話題株ピックアップ【夕刊】(3):西華産、T&S、神田通機
■西華産業 <8061> 2,056円 +289 円 (+16.4%) 本日終値 東証プライム 上昇率2位
西華産業<8061>が急反発し昨年来高値を更新。前週末24日の取引終了後、23年3月期の連結業績予想について、営業利益を37億円から45億円(前期比17.7%増)へ、純利益を25億円から49億円(同2.2倍)へ上方修正し、あわせて期末配当予想を35円から55円へ引き上げたことが好感された。売上高は950億円から920億円(同7.8%増)へ下方修正したものの、主に日本ダイヤバルブをはじめとする国内外子会社の業績が好調に推移していることに加えて、営業外収益で持ち分法による投資利益を計上することが要因としている。なお、年間配当予想は90円(前期65円)となる予定だ。
■ティアンドエス <4055> 2,082円 +226 円 (+12.2%) 本日終値
ティアンドエス<4055>が急騰、一時302円高の2158円と値を飛ばし、今年に入ってからの高値を更新、昨年3月末につけた昨年高値2222円の奪回も約1年ぶりに視野に入れている。同社は最先端半導体工場向けのシステム開発及び運用・保守などを主力展開し、AI技術を活用した業務効率化で需要獲得が進んでいる。フラッシュメモリーを製造するキオクシアを主要顧客とするが、日の丸半導体新会社ラピダスの最先端半導体量産を目指した大規模な北海道・千歳工場建設でも商機を捉える可能性がある。AI領域ではマシンラーニング・アルゴリズムを駆使して高精度の画像認識機能開発を支援するほか、論文アルゴリズムの実装や評価も手掛けており、AI関連の有力株としても頭角を現している。
■神田通信機 <1992> 1,630円 +154 円 (+10.4%) 本日終値
神田通信機<1992>が続急伸。前週末24日の取引終了後に自社株買いを実施すると発表したことが好感された。上限を6万株(発行済み株数の2.52%)、または1億円としており、取得期間は4月3日から9月29日まで。株主還元及び資本効率の向上と経営環境に応じた機動的な資本政策遂行のためとしている。
■FRONTEO <2158> 675円 +41 円 (+6.5%) 本日終値
FRONTEO<2158>が商いを急増させ、上げ足を一気に強めてきた。東京市場では人工知能(AI)関連に位置付けられる銘柄群が相次いで人気化しているが、今からわずか1年4カ月前の2021年11月に5300円の最高値をつけた実績のある同社株も、その急騰習性に着目した投資資金の流入が加速している。AIなどを活用したリーガルテック事業に加え、ヘルスケア分野にも横軸展開を図り業容を広げている。23年3月期は業績が大きく落ち込む形となり、株価も大幅な調整を強いられたが、今月3月に580円台まで売り込まれたところで大底を確認しトレンド転換した。もとよりAI分野における材料性は豊富で、来期以降はリストラ効果の発現により業績回復色が期待できる状況にあるだけに、上値を見込んだ買いに厚みが加わっている。
■システムインテグレータ <3826> 463円 +27 円 (+6.2%) 本日終値
システムインテグレータ<3826>が商い伴い急動意。一時10.3%高の481円まで買われる場面があった。この日、提供するアイデア創出プラットフォーム「IDEA GARDEN(アイデアガーデン)」について、米オープンAI社のAI技術「GPT-3.5」を活用した新機能のリリースを発表しており、これが手掛かり材料になったようだ。今回発表した新機能は、チャット形式でAIとアイデアのブレインストーミングが行える「AIブレスト機能(β)」。今後、オープンAI社の「GPT-4」をはじめとするマルチモーダルAI技術を活用し、機能拡充を図っていく計画にある。
■兼松エンジニアリング <6402> 1,300円 +68 円 (+5.5%) 本日終値
