【クラファン】自動車業界も注目! 環境にやさしい新素材プラスチックで循環型経済を エフピー化成工業、4月15日募集開始
セルロースファイバーを高割合で配合した「環境にやさしい新素材プラスチック」を開発・製造するエフピー化成工業株式会社(静岡県富士市)が、株式投資型クラウドファンディング(普通株式型)による出資を募集します。申し込みは4月15日10時開始を予定しています。
・ | 普通株式型 |
・ | 目標募集額:2000万円、上限募集額:5000万円 |
・ | 事業会社/CVC出資実績あり |
・ | エンジェル税制あり(優遇措置B) |
・ | 株主優待あり:「グリーンチップ®CMF®」で製造した自社オリジナル商品 |
・ | みなし時価総額:2億8000万円 |
・ | 類似上場企業:クラスターテクノロジー <4240> [東証G]、リファインバースグループ <7375> [東証G]、オムニ・プラス・システム・リミテッド <7699> [東証G]、児玉化学工業 <4222> [東証S]、タカギセイコー <4242> [東証S]、星光PMC <4963> [東証P] |
※「みなし時価総額」はミンカブ編集部が「発行済み株式数×募集株式の払込金額」により試算
製品を通じて、サーキュラーエコノミーの確立を目指す
エフピー化成工業はポリプロピレンやポリエチレン樹脂に、天然素材のセルロースファイバー(ナノスケールからマイクロスケールまで繊維分布を制御された素材の総称)を従来よりも高い51%以上の割合で配合した「グリーンチップ®CMF®」を開発・製造し、「環境にやさしい新素材プラスチック」として提供する企業です。
(出典:FUNDINNO)
植物由来のセルロースナノファイバー(CNF:セルロースファイバーの中でも、1ミクロンの数百分の1以下のナノレベルにまで高度にナノ化したバイオマス素材)は鋼鉄の約5倍の強度でありながら、約5分の1の軽さで(京都大学「セルロースナノファイバーを用いた軽量・高強度材料」)、環境負荷が小さい上に機能性が高い新素材として、自動車や航空機産業などで導入されているといいます。
(出典:FUNDINNO)
また、軽さや強度のほか、高弾性、低熱膨張、透明性などの特長があるため、プラスチックに代わる高性能素材として注目されており、2030年には、世界のセルロースナノファイバーの出荷金額が約258億円規模に成長すると予測されているそうです(矢野経済研究所「2022年版 セルロースナノファイバーの市場の展望と戦略」)。
セルロースファイバーは大手製紙会社も研究・開発していますが、「グリーンチップ®CMF®」は独自の乾式特殊混錬製法により、従来の技術では難しかったセルロースファイバーの高配合が可能になり、環境負荷をより低減できるといいます。
「グリーンチップ®CMF®」はセルロースファイバーを51%以上配合しているため、製品は紙と同様に可燃物として廃棄できるほか、特殊技術により、生産量は5倍以上、製造コストは10分の1以下と、製造面においても優位性があるそうです(同社調査)。
同社は製品や製造方法などのコア技術に関する特許を複数取得しており、現在取り組んでいる「グリーンチップ®CMF®」の製造技術は巴川製紙所 <3878> [東証S]との共同開発によるもので、共同で特許を出願しています。
また、工場のある静岡県富士市から「富士市CNFブランド」として認定され、地元銀行からの支援も受けており、今後、「グリーンチップ®CMF®」のブランド確立、販売促進などを展開していく計画です。
同社はセルロースの繊維分布を徹底的に研究し、それぞれの製品に合った機能を発揮できるよう調整することができるため、これまでにさまざまな業界で採用されており、大阪の有名テーマパークや2023年にオープンした美術館などに、自社開発したデッキ材が採用されているといいます。
現在は、自動車のTier1サプライヤー(メーカーに直接納入する1次サプライヤー)からの依頼を受けて、車載部品の成形テストを実施している段階で、さらに企業向けの精密機器製品への導入も検討が進んでいるそうです。
