具体化に迫られるなか、投資により短期的に利益水準の低下とキャッシュ・フローの悪化が起きるリスクがあり、株価下落による株主への悪影響がある可能性が否定できないと判断し、今回の手続きを決めた。東京証券取引所は10日、同社株を監理銘柄(確認中)に指定した。
■トビラシステムズ <4441> 1,019円 +150 円 (+17.3%) ストップ高 本日終値 東証プライム 上昇率トップ
トビラシステムズ<4441>が急反騰。前週末10日の取引終了後に発表した第1四半期(22年11月~23年1月)単独決算が、売上高4億8700万円(前年同期比24.5%増)、営業利益1億8200万円(同35.3%増)、純利益1億2000万円(同93.5%増)と大幅な増収増益となったことが好感された。主力のモバイル向けフィルタサービスでmineoやUQ mobileなどの格安スマホ向けにサービス提供を開始したほか、固定電話向けでKDDI<9433>のCATV向けサービスのユーザーが順調に増加したことが寄与した。なお、23年10月期通期業績予想は、売上高20億円(前期比18.9%増)、営業利益6億円(同10.9%増)、純利益3億9400万円(同22.3%増)の従来見通しを据え置いている。
■セルシード <7776> 572円 +80 円 (+16.3%) ストップ高 本日終値
セルシード<7776>が地合い悪のなかも我が道を行く展開で7連騰、新値街道に復帰している。東京女子医大発のバイオベンチャーで医療用細胞シートの開発を行っており、食道の機能再生をはじめ再生医療分野などでの活躍が期待されている。昨年12月を境に動意含みとなり、今年1月中旬から上げ足が加速した。同種軟骨細胞シートについて治験届提出に向けて準備を進めている。また、株式需給面では昨年9月発行のワラントの権利行使完了を発表したことで、希薄化懸念の後退も株高を後押しする背景となっている。貸株調達による空売りの買い戻しなどを絡め、時価は2019年12月以来、約3年3カ月ぶりの高値圏に浮上している。
株探ニュース