兼松エンジニアリング<6402>が大幅高で6日続伸。前週末24日の取引終了後、23年3月期の単独業績予想について、純利益を4億8500万円から7億1500万円(前期比4.7%減)へ上方修正し、あわせて期末一括配当予想を35円から55円(前期55円)へ引き上げたことが好感された。21年8月に稼働を開始した新工場「テクノベース」が、高知県及び高知市からの補助金及び助成金の対象となり、23年3月期第4四半期において補助金及び助成金3億7000万円を特別利益として計上したことが要因としている。なお、売上高110億円(前期比7.3%減)、営業利益6億8500万円(同33.2%減)は従来見通しを据え置いている。
■アステリア <3853> 787円 +33 円 (+4.4%) 本日終値
アステリア<3853>の上げ足鮮烈、マドを開けての大陽線を形成し46円高の800円まで駆け上がり、今年に入ってからの高値を更新した。同社はノーコード技術やAI技術、次世代ブロックチェーン技術などの先端分野で業界を先駆し優位性を発揮している。とりわけAI搭載IoT統合エッジウェア『Gravio(グラヴィオ)』はAI・IoTシステムをノーコードで構築し短期間で開発できるシステムで企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)投資需要を捉え収益に寄与しており、ここにわかに盛り上がりをみせているAI関連株人気に乗る形となった。業績面では23年3月期は投資先評価益が想定に届かず減益を強いられる見通しながら、売上高は2ケタ増収基調を維持する見通し。24年3月期は海外でのデザイン事業拡大や合理化努力の発現で、利益も成長トレンドに回帰するとみられている。
■イマジカG <6879> 598円 +23 円 (+4.0%) 本日終値
IMAGICA GROUP<6879>などVチューバー関連株の一角が買われた。注目されていたVチューバー事務所大手カバー<5253>がこの日、東証グロース市場に新規上場した。寄り付きから大量の買い注文を集めカイ気配でスタートし、公開価格を大きく上回る水準で推移している。カバー上場を受けてVチューバー関連への関心が高まっているようで、関連株に位置づけられる銘柄を物色する動きが強まっている。イマジカGのほか、モイ<5031>、ユークス<4334>、エヌリンクス<6578>など関連中小型株の値動きが目立つ。
■セレスポ <9625> 939円 +30 円 (+3.3%) 本日終値
セレスポ<9625>は大幅反発。前週末24日の取引終了後、23年3月期の期末一括配当予想を23円から50円へ増額修正したことが好感された。普通配当23円に加えて、特別配当27円を実施する。
■リケン <6462> 2,554円 +61 円 (+2.5%) 本日終値
リケン<6462>や日本ピストンリング<6461>、TPR<6463>など、自動車エンジン向けのピストンリングメーカーの株価が堅調に推移している。前週末、欧州連合(EU)が2035年にガソリンなどを使うエンジン車の新車販売を全面的に禁止するとしてきた従来の方針を転換し、環境性能の高い合成燃料を使うエンジン車は容認すると表明したと伝わった。EV(電気自動車)の普及により部品の受注が減少に向かうとの懸念を和らげる形となり、見直し買いが入ったようだ。愛三工業<7283>やフタバ産業<7241>など、内燃機関や排気系部品を手掛けるメーカーの株価もしっかり。
●ストップ高銘柄
元旦ビューティ工業 <5935> 13,190円 +3,000 円 (+29.4%) ストップ高 本日終値
VALUENEX <4422> 1,606円 +300 円 (+23.0%) ストップ高 本日終値
アルメディオ <7859> 456円 +80 円 (+21.3%) ストップ高 本日終値
光・彩 <7878> 6,980円 +1,000 円 (+16.7%) ストップ高 本日終値
ネクストジェン <3842> 767円 +100 円 (+15.0%) ストップ高 本日終値
など、10銘柄
●ストップ安銘柄
EduLab <4427> 447円 -100 円 (-18.3%) ストップ安 本日終値
セルシード <7776> 827円 -150 円 (-15.4%) ストップ安 本日終値
など、2銘柄
株探ニュース