さらに、スマホや家電のほか文具や容器などの日用雑貨に対する引き合いもあるといい、3~5年後にはさまざまな用途・場面に「グリーンチップ®CMF®」が使用されると考えています。日用品雑貨については商品化が進み、環境配慮型の食器・カトラリー製品の製造・販売が開始されており、今後、急激に採用が進んでいくと見込んでいます。
「環境にやさしい新素材として『グリーンチップ®CMF®』が市場に普及すれば、環境に配慮した持続可能な社会を実現できると考えています。今後、製品品質のさらなる向上やこれまで量産が難しいといわれてきたセルロースファイバー製品の増産に向けた設備投資を行い、多様な産業界の需要に応えるとともに、サーキュラーエコノミー(循環型経済)の確立を目指してまいります」(同社)
プラスチックの使用中止は現実的でない
廃棄された海洋プラスチックによる環境汚染や化石燃料の消費による地球温暖化などの問題に対して、世界的に「脱プラスチック」が掲げられているものの、生活の利便性を考えると、プラスチックの使用を完全にやめることは現実的でなく、むしろ、プラスチックを使用することで生じる環境負荷を低減する=「環境にやさしいプラスチック」を普及させることが重要だと同社は考えています。
「グリーンチップ®CMF®」は植物由来のセルロースファイバーを複合した素材である上、リサイクル性にも優れているため、環境負荷の低減を実現できるほか、再利用を繰り返しても性能が低下しにくいため、サーキュラーエコノミーの実現にも大きく貢献できるそうです。
(出典:FUNDINNO)
「弊社代表は約30年間、紙関連製造会社に勤務し、環境に配慮した素材を作ることの難しさと重要性を痛感してきました。だからこそ、バイオマス素材である『グリーンチップ®CMF®』を世の中に浸透させて社会実装することで、次世代に貴重な資源を残すサーキュラーエコノミーの確立を目指しています」(同社)
高いセルロースファイバー配合比率と成形性が強み
これまで、セルロースナノファイバーのような天然由来の素材を加えるには、処理・攪拌(かくはん)にコストがかかり、高分散や高配合は難しいだけでなく、成形性が悪いため、わずかな量しかプラスチックに配合できないと考えられてきたといいます。
しかし、「グリーンチップ®CMF®」は巴川製紙所との協業における独自の乾式特殊混錬製法により、セルロースファイバーの配合比率を51%以上に高めると同時に、高分散や高流動による高い成形性を可能にしたそうです。
(出典:FUNDINNO)
これにより、紙製品と同様、可燃物として廃棄可能で、製造コストも従来のセルロース配合樹脂の10分の1以下に抑えられているといいます。
また、「グリーンチップ®CMF®」は引っ張り・曲げ強度、曲げ弾性率、耐熱性(荷重たわみ温度)などの値がポリプロピレン樹脂100%の素材より向上しているほか、リサイクル時の性能劣化についても、ガラス繊維入りポリプロピレン樹脂よりも優位な結果が得られたそうです(同社調査)。
製造ラインでは、製品に合わせて配合率を調整し、加工することで、ペレットという粒状の合成樹脂を作成し、プラスチックの加工・成形処理を行い、最終的に製品化しています。安全性については、食品衛生法に基づく分析試験の結果、すべてにおいて適合であると認められているそうです。
現在、東海地方を中心に19店舗を展開するアウトドアショップ「SWEN」から、「グリーンチップ®CMF®」を使用した環境配慮型のマグカップやお箸が販売され、好評を得ているほか、製品の風合いや着色性の良さも評価され、日用品メーカーや商社数十社から、製品化に関する相談を受け、試作品の開発などを進めているといいます。
また、機能やコスト面だけでなく、環境負荷の低減を可能にしているのも「グリーンチップ®CMF®」の特徴だといいます。
従来製品よりもセルロースファイバー配合率を高めることで、廃棄した際のCO2排出量を抑制し、配合比率最大55%の状態では、セルロースを使用しない従来のポリプロプレン樹脂製品よりもCO2排出量を約18%削減できたそうです(同社調査)。
