話題株ピックアップ【夕刊】(2):ニデック、塩野義、三菱UFJ

注目
2023年4月25日 15時15分

■ニデック <6594>  6,685円  +61 円 (+0.9%)  本日終値

ニデック<6594>が高い。24日の取引終了後、23年3月期の連結決算発表にあわせ、24年3月期の業績予想を開示した。今期の売上高は前期比1.9%減の2兆2000億円と減収を見込む半面、最終利益は同3.7倍の1650億円と大幅増益を計画しており、評価されたようだ。年間配当は前期と横ばいの70円を予定する。IT機器や家電関連で、最終製品需要の回復の遅れが懸念されるほか、中国では補助金終了に伴う電気自動車(EV)市場の成長率の低下を想定。一方で、抜本的な収益構造改革や大幅な固定費の削減などを通じ、業績のV字回復を目指すという。想定為替レートは1ドル=120円、1ユーロ=130円に設定した。23年3月期の連結決算は、売上高が前の期比16.9%増の2兆2428億2400万円、最終利益が同66.9%減の450億300万円だった。車載製品や工作機械事業への参入による機器装置での増収が売上高の増加に寄与した。半面、市場環境の悪化を背景に、構造改革費用約757億円を計上した。

■塩野義製薬 <4507>  6,080円  +20 円 (+0.3%)  本日終値

塩野義製薬<4507>は堅調。24日の取引終了後、23年3月期配当予想の増額修正を発表しており、これが株価を下支えしているようだ。期末配当を60円から75円に引き上げた。これにより、年間配当は135円(前の期115円)となる見通し。

■三菱UFJ <8306>  859.1円  +2.1 円 (+0.3%)  本日終値

三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>などメガバンクは強弱観対立もやや買いが先行。相次ぐ米銀破綻による金融不安は収まったかに見えたが、前日は米地銀のファーストリパブリック<FRC>の1~3月期決算発表で、3月末時点の同社の預金残高が昨年末比40%も減少していることが判明し、人員を大幅削減する計画にあることも分かった。これを受け、同社株は時間外取引で急落するなど、波乱含みの動きとなっている。東京市場でも米国事業を展開する大手金融株には買い手控えムードが強い。一方、下値では空売り筋の買い戻しの動きなどが株価を下支えする形となり、売り買いが交錯している。

■PAコンサル <4071>  2,908円  +6 円 (+0.2%)  本日終値

プラスアルファ・コンサルティング<4071>が4日ぶりに反発。この日の寄り前、タレントマネジメントシステム「Talent Palette(タレントパレット)」がアルフレッサ ホールディングス<2784>に採用されたと発表しており、好材料視された。アルフレッサによると、グループ全体の人財戦略の推進を図るのが狙いで、業務効率化に優れたシステムであるだけでなく、分析機能が充実していることが採用の決め手になったという。

■不二家 <2211>  2,457円  -33 円 (-1.3%)  本日終値

不二家<2211>は反落。24日の取引終了後に1~3月期(第1四半期)決算を発表し、営業利益は前年同期比28.5%減の9億5300万円だった。通期で増益を見込んでいるだけに、第1四半期時点での減益が嫌気されているようだ。前期から続く原材料価格などの高騰に加え、卵価格の急騰が響いた。売上高は同4.8%増の257億1500万円と堅調だった。なお、通期見通しは据え置いている。

■アイ・ピー・エス <4335>  844円  +101 円 (+13.6%) 一時ストップ高   本日終値

アイ・ピー・エス<4335>が急騰。同社は24日取引終了後、23年6月期通期の連結業績予想修正を発表。営業利益の見通しを従来の2億5000万円から3億円(前期比24.5%増)に引き上げたことが好感されたようだ。売上高予想も25億円から28億円(同2.6%増)に上方修正。営業体制の強化によって新規案件を着実に受注していることに加え、プロジェクト体制の強化や品質管理体制の効果で納品が予定通りに進み、不採算案件も少ないことが主な要因だとしている。また、期末一括配当を従来計画比10円増額の30円(前期実績は20円)にすることもあわせて発表している。

■サイフューズ <4892>  1,330円  +153 円 (+13.0%)  本日終値

サイフューズ<4892>が急騰。24日の取引終了後、手指の末梢神経損傷患者に対する医師主導治験を実施し、同社の臨床用バイオ3Dプリンターを用いて製造した三次元神経導管を移植した全ての患者において、安全性及び有効性が確認できたと発表したことが好感された。同治験は、京都大学医学部附属病院先端医療研究開発機構(iACT)、細胞療法センター(CCMT)とともに実施した。同社では今回の結果を医薬品医療機器総合機構に報告し、今後同社主導のもとで、再生医療等製品としての実用化に向けて開発を進めるとしている。

■関門海 <3372>  275円  +22 円 (+8.7%)  本日終値

関門海<3372>が動兆しきりの展開となっている。4月20日にマドを開けて上放れ、その後は上ヒゲを形成しながらも継続的な買いが流入して売り物をこなしている。低価格を売り物とするフグ料理「玄品」をチェーン展開するが、訪日外客数が急増傾向にあるなか、外国人のフグ料理に対するニーズが旺盛でインバウンド消費の恩恵を受けている。22年3月期までの業績低迷は既に株価に織り込まれており、23年3月期以降は営業黒字定着が見込まれている。時価は200円台と低位に位置することもあって、個人投資家の短期指向の買いが誘導されやすい。

■GMB <7214>  1,285円  +85 円 (+7.1%)  本日終値

GMB<7214>は鮮烈な上値追いが続いている。きょうは前週末21日につけた年初来高値1230円を更新、新値街道に復帰した。駆動系部品を強みとする自動車部品メーカーで、株価は3月末に上放れて以降大口の資金が流入、出来高増勢のなか強力な上昇トレンドを形成している。韓国の現代自動車を主要顧客としており、ここ人気化傾向が目立つ“韓国関連株”の一角に位置付けられる。最大の注目ポイントは一株純資産が前期実績ベースで4000円強と高水準で、PBRに換算して0.3倍前後と超割安圏に位置していることだ。東証がPBR1倍を大きく下回る企業に対し改善要請を出していることを受け、同社は増配や自社株買いなど株主還元強化の可能性が意識されるとともに、大幅な株価水準訂正余地を示唆している。

■コスモスイニシア <8844>  575円  +36 円 (+6.7%)  本日終値

コスモスイニシア<8844>が大幅続伸、500円台後半へ一気に株価水準を切り上げてきた。同社は首都圏を軸にマンション開発・販売を手掛けるほか、外国人観光客の長期滞在向けアパートメントホテルなども展開し、インバウンド関連株の一角としても注目されている。24日取引終了後、23年3月期業績予想の修正を発表、営業利益は従来計画の35億円から49億円(前の期比46%増)に大幅増額した。宿泊事業が水際対策の緩和や旅行需要の喚起策推進などの効果で、稼働率及び客室単価が上昇し収益を押し上げている。好業績を背景に株主還元も強化し、年間配当も従来計画の9円から14円に上乗せしている。これらを好感する買いが集中した。

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