話題株ピックアップ【夕刊】(2):JT、HOYA、任天堂

注目
2023年5月8日 15時16分

■JT <2914>  2,979.5円  +45.5 円 (+1.6%)  本日終値

JT<2914>が全般軟調相場に逆行して上値指向を強め、一時3000円大台に乗せるとともに年初来高値を更新した。同社株の3000円台復帰は2018年10月以来約4年半ぶりとなる。前営業日の2日取引終了後に発表した23年1~3月期決算は、最終利益が前年同期比17%増の1446億8400万円と2ケタ伸長を達成した。同社は海外売上高比率が7割超と高いが、外国為替市場での円安が追い風となったほか、ロシアや英国などでのタバコの製品価格引き上げによる効果が収益押し上げ要因として発現した。

■ジーエヌアイグループ <2160>  1,031円  +15 円 (+1.5%)  本日終値

ジーエヌアイグループ<2160>がしっかり。この日、持ち分法適用会社で米ナスダック市場に上場するCatalyst Biosciences(CBIO)について、米証券取引監視委員会(SEC)に提出した文書の日本語訳を開示した。CBIOが予定する経営統合取引及び株式併合の完了により、ナスダックの新規上場要件を満たし、上場廃止を停止する根拠を提供できるとしている。ジーエヌアイ側はCBIOの上場維持に全面的に協力する方針を示しており、これを手掛かり視した買いを集めたようだ。

■マクドナルド <2702>  5,810円  +80 円 (+1.4%)  本日終値

日本マクドナルドホールディングス<2702>が5日続伸し、新値追いとなった。同社は前営業日の2日取引終了後、4月度の月次動向を公表。既存店売上高は前年同月比9.1%増となり、3月度の伸び率(6.4%増)から拡大していることが好感されたようだ。既存店の客数は同0.8%減にとどまったが、客単価が同10.0%増となったことが寄与した。なお、全店ベースの売上高は同10.4%増だった。

■三谷セキサン <5273>  5,040円  +65 円 (+1.3%)  本日終値

三谷セキサン<5273>は大幅高で4日続伸。前営業日の2日の取引終了後、23年3月期の連結業績に関し、最終利益がこれまでの予想の60億5000万円から79億円(前の期比48.4%増)に上振れて着地したようだと発表した。加えて、22円50銭としていた前期の期末配当予想を23円増額し、45円50銭(前の期末比23円増配)に見直した。これらを好感した買いが集まったようだ。前期の売上高は840億円から860億円(前の期比11.2%増)に上振れて着地した見込み。半導体工場などの大型物件の特需により主力のパイル部門で販売量が増加した。ホテル事業における稼働率・客単価の改善や、IT関連事業での収益性の高いソフト関連の売り上げの増加も寄与する。前期の年間配当予想は前の期比28円増配の72円となる。

■HOYA <7741>  15,065円  +155 円 (+1.0%)  本日終値

HOYA<7741>が朝安後切り返した。この日発表した23年3月期の連結決算は、売上収益が前の期比9.4%増の7235億8200万円、税引き前利益は同2.4%増の2158億3200万円だった。いずれも会社側の予想を上回って着地し、税引き前利益は減益予想から一転して増益となった。堅調な業況を評価した買いを集めたようだ。ハードディスク用ガラスサブストレートの販売は急減速した半面、ライフケア事業は堅調に推移した。半導体用マスクブランクスは23年1~3月期以降、顧客の在庫調整の影響を受けたものの、年度を通じてEUV(極端紫外線)向けを含む先端品での研究開発や量産開始のための需要を取り込み、大幅な増収となったという。今期の業績予想は開示していない。更に同社は自己株式を除く消却前の発行済み株式総数の0.81%に相当する287万2000株を、5月17日に消却することも発表した。

■任天堂 <7974>  5,739円  +46 円 (+0.8%)  本日終値

任天堂<7974>は堅調。映画「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」の国内興行収入が好調な滑り出しとなったと伝わっている。先行して公開された米国でも話題を集める作品となっており、これを材料視した買いが入ったようだ。2日の取引終了後に日本経済新聞電子版が「4月28日に日本で公開された映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』の国内興行収入が、4日間で21億円を突破した」と報じた。国内で配給する東宝東和が同日に発表したという。

■資生堂 <4911>  6,559円  -341 円 (-4.9%)  本日終値  東証プライム 下落率3位

資生堂<4911>が軟調。化粧品大手のエスティローダー<EL>が米国時間3日に発表した23年1~3月期(第3四半期)の決算は、1株利益が予想を下回った。業績見通しを引き下げたこともあって、同日の米国市場でエスティローダー株は急落。アジアでの旅行者の需要回復が想定よりも鈍いといい、同業の資生堂に対しても業績の先行きを懸念した売りが膨らんだようだ。化粧品関連ではコーセー<4922>やポーラ・オルビスホールディングス<4927>、ファンケル<4921>も下落している。

■ジャムコ <7408>  1,384円  -60 円 (-4.2%)  本日終値  東証プライム 下落率9位

ジャムコ<7408>が5日ぶりに反落した。前営業日の2日の取引終了後、23年3月期の連結業績に関し、経常損益の黒字額がこれまでの予想の18億6000万円から11億2000万円(前の期は35億1200万円の経常赤字)に下振れて着地したようだと発表し、嫌気されたようだ。売上高は498億円から472億円(前の期比20.8%増)と、計画を下振れて着地したようだという。航空機向けの内装品やシートなどの製造関連事業において、一部プログラムの出荷が顧客の納期変更などにより次期に繰り延べられたことが響く。前期の最終損益は計画(21億6000万円の黒字)とほぼ横ばいの21億7000万円の黒字(前の期は40億8100万円の赤字)で着地した見込み。繰延税金資産の計上も発表している。

■イチネンHD <9619>  1,335円  -30 円 (-2.2%)  本日終値

イチネンホールディングス<9619>が軟調。前営業日の2日の取引終了後、23年3月期の連結決算発表にあわせ、24年3月期の業績予想を開示した。最終利益は前期比7.5%減の54億8000万円を計画する。減益見通しを嫌気した売りが出たようだ。今期の売上高は同2.5%増の1310億円を見込む。前期にリース満了車の売却利益が大幅に増加した反動などを業績予想に織り込んだ。

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