特に高い強度と軽量性で自動車業界からの注目度が高いといい、自動車のTier1サプライヤーからの依頼を受けて車載部品の成形テストを進めており、車体が軽量化することで燃費が向上し、CO2削減が期待されるとしています。
また、電気自動車の増加に伴い、絶縁性の高いプラスチック製品の需要が多くなると予想される中、「グリーンチップ®CMF®」の需要もさらに高まると考えています。
「『グリーンチップ®CMF®』はセルロースファイバーの繊維分布を徹底的に研究し、繊維の分散性に優れています。これにより、従来の成形設備で成形することが可能です。その特性により、成形サイクルの短縮も期待でき、さらなるCO2の削減を期待しています」(同社)
ペレット製造300トン/月超を実現、自動車へ実装
同社は既存のプラスチック成形・加工事業において、すでにデッキ材などを販売しているほか、現在はtoB向けに「グリーンチップ®CMF®」の原材料としての販売と、toC向けにコラボ製品の販売などを行っています。
「グリーンチップ®CMF®」は巴川製紙所や大手製作所などから、月数千キロ~数トンの定期的な受注を見込んでおり、価格面では、現在、市場で検討されているセルロースファイバー製品よりも安価で優位性があるそうです。
toC向けには、日用品や雑貨小売店などとコラボして商品開発・販売を行っており、今後は、材料メーカーとしての強みを生かし、「グリーンチップ®CMF®」の今までにない独特な風合いをデザインした自社オリジナルブランドの製品も販売予定です。
同社は基礎技術となる特殊な混錬技術や製造方法における特許を取得しており、従来の工程を大幅にカットすることでコスト削減を実現しているほか、巴川製紙所との協業により、技術開発を行っている点が優位性であると考えています。
(出典:FUNDINNO)
ペレットの製造量は他社の追随を許さないといい、今回の資金調達によって専用設計による設備投資を行い、生産体制をより強固にすることで、300トン/月以上の生産量を実現、自動車のように大量のロット利用が見込まれる用途にも対応できると見ています。
同社によると、自動車への実装はさまざまな工程を踏んで製品化・実用化されるため、5~6年かかるといい、まずは身近な日用品の商品化に着手していきたい考えです。
アウトドアショップ「SWEN」のマグカップのほか、スマホや家電、文具や容器などの日用雑貨メーカーや商社数十社から問い合わせがあるといい、直近では、自然・環境をコンセプトに全国展開している小売店とも商談を進めています。
自動車メーカーの依頼で車載部品の成形テストを進めているほか、大きなマーケットが見込めるのは建材だといい、「グリーンチップ®CMF®」の熱特性の高さを生かして、床材への応用に向けた研究が進んでいるそうです。
(出典:FUNDINNO)
今後の成長に向けて
(1)自動車、精密機器、家電…製品力のさらなる強化へ
同社は今後、「グリーンチップ®CMF®」の用途拡大に向けて、製品の高グレード化を進めていきたい考えで、その一つが「難燃性」(燃えにくい性質)の強化だといいます。
「グリーンチップ®CMF®」はセルロースファイバー配合率40%の状態であれば、プラスチック製品などの難燃性を表す規格「UL94のV-0」をクリアしていますが、今後、配合率51%以上でもクリアできるように製品を強化していくそうです。
なお、精密機器装置や家電機器など、グローバルに展開される輸出製品など安全性を重視する分野に採用されるには、より高い水準が求められる可能性があるといいます。
また、生分解性が求められる製品に向けた開発も進めており、すでに、生分解性樹脂であるポリ乳酸(PLA)にもセルロースファイバーを約55%配合できているそうです。
「セルロースファイバーを高配合にした製品の開発とあわせて、今後は難燃グレードや生分解性のあるセルロースファイバー入りバイオプラスチックのラインナップも増やす予定です」(同社)
(2)地球規模の環境負荷低減へ、海外展開も視野に
世界規模で環境負荷低減に貢献するには、海外における販路拡大・マーケティングも行っていく必要があるといい、当面は同社と巴川製紙所の生産体制強化によってニーズに応えつつ、将来的には海外生産も視野に入れているそうです。
