前場に注目すべき3つのポイント~断続的なインデックス売りを警戒しつつ、材料性のある銘柄に短期資金が向かいやすい~
6日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
■株式見通し:断続的なインデックス売りを警戒しつつ、材料性のある銘柄に短期資金が向かいやすい
■ダイセキ、23/2営業利益 1.7%減 127億円、24/2予想 3.0%増 131億円
■前場の注目材料:大塚HD、ナイジェリアで機能性飲料製造、拠点建設に58億円投資
■断続的なインデックス売りを警戒しつつ、材料性のある銘柄に短期資金が向かいやすい
6日の日本株市場は、やや利食い優勢の相場展開が見込まれる。5日の米国市場はNYダウが80ドル高だった一方で、ナスダックは129ポイント安だった。ADP雇用統計やISM非製造業景況指数が予想を下回る内容だったことから、米連邦準備制度理事会(FRB)の追加利上げ観測の後退と同時に、米景気後退懸念が強まり、売りが広がった。また、クリーブランド連銀のメスター総裁が利上げ軌道維持を支持する姿勢を示したことも重荷となった。景気減速に備えたデイフェンシブ銘柄の買いが下支えとなり、NYダウはプラス圏を回復。シカゴ日経225先物清算値は大阪比125円安の27695円。円相場は1ドル131円20銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から売りが先行する格好となろう。日経225先物はナイトセッションで一時27560円まで売られる場面が見られたが、25日線が支持線として機能する格好から下げ渋る展開だった。昨日の日経平均は500円に迫る大幅下落で25日線に接近しており、本日は同線を下回ってくる可能性が高い。累積出来高が積み上がっている27500円辺りを意識した神経質な展開になりそうだ。
ただし、ISM非製造業景況指数などの弱い内容を予想した動きでもあったと考えられ、売り一巡後は底堅さが意識されてくる可能性はあるだろう。25日線を挟んだこう着となれば、ショートカバーの動きも入りそうである。そのため、売り一巡後の底堅さを見極めつつ、短期的なリバウンド狙いのスタンスに向かわせそうだ。VIX指数は19台と20を下回っての推移を見せており、米国においてそれ程リスク回避姿勢は強まっていないとみられる。
物色としては前日のような断続的なインデックス売りを警戒しつつ、材料性のある銘柄に短期資金が向かいやすいだろう。また、需給がそれほど悪化していない直近IPO銘柄での短期的な値幅取り狙いのトレードも意識されやすい。また、週末には欧米市場が祝日となることから商いは膨らみづらいほか、積極的に仕掛けてくる動きは限られるとみられる。昨日は東証プライムの9割超の銘柄が下落していたこともあり、薄商いのなかで大きく売り込まれた銘柄などへは自律反発狙いの動きも意識されそうだ。
■ダイセキ、23/2営業利益 1.7%減 127億円、24/2予想 3.0%増 131億円
ダイセキ<9793>が発表した2023年2月期業績は、売上高が前期比2.9%増の585.72億円、営業利益は同1.7%減の127.11億円だった。ダイセキでは増収増益を確保し、売上・利益共に過去最高を更新した。ダイセキ環境ソリューションが手掛ける土壌汚染処理関連事業は、公共投資は底堅く推移し、民間企業の建設投資は徐々に持ち直しの傾向が見られた。24年2月期業績は、売上高が前期比5.8%増の620億円、営業利益は同3.0%増の131億円を計画。コンセンサス(141億円程度)を若干下回る。
■前場の注目材料
・NYダウは上昇(33482.72、+80.34)
・米長期金利は低下
・米国景気は拡大
・日銀は金融緩和を継続
・コロナ後の人流再開
・大塚HD<4578>ナイジェリアで機能性飲料製造、拠点建設に58億円投資
・住友精化<4008>低濃度CO2回収向け実証設備建設、ガス関連技術活用
・京セラ<6971>長崎に半導体関連部品の新工場、620億円投資
・出光興産<5019>チリのHIFグローバルと合成燃料調達・供給で覚書
・東京海上<8766>アクセルスペースに出資、小型衛星向け保険開発
・ニデック<6594>マシンツール、中国で歯車工作機械生産、工具含め供給一元化
・ミネベアミツミ<6479>子会社エイブリックを通じ、半導体設計会社を買収、商品開発力強化
・東京ガス<9531>ロンドンに拠点、LNGトレーディング機能増強
・クレハ<4023>新中計、生産増強に2000億円投資、成長分野に重点配分
☆前場のイベントスケジュール
<国内>
・特になし
<海外>
・10:30 豪・2月貿易収支(予想:+112.23億豪ドル、1月:+116.88億豪ドル)
・10:45 中・3月財新サービス業PMI(予想:55.0、2月:55.0)
《ST》