本日の注目個別銘柄:大阪ソーダ、遠藤照明、シマノなど
<4046> 大阪ソーダ 4295 -455
急落。水島工場の製造設備不具合に伴い一部製品の生産を停止していると発表。メンテナンス実施後に、アリルクロライド製造設備の主要機器に不具合が確認されたもよう。原因究明を進めているが、稼働再開には時間を要することが見込まれるとしている。24年3月期の業績に対する影響を警戒する流れが強まっている。なお、製造設備不具合発生を受けて、5月に予定していた新中期計画の公表を延期するとも発表。
<8060> キヤノンMJ 3280 +120
大幅反発。前日に第1四半期の決算を発表、営業利益は153億円で前年同期比3.3%増となっている。会社側通期計画500億円、前期比0.1%増との比較で大きなサプライズはないものの、減益スタートの見方もあったため、安心感が先行する形になっているようだ。ITソリューションの売上が順調に拡大しているほか、供給制約解消でキヤノン製品の販売も回復しているもよう。
<6999> KOA 1619 -111
大幅続落。前日に23年3月期決算を発表、営業益は102億円で前期比78.7%増となり、従来計画の98億円をやや上回った。一方、24年3月期は67億円で同34.5%の大幅減を見込む。減益ガイダンスなどは想定されていたものの、減益幅は想定以上に大きいとの見方が優勢。自動車業界の生産制約の継続や顧客の在庫調整など受注動向に対しては慎重な見方が必要としているほか、エネルギー・原材料価格も懸念材料に。
<2270> 雪印メグ 1918 +96
大幅続伸。前日に23年3月期の業績上方修正を発表している。営業利益は従来予想の110億円から130億円、前期比28.0%減に引き上げ。1-3月期の売上高が想定よりも増加したほか、原材料およびエネルギー価格の上昇幅も想定を下回ったようだ。第3四半期決算発表時には、従来予想の140億円から110億円に下方修正していた経緯があり、事業環境の底打ちが意識される状況に。
<2201> 森永菓 4005 +165
大幅続伸。野村證券では投資判断を「ニュートラル」から「バイ」に、目標株価も4300円から5100円に引き上げた。広告投資の成果、消費者ニーズを捉えた商品展開などを背景に、足元で主力ブランドの増収率は競合を上回っており、24年3月期以降の利益回復力も競合比で力強くなるとみている。また、外部出身者の高木CFOの下で株主還元の強化も期待され、ROEも25年3月期には10%に上昇すると予想している。
<1802> 大林組 1104 +55
大幅続伸。英シルチェスターが同社に対して、1株12円の特別配当を株主提案したと発表。PBR水準の低さなどを問題視しているもよう。現在シルチェスターは約4%の株式を保有しているほか、大成建設や清水建設、戸田建設などの株式も大量保有している。ゼネコン各社には同様の思惑も働き、本日は買い先行となっているものが目立つ。なお、戸田建設もフランスのロンシャンから自社株買いを求める株主提案を受けている。
<8218> コメリ 3150 +186
大幅続伸。前日に23年3月期決算を発表。営業利益は261億円で前期比6.4%減となり、第3四半期決算時に下方修正した水準での着地となった。一方、24年3月期は270億円で同3.6%増と増益に転じる見込みで、年間配当金も前期比2円増配の52円を計画している。業績回復見通しに安心感のほか、発行済み株式数の1.83%に当たる90万株、27億円を上限とする自社株買いを発表したこともポジティブ視。
<8182> いなげや 1607 +300
ストップ高比例配分。イオンの連結子会社としてイオングループに参画するとともに、U.S.M.Hと経営統合を目指すことを発表している。24年11月の経営統合実現を目指し、それに先立って、イオンが同社株の51%相当を取得するもよう。子会社化に向けては、イオンによるTOB実施も想定されることで、TOBプレミアムへの期待が先行する形とみられる。
<6932> 遠藤照明 1049 +74
大幅反発。前日に23年3月期の業績上方修正を発表している。営業利益は従来予想の25億円から30億円、前期比21.6%減に引き上げ。電気料金の高騰及びサステナビリティに関する社会的要請の高まりから、無線コントロール照明システム「Smart LEDZ Fit/Fit Plus」が順調に販売を伸ばしたもようだ。1-3月期は減益率が1ケタ台にまで低下する形となるようだ。
<7309> シマノ 20000 -2635
急落。前日に第1四半期決算を発表、営業利益は280億円で前期比26.4%減となり、350億円程度の市場予想を大きく下振れた。自転車部品の落ち込みが想定以上になっている。つれて、23年12月期は従来の1050億円から830億円にまで下方修正。コンセンサスは従来会社計画を上回る水準であった。70万株を上限とする自己株式の取得実施を発表しているが、下振れ幅大きく下支えにはなっていない。
《ST》