その際、製造方法や生産設備などのノウハウを提供することで、巴川製紙所とともに現地の生産委託先の開拓なども行っていくといいます。
「弊社は今後も、日常生活におけるプラスチックの利便性を損なうことなく、環境に配慮した製品や技術の開発、普及に努めてまいります」(同社)
(3)将来的なEXITはIPOを想定
(出典:FUNDINNO)
(4)2030年に4000トン以上のグリーンチップ®CMF®製造を計画
(出典:FUNDINNO)
類似上場企業(業態やサービス・製品などで類似性の見られる企業)
・クラスターテクノロジー <4240> [東証G]
・リファインバースグループ <7375> [東証G]
・オムニ・プラス・システム・リミテッド <7699> [東証G]
・児玉化学工業 <4222> [東証S]
・タカギセイコー <4242> [東証S]
・星光PMC <4963> [東証P]
株主優待
【基準日】
毎年5月末日
【優待内容】
「グリーンチップ®CMF®」で製造した自社オリジナル商品を提供
・1~20株保有:オリジナルお箸
・21~40株保有:オリジナルお箸+スプーン
・41株以上保有:オリジナルお箸+スプーン(いずれかに名前入れが可能)
【申し込み方法】
基準日経過後、予約・注文可能な旨を案内する。その際、同社問い合わせアドレスまで、株主優待を利用する」と知らせる。
【注意事項】
※1人、1年に1回限りの優待
※優待内容は変更の可能性あり
※発送時期はIRで告知
発行者・募集情報
■募集株式の発行者の商号及び住所、資本金等
エフピー化成工業株式会社
静岡県富士市大野86番地の1
資本金:7,000,000円(2023年3月27日現在)
発行済株式総数:700株(同)
発行可能株式総数:10,000株
設立日:2016年8月31日
決算日:3月31日
※2023年4月4日を効力発生日として、1株を40株とする株式分割に伴う発行済株式総数、発行可能株式総数の変更を実施しており、登記申請中。登記完了後の発行済株式総数は28,000株、発行可能株式総数は100,000株となる。
■募集株式の発行者の代表者
代表取締役 赤澤英郎
■募集株式の種類及び数(上限)
普通株式 5,000株
■募集株式の払込金額
1株あたり 10,000円
■資金使途
・目標募集額達成時の資金使途内訳
調達額2,000万円を以下の目的に充てる予定。
原材料調達・材料仕入額 1,160万円
新規工場作業員人件費 400万円
手数料 440万円
・上限募集額達成時の資金使途内訳
上記に追加し、調達額3,000万円(目標募集額2,000万円と上限募集額5,000万円との差額)を以下の目的に充てる予定。
原材料調達・材料仕入額 2,340万円
手数料 660万円
■投資金額のコース及び株数
100,000円コース(10株)
200,000円コース(20株)
300,000円コース(30株)
400,000円コース(40株)
500,000円コース(50株)
1,000,000円コース(100株)
2,000,000円コース(200株)
3,000,000円コース(300株)
4,000,000円コース(400株)
5,000,000円コース(500株)
※特定投資家口座以外からの申し込みの場合、500,000円コース(50株)までしか申し込みできない。特定投資家口座からの申し込みの場合、5,000,000円コース(500株)を上限とする。
■申込期間
2023年4月15日~5月8日
■目標募集額
20,000,000円(上限募集額 50,000,000円)
※特定投資家口座全体からの申し込みの上限は40,000,000円とする。
■払込期日
2023年5月31日
■連絡先
エフピー化成工業株式会社
電話番号:0540-30-9900
メールアドレス:ir.info@fp-chem.co.jp
※本株式投資型クラウドファンディングの詳細については、FUNDINNOの下記ページをご覧ください。
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