NY株式:米国株式市場は続落、地銀リスク見直しで金融不安再燃
ダウ平均は367.17ドル安の33,684.53ドル、ナスダックは132.09ポイント安の12,080.51で取引を終了した。
地銀ファースト・リパブリック(FRC)の破綻後、地銀のリスクを見直す動きから金融不安が再燃し、寄り付き後、下落。同業パックウエスト(PACW)などの株価が急落し、再三にわたり取引が停止される荒い動きを受け、金融セクターの警戒感が一段と強まり相場全体を押し下げた。さらに、3月JOLTS求人件数が予想以上に減少、解雇者が増えたことが明らかになると景気後退懸念も売り材料となり下げ幅を拡大。終盤にかけて下げ止まったものの、連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表を目前に控えるなか戻りも鈍く、主要株価指数は続落で終了した。セクター別では小売りが小幅上昇した一方で、エネルギーや銀行が下落した。
配車サービスのウーバー・テクノロジー(UBER)は第1四半期決算で前年比29%増益を発表、予想を上振れたほか、最高経営責任者(CEO)の楽観的な見通しを好感して上昇。コンピューターメーカーのデル・テクノロジーズ(CELL)はPC需要の回復見通しを背景としてアナリストが同社の投資判断を引上げたため買われた。
一方、地銀のパックウエスト(PACW)やコメリカ(CMA)、ウエスタン・アライアンス(WAL)などは、同業のファースト・リパブリックの破綻を受け、その安定性に懐疑的見方が広がり軒並み売られた。教育サービス会社のチェグ(CHGG)は第1四半期決算の内容は予想を上回ったが、人工知能のチャットGPTの影響で、有料会員が減少し業績に損傷を与えると警告し下落。著名投資家のカール・アイカーン氏が運営するアイカーン・エンタープライゼズ(IEP)は空売り投資会社、ヒンデンブルグ・リサーチが、資産評価を膨張していると同社の空売りを推奨したため、急落した。
コーヒーチェーンのスターバックス(SBUX)は取引終了後に決算を発表。中国の売り上げ回復で調整後の1株利益が予想を上回ったものの。時間外取引で下落している。
(Horiko Capital Management LLC)
《YN》