NY株式:米国株式市場は続落、年内の利下げ期待後退
ダウ平均は270.29ドル安の33,414.24ドル、ナスダックは55.18ポイント安の12,025.33で取引を終了した。
連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控え調整色が強まり、まちまちで寄り付いた。その後、連邦準備制度理事会(FRB)がFOMCで市場の予想通り0.25ポイントの利上げを決定。声明では前回合まで記載していた追加利上げの可能性を示唆する文言を削除したため利上げ停止の観測が強まり、一時上昇した。しかし、パウエル議長が会見でFRBの見通しに基づくと利下げは想定されないとすると利下げ期待が後退し、売りに転じた。終盤にかけて、6月の利上げ確率が上昇すると下げ幅を拡大した。セクター別では商業・専門サービスが上昇した一方で、エネルギー、消費者サービスが下落した。
製薬会社のイーライリリー(LLY)は開発中のアルツハィマー治療薬の最終治験で症状の進行を遅延させることが証明され、食品医薬局(FDA)への承認申請の可能性を期待した買いで大幅高。消費財メーカーのクロロックス(CLX)は四半期決算で調整後の1株利益が市場予想を上回り上昇した。
一方、半導体メーカーのアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)は第1四半期決算で、PC需要が弱く9%減益を発表、第2四半期の売上見通しも予想を下回り、売られた。総合ヘルスケアのCVSヘルス(CVS)はシグニファィヘルスやオークストリートヘルス買収コストがかさみ、23年の見通しを引き下げたため下落。化粧品メーカーのエスティ―ローダー(EL)は中国の売り上げ回復にもかかわらず、売り上げ見通しを引き下げたことで大幅安となった。レストランを運営するヤムブランズ(YUM)は第1四半期の調整後1株利益が予想を下回り下落。
不動産サイト運営のジロー(Z)は取引終了後に第1四半期決算を発表。1株利益が予想を上回り、時間外取引で上昇している。
(Horiko Capital Management LLC)
《YN》